ストレス性障害
高江洲義英・いずみ病院(2014年9月23日掲載)
自然の歩みにゆがみ
現代社会は文明・科学の発達と共に、自然のリズムを飛び越して、人工的な環境を作りあげ、人間の持つ本来の概日リズム(サーカディアンリズム=体内時計)に、いろいろな障害を引き起こしている。そのため今日の神経症(ノイローゼ)やうつ病(メランコリー)、不眠症など、多くの人の生活リズムに、現代社会のストレス要因がのし掛かっている。
人間は本来、自己コントロール、自己治癒力を備えている。朝日と共に目覚め、日中は活動し、夕日と共に休息に入り、月明かりと共に眠りに就く。この一日のリズムを1日、15日と月の満ち欠けと共に繰り返し、春夏秋冬、一年間を立春や夏至、冬至、小満、芒種(ぼうしゅ)など二十四節気で生きることによって、成長し成熟していく。このような自然の歩みにゆがみを生じるのがストレス性障害である。
精神の障害には、乳幼児期からの発達障がいや高齢者の脳血管障害、その他脳腫瘍など、脳器質性障害もある。これらは社会変動とは別の要因によるものだが、それでも社会的ストレスも配慮しておきたい。統合失調症やそううつ病など内因性の精神障害の場合でも、要因は別にあるとしても社会的ストレスの配慮が望まれる。
本来のストレス障害は、かつて神経症(ノイローゼ)や心因反応(心理的リアクション)と呼ばれていたもので、現代人に身近な症状である。今日ではさらに不眠症(睡眠障害)、心身症(精神や身体の関連する機能・器質障害)など、幅広い症状で現代人を悩ませている。
不安障害、恐怖障害、強迫性障害、解離性障害、同一性障害、気分障害など多くの症状で受診する方が増えている。
本来の二十四節気の持つ自然のリズムに合わせ、朝日で起きて、月の出と共に生きる体内時計や自然治癒力を働かせる環境療法が求められている。さらには治癒力を高め、リハビリテーションとしての表現療法や芸術療法、音楽療法、園芸療法などが今日必要とされている。