ステイホームで足パンパン
田名毅/首里城下町クリニック第一(2020年7月24日掲載)
足のむくみは就寝時の一工夫で改善 ~沖縄県医師会編
新型コロナ感染症の影響でステイホームの方が増えています。処方箋発行で薬のみとし、診察を控えていたご高齢の患者さんたちを6月になって久しぶりに診察するうちに、気づいたことがあります。それは足のむくみの相談が増えたことです。
これまでは、友人とのお付き合い、デイサービスセンターでの活動、定期的な運動などで外出をしていた方々が、感染症予防のために買い物以外は家にこもり、テレビの前で座って過ごす時間が明らかに増えているようです。その結果、起床時はすっきりしていた足が、昼すぎや夕方になるとパンパンに腫れてきます、という相談です。家族が内科の病気を心配して一緒に受診される方もいます。
その際私は、体重に変化がないか、これまでの検査で腎臓病、肝臓病、心臓病がないかを確認します。それらがないことを確認した上で、血液のうっ滞が原因と考えられますね、と答えています。夕方にかけてむくむということは、座っている時間が長くなっているために重力にしたがって下肢に血液がたまりやすくなってしまうのです。
若い方は静脈がしっかり働いているのでむくむことは少ないのですが、高齢の方は静脈の働きが年齢ともに低下し血液のうっ滞、そしてむくみにつながるのです。
では、どのように対応すればよいのでしょうか? まず寝る時に足元にタオルケットをたたんで置き、少しでいいので挙上(きょじょう)します。そうすることで朝までには多くの方のむくみは改善します。その状態で朝のうちに厚手のストッキングや靴下を履いたり、場合によっては弾性包帯を下肢に巻きます。外から圧迫することによって、その後長時間座っても足に血がうっ滞せずむくみにくくなります。
そのほか、家にいる時間が長くなったことで間食が増えがちだと思いますが、塩分の取りすぎには注意しましょう。塩分が多いと身体の中の血液量が一時的に増えて、その結果むくみやすさに関係します。