子どもの首や肩や肘、腰などの痛み

盛島秀泉/のだけ整形外科(2020年7月9日掲載)

痛み続けばMRI検査を ~沖縄県医師会編


 首痛は寝違えの場合がほとんどですが、まれに環軸椎回旋位(かんじくついかいせんい)固定や炎症性斜傾(しゃけい)があります。首を大きく傾けている姿勢が特徴です。


 腰痛で念頭に置くべき疾患に腰椎椎弓(ようついついきゅう)疲労骨折があります。スポーツを積極的に行っている小学校高学年から見られます。腰椎の一部に疲労骨折が発生しているのが原因です。エックス線検査で異常がなくても腰痛が長引く場合にはMRI検査をおすすめします。


 肩・肘痛では野球肩・野球肘などがあります。野球肩は、野球をしている小学校高学年から見られます。肩の痛みのため思いっきり投球ができません。肩の一部に圧痛がみられ、エックス線検査で上腕骨の骨端線(こつたんせん)が離れているかどうかで診断します。野球肘についても投球時に肘痛があります。肘がまっすぐに伸びなかったり、屈曲困難が見られます。エックス線検査で骨に異常がないかで診断します。5歳以下の子供に見られる肘関節痛に多いのは肘内障です。痛い肘だけでなく腕全体が痛いようなしぐさをします。エックス線検査で骨折がないことを確認して整復操作を行います。


 肘痛・手関節痛で念頭に置くべきけがは骨折です。圧痛、腫脹(しゅちょう)が見られます。子供に特有の骨折に若木骨折(竹の節のように盛り上がった骨折)がありエックス線検査で診断します。ただし、ずれがない骨折や、骨折と打撲の中間くらいの外傷で骨挫傷というけがは、エックス線検査ではわかりません。手関節部の骨折の一つに舟状骨(しゅうじょうこつ)骨折がありますが、最近、小学校高学年で比較的多い印象があります。初回のエックス線検査でも骨折の有無がわからないことがあり、痛みが続く場合にはMRI検査をおすすめします。


 股関節痛で念頭に置くべき疾患に単純性股関節炎があります。3歳から10歳に見られ男児に好発し、股関節前面に圧痛をみとめます。エックス線検査では明らかな異常はなく、痛みがつよければMRI検査をおすすめします。


 子供のけがの多くは打撲や捻挫ですが、ご心配であればお近くの整形外科を受診してください。

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