アナフィラキシー

玉那覇康一郎・小児クリニックたまなは(2014年12月16日掲載)

食事後の運動で誘発も

 高校生の男子が意識障害で救急外来に運ばれてきました。意識はもうろうとし、時折苦しそうにせき込んでいます。顔面はパンパンに膨れ上がり、手足も血管が見えないほどです。酸素投与、点滴、アドレナリン注射を施して、やっと意識が戻ってきました。


 その男子は給食のパンと牛乳を食べた後、運動場でサッカーをして遊んでいました。しばらくして顔や体にじんましんが出て、次第に呼吸するのが苦しくなり、ついに立てなくなって倒れてしまった、ということでした。後日、アレルギー検査で軽度の小麦アレルギーと判明しましたが、今までパンなど小麦製品を食べても特に症状はなく、また給食後のサッカーはよくやっていました。


 実は「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」という疾患があります。原因となる食物を食べても、運動しても問題ないのですが、原因食物を食べて2時間以内に運動するとまれに起こるとされています。


 別の日に野球部の中学生男子が外来を受診しました。エビグラタンを食べた30分後、監督からもらった湿布薬を打撲部位に貼り、それから1時間後の練習中に唇が腫(は)れ、次第に顔全体が腫れてきました。後日軽度のエビアレルギーが判明しましたが、今まで食べても問題はありませんでした。


 ここで問題なのは、原因と思われる食物のエビを食べた後の運動もありますが、症状を誘発したのは運動前の湿布薬と思われます。病院での検査は、原因と思われる食物を食べさせた後、エアバイクやトレッドミルで運動負荷をかけます。その際、前もってアスピリンなどの解熱鎮痛剤を飲ませておくと症状が誘発しやすくなるのです。


 この疾患は10~20代に多く見られ、原因食物は小麦製品約60%、エビ・カニなどの甲殻類30%です。対策は、疑いのある原因食物を摂取した後は、最低2~3時間ほど運動しないことです。またアナフィラキシーを心配する人は、前もって抗アレルギー薬か携帯用アドレナリン自己注射薬(エピペン)を処方してもらって準備しておくことが大切です。

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