沖縄県で一番多い乳がん

玉城信光・那覇西クリニックまかび(2019年7月13日掲載)

検診で早期発見を ~沖縄県医師会編

 「友達が乳がんの手術を受けた」「親戚が“がん”と言われた」-。日本人は2人に1人が“がん”になると言われています。家族にがんの患者さんがいる時代です。


 先日「沖縄県がん登録事業報告」が手元に届きました。県内の病院から報告された全てのがんの集計です。2015年の集計ですが、一番多いのが女性の乳がんでした。1069人が報告されています。2番目が男性の大腸がん923人。3番目は男性の肺がん683人です。がん検診を受けていますか? これらのがんは市町村で行われるがん検診で見つけられます。


 乳がんが増えています。2010年の乳がん数は707人。2015年は1069人です。乳がんは増えても心配ありません。なぜなら大きさ2センチ以下(早期発見)で治療をすると10年たっても90%以上再発しません。再発しないということは治ったということです。しかし2センチを超える大きさになると10年再発率が23%近くになります。どちらを選びますか。より小さいがんを見つける方が良いのです。


 見つける方法は簡単です。お風呂の時に石鹸(せっけん)をつけて右手を上にあげて、右側の乳房を左手の指で軽く押しながら触れてみるのです。もし乳頭の上の方に硬いものを触れたら、今度は左手を上げて右手で左乳房の乳頭上の方を触れてみてください。同じような感じなら心配ないです。右が硬く左が柔らかければすぐ専門医を訪ねてください。乳房の硬さは左右ほぼ対称的です。硬さに左右差がある時には病気の可能性があるので専門医に相談してください。一生懸命触れてもわからないという方がいます。それは異常がないからわからないのです。がんがあるとよくわかります。


 指で触れてもわからないがんもあります。1センチぐらいのがんは難しいです。しかしそのがんもマンモグラフィーと超音波では発見できます。検診が大事です。市町村の集団検診、会社の検診、人間ドックなどいろいろな機会を捉えて早期発見に努めてください。

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