背骨の骨折
大湾一郎・沖縄赤十字病院(2014年4月15日掲載)
骨粗しょう症治療で予防
若い時と比べて身長が3センチ以上縮んだ人はいませんか。「はい」と答えたあなたは要注意です。背骨が骨折している可能性があります。「えーっそんなことはない。だってケガしたことないから」って思いませんでしたか。あまーい。まったく症状がなくても、背骨は骨折することがあるのです。
骨折というと、強い外力が加わって生じるものと思われがちです。ところが高齢者では、骨の強度が低下しているために、軽微な外力でも骨折することがあります。このように骨折しやすくなる病気を、骨粗しょう症と呼んでいます。
骨粗しょう症による骨折が生じやすい部位として、背骨と太もものつけ根があります。太もものつけ根の骨折では痛みのために歩けなくなりますが、背骨の骨折では、自分では気づかないうちに骨折を生じることも、まれではありません。
平均的な日本人女性が一生涯のうちに背骨の骨折をきたす確率は、50%といわれています。実に2人に1人の割合です。このうち3分の2は強い痛みがなく、本人の知らないうちに骨折が生じていると報告されています。
痛みがないからといって背骨の骨折を軽く見てはいけません。軽微な外力で骨折が起きたということは、2度目の骨折も簡単に起きやすい、ということになるからです。私たちは次々に骨折が起きる現象を「骨折連鎖」と呼んでいます。
骨折連鎖が起きて腰の曲がりが強くなると、胸や腹が圧迫されます。試しに自分で腰を曲げてみると、上腹部が圧迫されてそのつらさが分かります。
骨折連鎖は背骨だけでなく、太もものつけ根にも起こります。太もものつけ根を骨折した人の8割に、背骨の骨折を認めたという報告があります。
骨粗しょう症の治療を行えば、背骨の骨折の半分は予防できるといわれています。骨折連鎖を食い止めるために骨折を経験した人こそしっかりと治療する必要があります。
あなたの身長低下も背骨の骨折が原因かもしれません。