コロナも怖いが「ロコモ」も怖い!

山口健/リハビリテーションクリニックやまぐち(2020年6月27日掲載)

知度ワーストの症候群 家でも体を動かそう ~沖縄県医師会編


 新型コロナウイルス、こわいですね。「リハビリは休みます」「デイケアはいきません」などの声が聞かれます。外に出るのがこわくなった人たちがたくさんいます。目に見えないわずか1万分の1~2ミリ程度のウイルスを人々は恐れ、多くの人が家に閉じこもり、活動が制限されています。


 ところで、「ロコモ」って知ってますか? 沖縄県はロコモの認知度ワースト1だそうです。正確にはロコモティブシンドローム(運動器症候群)といいます。骨や関節、筋肉など運動器の衰えが原因で、「立つ」「歩く」といった機能が低下した状態のことです。


 運動不足はロコモを誘発します。コロナのために家に閉じこもり、動かないでいるとロコモになってしまいます。高齢者はロコモになりやすく、足腰が弱くなります。また運動不足は骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を悪化させ、骨折しやすくなります。


 もちろん、不要不急の外出を避けることは、ウイルス感染拡大を防ぐために重要です。「ステイ・アット・ホーム」はその通り。しかしこのウイルスの流行が落ち着き、さて「活動していいよ」となったときに寝たきりになっていてはいけません。


 からだが衰えて歩けないのでは困ります。また、足腰が弱った状態で歩くと転びやすいのです。骨折の危険性は高まります。コロナもこわいですがロコモもこわいのです。


■答えは「動くしかない


 それではどうすればいいのでしょう? 答えは「動くしかない」のです。運動は「自粛」してはいけません。主婦(主夫)の方々は洗濯や掃除、料理などの家事労働をするだけでも運動になります。庭の手入れや、部屋の模様替えなどもいいでしょう。


 そのほか、運動の内容はなんでもかまいません。ラジオ体操、テレビ体操、ダイエットのための本やDVD、インターネットの動画サイト、趣味のヨガなどいろいろありますね。


 まずは深く腰掛けたそのソファから立ち上がりましょう。1日の生活の中に運動する時間を作りましょう。新型コロナウイルスが収束したとき、みんなで元気に楽しい日々を迎えるために!

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