C型肝炎

宮里賢・那覇市立病院(2014年10月21日掲載)

克服する時代へ

 C型肝炎はA~Eまである肝炎ウイルスの1種であるC型肝炎ウイルスによる感染症で、B型肝炎と並んで慢性肝炎の主な原因です。血液を介して感染し、以前なら輸血や医療行為などが原因でした。現在でも入れ墨などが原因です。まれに夫婦や親子間での感染もあります。


 日本には150万~200万人の患者さんがいて、肝硬変や肝臓がんの一番の原因です。急性の肝炎を発症することもありますが、多くは慢性肝炎の時期を20~30年経て肝硬変に進展し、高い割合で肝臓がんを発症します。C型肝炎ウイルスは遺伝子の種類で分類され、わが国ではほとんどが遺伝子型(ゲノタイプ)の1と2です。特に難治性である遺伝子型1が7割を占めています。


 治療には従来、(1)インターフェロン(注射)を使用した直接肝炎を治す方法(2)肝庇護(ひご)剤と呼ばれる種類の薬剤により肝機能を安定化させる治療-の二つがありました。インターフェロンは発熱や倦怠(けんたい)感をはじめ、白血球(免疫の細胞)や血小板(止血に関係する細胞)の減少、貧血などの副作用が問題でした。


 インターフェロンの治療効果も、当初は遺伝子型1に対して10%の治癒率しかなく敬遠されがちでした。10年前から治癒率は50%まで上昇しましたが、1年以上の治療期間が必要でした。今では半年の治療で治癒率も90%と飛躍的に改善しましたが、副作用の面から高齢者や肝硬変の方へは投与が困難な状況が続いています。


 ようやく今年からインターフェロンを使用せず、ウイルスに直接作用する薬剤を複数飲む治療法が始まりました。半年間の治療で、年齢や肝硬変の有無に関係なく8割の方に有効とされています。高齢者や肝硬変の方でも安心して治療できるようになったのは大変画期的なことです。今後もさらなる治療成績の向上と治療期間の短縮が期待されています。


 もしかすると10年後にはC型肝炎の方はほとんど治っているかもしれません。

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