白血病患者に必要な血小板

久田友治/那覇市・県赤十字血液センター(2019年3月2日掲載)

市民にお願いしたい成分献血 ~沖縄県医師会編

 白血病になったアスリートのニュースから、献血や骨髄移植についての問い合わせが多くなった。ここでは成分献血についてお話ししたい。


 成分献血とは、白血病患者でよく必要となる血小板(けっしょうばん)の採取に必要な献血である。


 献血には全血献血と成分献血の二つがある。全血献血は、献血者から頂いた血液をすべて利用するが、成分献血は、腕の血管から細いプラスチックの針でゆっくり血液を抜いた後、血小板などの必要な成分のみを器械で遠心分離して、それ以外の成分は献血者にお戻しする。


 全血献血は職場などに派遣するバスでも行えるが、成分献血は那覇市久茂地の献血ルームでしか行えない。


 血液センターの仕事は、ボランティアに献血して頂き、必要な患者にお届けする事である。


 血液製剤の安全性の確保と十分な血液製剤の安定供給のために、これまで幾つかの課題をクリアしてきた。例えば、肝炎ウイルスが感染している血液製剤(赤血球、血小板など)を除くために高度な検査を導入した。また、これまで県単位で行っていた事業を平成24年から広域事業運営体制に変更し、検査や製剤業務をブロック血液センターに集約している。この体制で安全性の向上、安定供給と共に効率的な運営を図っている。


 血小板は、出血があった時に血を止める働きをする成分であるが、有効期間が短いのが難点である。現在、血小板の有効期間を4日としているが、より安全性を高めるために、3日に狭めていく運用方針となった。


 久茂地の献血ルームにおける成分献血は1週間を通してみれば必ずしも困る状況ではないが、土日や休日に集中しており、平日は少ないのが現状である。血小板の有効期間を3日とするためには、平日の特に月・火・水曜日の午前中に成分献血による血小板の確保が重要な課題となっており、皆さまのご理解とご協力をお願いしたい。

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