情報共有し適切・迅速な医療

比嘉靖・東部クリニック(2018年8月18日掲載)

そんなシステムがあります ~沖縄県医師会編

 沖縄県医師会では「おきなわ津梁ネットワーク」という地域保健医療連携システムを推し進めています。「個々の同意」のもと、特定健診結果、医療機関での医療情報(病名、処方、検査結果、CT・MRIなどの画像検査結果等)を、医療機関、歯科診療所、調剤薬局、訪問ナースステーションなどの参加施設で共有し、県民の健康を推進していくシステムです。


 例えば、(1)過去の特定健診結果より、治療が必要なケースを早期に発見し、早期治療につなげて疾病の予防や重症化を予防する(2)患者さんの状態に応じ専門病院への転院を効率的にし、切れ目のない医療を提供する-など、県民の健康を推進して長寿県の復活を目指しております。


 また、情報の共有が、重複する検査や投薬のほか、重症化を未然に防ぐため人工透析など高額医療の抑制まで期待でき、医療費の適正化にもつながります。さらに、救急病院や初めての医療施設、かかりつけ薬局の受診時に、過去の検査結果や病名を基に適切な医療、服薬指導を受けることができ絶大な効果を発揮します。


 今後は、「本人同意」を前提に「統合された個人データの利活用」「個人データを活用したヘルスアクション企画への参加」「健康活動アプリ」等で、健康増進活動を促進したいと思います。さらに、災害時の避難所で着の身着のままの状態でも、病名や薬品名などを確認できるようにし、迅速な医療提供ができるよう準備をしています。


 この恩恵を受けるには、おきなわ津梁ネットワークの趣旨を理解し、「同意書に署名」が必要です。登録は、ネットワークのマークをかざした医療施設、県医師会でお受けしています。また、医師会事務局が市町村と協力する地域の集団健診会場でも登録できます。登録には小児から高齢者まで年齢を問いません。お気軽にお声をおかけください。詳しくは、同ネットワークホームページ(http://www.shinryo.okinawa.med.or.jp)もご覧ください。

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