危ない!沖縄県の脳卒中

崎間洋邦/琉球大学医学部付属病院(2019年11月22日掲載)

塩分控え高血圧対策を ~沖縄県医師会編

 脳卒中には、血管が詰まるタイプ「脳梗塞(こうそく)」と、破れるタイプ「脳出血」「くも膜下出血」があります。脳卒中を起こすと、脳に障害をきたしてしまい、半身不随や言語障害などの症状を起こします。全国で第3位の死亡率を占めます。発症すると患者本人だけでなく、ご家族、そして社会に大きな影響を与えます。介護保険の要介護5の一番多い原因になっています。


 沖縄県の脳卒中の現状をお話しします。沖縄県医師会を中心とした脳卒中地域連携パスの結果から、脳卒中の発症数は沖縄でも増えており、年間3千人余の新規発症者がいるとみられています。


 脳卒中の原因になるものは、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、肥満、などの動脈硬化につながる病気や、喫煙、過度の飲酒、運動不足、食生活の欧米化などの生活習慣が挙げられます。そのほかには心房細動という不整脈も主な要因になります。


 沖縄県の脳卒中の特徴としては、全国のデータと比較して脳出血が多いことが分かっています。その中でも50代男性で多くなっています。働き盛り世代での脳卒中発症はより社会的な影響が大きいです。いったん起こしてしまうと医療負担がかかるだけでなく、仕事を休まざるを得なくなり、その後の社会復帰も難しいことが多くなります。


 予防がとても大切です。健診や人間ドックを受け、そこで先ほどお話したような動脈硬化につながる病気の指摘を受けたら、医療機関を受診し、かかりつけ医を作って相談することが大事です。


 沖縄県で多い脳出血に大きくかかわる病気は高血圧です。従って、高血圧対策は特に重要です。かかりつけ医を作ることに加えて、日常生活の中で塩分をとりすぎないような食生活を心がけてください。うす味を心がけ、食卓塩やしょうゆを使いすぎず、酢、レモン、こしょうなどで工夫して味付けをしましょう。くんせいなど塩分の多い加工食品を控え、麺類の汁を飲み干さないようにすることもポイントです。

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