白内障

有持香・三愛眼科(2014年6月10日 掲載)

進化重ねる手術

 白内障とは、加齢により水晶体が濁り、次第に見えなくなる病気です。


 60代ぐらいになるとほとんどの人に白内障がみられるといわれています。白内障の治療は手術が主で、お薬による治療は進行を多少遅らせる可能性はありますが、有効なものではありません。


 白内障の手術は進歩し、手術中の合併症や手術後の炎症の発生率も低くなり、現在では国内で年間100万件程行われ、多くの方が手術後の感激を味わっておられます。


 手術は小さな切開から濁った水晶体を吸引し、眼内にレンズを入れます。眼内レンズを入れると、遠視や近視は治りますし、乱視を矯正できる眼内レンズもありますので、普段の生活で、メガネが必要なくなる可能性もあります。ただし、通常の眼内レンズでは、老眼を治すことはできません。


 白内障に使用するレンズには、現在「単焦点眼内レンズ」と「多焦点眼内レンズ」の2種類があります。


 単焦点眼内レンズの場合、ピントの合う場所が1カ所なので、遠方の景色と手元の新聞の両方がくっきり見えるわけではありません。一方、多焦点眼内レンズでは、遠方、中間、手元など複数の場所に焦点が合うので、老眼も治ります。現在、この多焦点眼内レンズを用いた白内障手術は、先進医療に分類され、通常の社会保険や国民健康保険の適用にはなっていません。しかし、生命保険などでカバーされる場合があります。


 そして、最近のさらなる進化としては、乱視を矯正(治す)することのできる多焦点眼内レンズが、日本でも5月に発売されました。これで白内障手術によって、白内障を治すと同時に遠視、近視、乱視、そして老眼も治すことができる可能性が出てきました。


 年をとってもメガネのいらないクリアな生活を送ることのできる可能性に期待したいと思います。


このページのトップへ