「良い目」と「悪い目」
幸地賢治・眼科クリニック幸地(2014年7月29日掲載)
近視は勉強向き?
第2次世界大戦前の日本は世界でも有数の軍隊を維持していたため、徴兵制度がありました。心身剛健で視力も良好でなければ、兵隊検査に合格しませんでした。そのため国民の半数近くが近視になる状況を改善しようとして、視力の良好な目を「良い目」、近視を「悪い目」として差別した歴史があります。
いわゆる良い兵隊さんになれるのは「良い目」で、良い兵隊さんになれないのは「悪い目」だった訳です。戦前の教育を受けたおじいちゃん、おばあちゃんから「姿勢が悪いから近視になる」「マンガばかり見るから」「寝っ転がって本を読むから」「暗い所で…」などがお父さん、お母さんに伝えられました。完全に洗脳されてしまったのです。
それに加えて「悪い目」という言葉は、いかにも病的な響きです。どんどん悪くなるのではないか、失明するのではないかなどオーバーな心配までなさる方もおられます。近視と宣告された途端泣き出す親御さんもいて、問題の深刻さを感じます。
でも近視は近くがよく見えます。本など何時間読んでも疲れません。将来デスクワークをする人には最適です。冗談で「勉強しすぎて近視になった」という話がありますが、近くは得意ですので本当に勉強に向いているのかも知れません。ちなみに琉球大学の学生の70%が近視であるとの報告がありました。
眼鏡をかけると目が悪くなると信じている方々がおられます。その方々に質問です。
(問1)大学の偉い先生方の多くが、また幸地眼科の幸地先生も眼鏡をかけているのですが、彼らは眼鏡が目に悪いことを知らないでかけていると思いますか?
(問2)沖縄県にも数えきれないほどの眼鏡屋さんがあります。眼鏡をかけると目が悪くなるのであれば、彼らは人の目の健康を害する人ということになりますが、いかがでしょうか?
答えはどうでしょうか。分かりますよね。近視の子たちにプレッシャーを与えすぎるとトラウマ(心的外傷)になることもあるので、優しく接してあげてください。