お薬手帳

鈴木光・大浜診療所(2014年2月25日掲載)

処方確認、容易に

 「現在どのようなご病気で、このお薬を処方してもらっていますか?」


 日常の診療では、他の医療機関に通院中の患者さんにこのような質問をさせていただくことが度々あります。多くの患者さんはご自身のメモなどをご覧になり、的確にお答えいただいておりますが、中には全くお答えできない方もいらっしゃいます。


 その理由を伺いますと、「医学は難しいから」「どうせ聞いても理解できないから」「説明してもらえなかったから」等々のお返事をいただきます。


 しかしながら診療科の細分化が進む昨今、複数の医療機関を受診するに当たって、過去の病気の内容や現在の治療内容に関する情報は重要です。例えば風邪症状に対して処方される総合感冒薬の中には、目の病気である緑内障や、泌尿器科の病気である前立腺肥大症を悪化させる危険性がある薬もあります。


 また、救急治療などでは過去の病気の情報や現在内服している薬剤に関する情報が、診断の手助けになることが多いのです。そういった情報がない故に、かかりつけ医への確認に手間取ったり、基礎的な検査をやり直す必要性が生じたりすることが多々あります。


 そこでお勧めするのは「お薬手帳」の活用です。これは医療機関でお薬を処方されるたびに、薬剤の情報を直接記載したり、シールなどを貼付したりするもので、投薬情報が蓄積されます。この「お薬手帳」への記載には、毎回数10円程度の費用が余計に掛かりますが、これにより過去に処方された薬剤の確認が容易になります。


 患者さんが処方されているお薬の名前を忘れても、投薬内容から病気の内容などが予測できる利点があります。もちろん、本来の目的である処方された薬の相互作用の確認と、薬による副作用の防止にも貢献します。


 さらに私は、この「お薬手帳」に現在の病名を記録してもらうことをお勧めします。病名を「お薬手帳」に記録し、常に携帯することで、患者さんご自身がご自分の病気を知ることができます。さらに病気を知ることで、治療に対する意識も改善すると考えられます。

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