学校での食物アレルギー

森永泰正・もりなが内科・小児科クリニック(2014年6月17日掲載)

管理指導表提出を

 皆さんは「学校生活管理指導表」(以下、管理指導表)というものをご存知でしょうか? 何だか昔の生活指導の先生の顔が浮かびますが、実は食物アレルギーに対応するための資料なのです。


 2012年12月に調布市の小学校で発生した食物アレルギーによる児童死亡事故をきっかけに、文部科学省は事故の再発防止に向け、本年3月に「今後の学校給食における食物アレルギー対応について最終報告」を取りまとめました。従来の「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」や、「管理指導表」に基づく対応の周知、徹底を促しています。


 食物アレルギーを疑う症状としては湿疹、じんましん、唇、まぶたの腫れ、腹痛、下痢、嘔吐(おうと)、喉のイガイガ、鼻水、鼻づまりなど、さまざまなものがあります。最も怖いのは意識を失ったり、呼吸困難を起こしたりする「アナフィラキシー」という重篤な反応です。


 そこで管理指導表の記載が大事になり、そのためにはアレルギー検査が必要になります。比較的よく行われるのが、「特異的IgE」という卵や牛乳、大豆、小麦などに特有の免疫物質の量を測る血液検査です。これは結果を0~6の7段階に表示するもので、そのランクが高いほどそのアレルギー物質への注意が必要です。


 その的中率は約70%ですが、厄介なのはその数値とアレルギー反応の出現が必ずしも一致しないことです。さらにこの検査は、食べた直後から2、3時間で反応が出る即時型アレルギーの可能性を調べるもので、翌日以降に反応する遅延型は分かりません。


 つまりこの検査結果は絶対なのではなく、参考程度に捉え、あくまでも日常の食生活や症状の出方を主治医の先生と相談しながら、管理指導表の記載をお願いすることが大事です。お子さまのアレルギーが心配な保護者の方は自己判断せずに、このような検査だということを理解した上で、食物アレルギーの検査と管理指導表の提出をお勧めします。


このページのトップへ