訪問診療

天願勇・クリニックぎのわん(2014年8月26日掲載)

どこで治すの?家でしょう!

 当院では最近、訪問診療が増えています。訪問診療は、一人で通院できない方が対象で、中には重い障害のある方、自分で意思表示できない方、病院に通えない難病の患者さんもいます。がんや生活環境のゆがみから起こる生活習慣病(高血圧、糖尿病、高脂血症)の合併症で心臓や脳梗塞後遺症、神経まひによる寝たきり、床ずれ、認知症、老化による筋力低下で寝たきりの方も増えています。


 日々の生活を少しでも元気で平穏に過ごしたい方々のために、日頃から定期的に診療に伺い、緊急時には365日×24時間対応し、必要に応じて臨時の往診や入院先の手配をします。診療の目的は病気の治療だけでなく、転倒や寝たきりの予防、肺炎や床ずれの予防、栄養状態の管理、家族への助言などです。


 病院の専門医や訪問看護師、歯科医師、薬剤師、栄養士、理学療法士、作業療法士、言語療法士、介護支援専門員と連携しています。最近は一人暮らしや老老介護で重度になり、やむなく老人ホームやサービス付高齢者住宅に転居する例が増えています。要介護状態になる前に「地域包括支援センター」で相談すれば、専門知識をもった相談員がきめ細かい助言をします。


 在宅医療は一人一人の「物語」を聞くことから始まります。若いころの思い出、家族のこと、個人的な悩み…全てが「物語」の一部です。カルテの診療情報を皆で共有し、必要となれば訪問歯科医とも連絡を取り合います。


 医者も人間ですので24時間×365日働き続けることはできません。出張するときは気心の知れた代行専門の医師に頼みます。これからは地域医師会の仲間が連携して代診できるような絆づくりと診療情報を共有したネットワークで、一人の患者さんを優しく包み込む体制づくりが「在宅訪問診療」普及の鍵を握っています。


 最後に、訪問診療をしている患者さんの俳句をご紹介します。


“白寿や 生きる喜び さんだん花””ドクターの優しき言の葉 命継ぐ”-感謝-

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