繰り返す刺激で生じるたこ・うおのめ
東盛貴光/ハートライフ病院形成外科(2021年12月23日掲載)
足からのSOS 原因除去しないと再発 ~沖縄県医師会編
たこ(胼胝)とうおのめ(鶏眼)の違いはなんでしょうか。これは医療関係者でも即答できない方が多いと思います。端的に表すと、深部に病変が広がり、痛みを伴うことが多いのがうおのめで、表面の角質が厚くなっているものの痛みはあまりないものがたこです。どちらも「ペンだこ」に代表されるように、繰り返す刺激で生じることがほとんどです。
足の裏にそれらができている人は多いのではないでしょうか。足を日頃から診療していると、うおのめができた場所からどんな足か想像ができます。
例えば、アキレス腱が硬いと、足裏の前部分で多く見られます。足首がつっぱることで歩くときの踏み返し(足くびを上げる動作)ができず、前足部分から地面に接地する歩行になるためです。外反母趾では親指に、内反足(足の裏が内側に向く変形)では足の外側にそれぞれ負担が加わるのでうおのめができやすくなります。
足の形はみな違っているにもかかわらず、通常販売される靴は大量生産された既製品であるため、足の形に合わない靴を選んでしまうとうおのめが生じやすくなります。糖尿病ではアキレス腱が硬くなりやすく、足が変形することで足裏にうおのめが多発することがありますが、同時に糖尿病が進行すると痛みを感じる知覚もまひするため、ひどい状態になって受診されるケースが増えています。
たこやうおのめ治療の目的は、うおのめができる部分への刺激を減らすことです。大きく分けで二通りです。一つは足にあった靴や中敷き(インソール)を専門の義肢装具士の下で作成することであり医師の証明書があれば保険適応となります。もう一つは刺激が加わらないように手術で足の形を変えることです。原因が除去されない限りは、いくらうおのめを削っても切除して縫合しても再発します。
うおのめは放置しておくと、その根元に傷ができてしまっていることがあり、削ってみると奥から感染した膿(うみ)が出てくることもしばしば経験します。見つけた場合はまずは早めに専門医の診察をお勧めします。