糸数哲郎・知花クリニック(2014年1月14日掲載)

早めの耳鼻科受診を

 「首を触ってみると、こぶのようなものがあることに気が付いた」「以前から首に小さなこぶがあったが、最近大きくなった気がする」。その場合、耳鼻咽喉科を受診していただくのがよいと思います。


 頸部(けいぶ)とは首のこと、腫瘤(しゅりゅう)は、こぶや腫れ物、しこりのことで、首にできたこぶやしこりを専門的に頸部腫瘤と言います。頸部腫瘤の原因は、大きく分けると炎症(細菌やウイルスによる感染)、先天性の疾患、腫瘍(良性、悪性)などです。


 頸部腫瘤は病気によってできる部位がほぼ決まっており、腫瘤の性質(大きさ、固さ、表面の状態、腫瘤と周囲との境界、痛みの有無)などでおおよその診断が可能です。もちろん全て診断がつくわけではなく、最終的には手術で摘出しなければ診断がつかない場合もあります。


 主な腫瘤とできる部位を図に示します。耳たぶの近く(図(1))には耳下腺(じかせん)という唾液を作る唾液腺があり、耳下腺腫瘍ができます。


 顎の下(図(2))には顎下腺(がっかせん)という唾液腺があり、顎下腺腫瘍や唾液の石、唾石(だせき)によって顎下腺が腫れることがあります。


 首の正面(図(3))には先天性の袋(正中頸嚢胞(けいのうほう))や甲状腺がありますので甲状腺や腫瘍ができます。


 首の横(図(4))には先天性の袋の側頸嚢胞、リンパ節炎、頸部リンパ節腫脹(しゅちょう)、神経鞘腫(しょうしゅ)、悪性リンパ腫、頸部リンパ節転移などがあります。


 虫歯やへんとう、喉の炎症でも首や顎のリンパ節が腫れることがありますし、結核が原因の場合もあります(結核性リンパ節炎)。


 この中で特に注意が必要なのがリンパ節転移です。喉や甲状腺喉頭に腫瘍があり、腫瘍そのものの症状が出る前に、そこから頸部に移動し腫瘤を作ることがあります。


 このように頸部腫瘤は炎症から腫瘍までいろいろあり、中には命に関わる悪性の腫瘍もあります。気になる首のしこりがある人は早めに近くの耳鼻科を受診してください。

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