デング熱

椎木創一・県立中部病院(2014年9月16日掲載)

海外での防蚊が第一

 最近、報道をにぎわせている「デング熱」。耳慣れない病名ですが、実は世界的にはとても有名で、東南アジアなどを中心に昔から流行している感染症です。原因となるウイルスを持った蚊に刺されて4~7日ほど後に、発熱や頭痛、ひどい筋肉痛、関節痛を起こします。多くの方は自宅で療養していれば自然に治ってしまいますが、まれに重篤な出血症状などを起こすと入院が必要になります。


 蚊に刺されてから熱が出たら心配になるかもしれませんが、ウイルスを持っていない蚊に刺されてもこの病気になることはありません。せきや鼻水、下痢などがあればあまりデング熱らしくありません。デング熱以外にも熱が出る病気はたくさんありますので、詳しい検査が必要かどうかは、海外旅行に行ったことなどを伝えた上で医師に相談してください。


 今回、東京などで患者が発生したのは、流行している国でウイルスに感染したヒトが国内で蚊に刺され、その同じ蚊が別のヒトを刺して感染を起こしたことが原因と考えられています。旅客機のおかげでヒトが簡単に移動できるようになったのは便利なことですが、日本になかった感染症が持ち込まれることにもつながっています。


 まずは皆さん自身が海外に出掛けるとき、現地で蚊に刺されないように注意することが最初の予防になります。旅行先で流行している感染症を厚生労働省検疫所のホームページなどで事前にチェックしておくのもよいですね。長袖・長ズボンを着用して蚊よけスプレーや蚊取り線香などの防蚊グッズも活用しましょう。蚊が連れてくる感染症にはデング熱以外にもマラリアやチクングニア熱などがあり、蚊よけすることで他の病気も一緒に防ぐことができます。


 お隣の台湾では既に根付いているデング熱ですが、今のところ沖縄に上陸した様子はありません。しかし、同じく蚊が連れてくる日本脳炎という病気は沖縄で数年前に発生しています。秋口になったこの季節でも、むやみに蚊に刺されないように注意しましょう。

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