赤ちゃんの脳や脊椎の異常を防止
古堅善亮/古堅ウィメンズクリニック(2020年2月27日掲載)
妊婦に必要な葉酸 摂取の現状、推奨量の半分以下 ~沖縄県医師会編
妊娠中は胎児の分も栄養が必要なため妊娠していないときより、栄養をまんべんなくとる必要があります。これから妊娠しようとしている人には是非多めにとってほしい栄養素があります。それは葉酸です。葉酸はビタミンBの一種でブロッコリーやほうれん草、からしな、などの緑黄色野菜や豆類やレバーなどにも多く含まれています。葉酸が不足しても軽ければ症状はありませんが、高度になれば貧血になったり、舌や口の中があれたりします。
日本人女性の葉酸を取る量は厚生労働省の推奨量の半分以下と報告されています。葉酸は赤ちゃんの脳や脊椎などの異常(特に二分脊椎)を防ぐ効果があるとされています。二分脊椎とは脊椎がきちんとくっつかないもので、歩くのに支障がでたり、トイレがうまくできないことがあります。そのため産まれた後、手術となることが多いのです。英国や米国では以前は日本より3~4倍多かったのですが、葉酸の必要性が強調されるようになり、今では日本の半分以下の頻度となっています。米国やカナダでは市販されている小麦粉やパンなどに葉酸を加えるよう法律で決められているほどです。
摂取、妊娠の1カ月以上前から
それではいつから葉酸を十分とればいいのでしょう。脊椎が作られるのは妊娠6週くらいまでのかなり早い時期です。そのため妊娠に気づいてから取り始めるより妊娠する1カ月以上前から多めにとることが勧められています。しかしその場合、ほうれん草のおひたしなら1日4皿、キャベツなら2分の1個とかなりの量になります。野菜やレバーをたくさん食べられない方はサプリメントでもいいと思います。その場合1日葉酸0・4ミリグラムが勧められています。1日1ミリグラムでは過剰となるため買うときに注意しましょう。
妊娠と葉酸の話以外でも妊娠中のさまざまな問題についての解説が載っているスマホの無料アプリがあります。Babyプラスというアプリで日本産科婦人科学会が監修しているので安心して利用できるのでお勧めです。