変形性膝関節症リハビリ

渡邊丞・ロクト整形外科クリニック(2014年7月1日掲載)

創意工夫し患者笑顔に

 日々診療を行っていると感動する場面が多々あります。


 一人の患者さんにおける全ての診療過程を考えると、患者さんの具合が一番悪いときに出会うことから診療は始まります。私たち整形外科分野の病気でいえば、患者さんは骨折や骨の変形、筋肉やじん帯のケガを抱えて病院を訪れます。


 痛みのせいで眠れない、スーパーまで歩けない、部活で思うようなプレーができない、肩が上がらず洗濯物が干せないなど、さまざまな問題を抱えた方と出会うことになります。


 その中でも、ひざの変形による痛みを訴えて受診される「変形性膝(ひざ)関節症」の患者さんは、高齢化が進むにつれ増加傾向にあります。女性に多く、65歳以上の半数は、変形による何らかの症状を持つといわれます。


 多くの患者さんはリハビリテーションや関節注射で改善しますが、それでもなお痛みが続き、生活に支障をきたす方もいらっしゃいます。このような重度の場合には手術療法をお勧めしています。「人工膝関節置換術」といって、ひざの骨の一部分を金属に置き換える手術です。


 置換術後のリハビリテーションにおいては、患者さんのニーズに合わせた個別計画の下、医師、看護師、理学療法士、管理栄養士、トレーナーがチームとなります。患者さんを多角的にサポートすることにより、ベストな治療環境をつくり、日常生活の改善はもちろん、職場復帰や趣味、余暇活動などが楽しめるよう創意工夫して治療に当たります。


 歩くことさえ難しかった患者さんでも数カ月間、リハビリテーションを頑張ることで軽度のスポーツも可能になります。実際、手術前は10メートルの歩行でさえもつらかった方が、術後はグラウンドゴルフを半日間休むことなくプレーできるようになることは、しばしばあることです。


 診療の一部始終に携わり、最後に笑顔あふれる元気なお姿を拝見できること-。この感動こそが私たち医療者の活力にもなります。

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