レジリエンス
長田清・長田クリニック(2014年10月28日掲載)
ストレスはね返す力
私たちは生活環境からいろいろなストレスを受けています。有害なストレスも多いのに、私たちは結構頑張って生活しています。実はストレスへの抵抗力は誰もが持っているのです。物理学の用語で、外力によるゆがみをはね返す力のことをレジリエンスといいます。それを心理学用語として使う場合は精神的回復力、自発的治癒力という意味合いで使います。病気やけがをしたときは専門の医師から適切な治療を受け治っていきますが、その回復を担うのは自分の中にあるレジリエンスという回復力です。
疾病治療で大切なのは、良くなりたいという自発的な意欲です。意外に思うかもしれませんが、気付かずに不健康なことを続ける人が多いのも事実です。次に大切なことは医療者側との信頼関係です。これはどんな治療技術よりも大きな治療要因になります。このことは患者さんだけでなく、医療者側にも大きな責任があります。そして一番大切なことはレジリエンスを発動させることです。自分の中に秘められているパワーを全開にするのです。
でも簡単にはいかないかもしれません。私たちは病気やけがをすると気持ちが沈み、悲観的な感情に支配されてしまいます。ネガティブな力が支配的になり、回復への意欲が低下します。そういうときこそ、自分のレジリエンスを信頼しましょう。あなたの身体や心の奥底に秘められた力、レジリエンスがあなたを回復へ導くでしょう。
レジリエンスに大切なことは何でしょうか。笑いが人を癒やすともいわれ、ヨガや太極拳などの身体運動も癒やしに有効だといわれます。家族や友人に囲まれ支えられることや、充実できる仕事や趣味、好きな運動があることも回復力に影響するといわれています。喜び、好奇心、安心、愛情、友情、興奮、感動、自然への畏敬の念などのポジティブな感情が役に立ちます。
元気に生きるためには医学の力だけでなく、自分の中にあるレジリエンスを有効に働かせることが大切です。周りの人の援助はそれらを高めるような関わり方で行うのがいいでしょう。