便秘でお困りですか?

平田晴男・平田胃腸科(2017年4月8日掲載)

悪化させる前に相談を ~沖縄県医師会編

 多くの女性が抱える悩みは、便秘ではないでしょうか。いろいろ市販薬や、サプリメントを試しながら、長い間便秘と付き合っている方は多いと思われます。


 便秘は、排便の回数や、排便の量が減ったり、そのため、残便感やおなかにガスがたまる、いきまないと出せないなどの症状が出ます。若い人では、偏食やダイエット等の不規則な食生活、運動不足、ストレスが誘因となって便秘になることが多く、それが習慣となって、年齢とともにますます頑固な便秘になってしまうことが多いようです。


 便秘の中には、癌やポリープ、炎症などで腸の通りが悪くなってしまう器質性便秘から、糖尿病、甲状腺機能低下症、パーキンソン病等の病気で引き起こされる症候性便秘、鎮痛剤や抗生剤、精神安定剤などで引き起こされる薬剤性便秘などがありますが、多くは腸に何ら異常がない機能性便秘(腸の蠕動(ぜんどう)運動の障害)です。


 機能性便秘には二つのタイプがあります。


 一つは、便が、腸の中に長い間とどまってしまい、排便回数が減少し、硬い便で、排便に難渋する場合と、高齢者に時に見られる肛門周囲の筋力の低下から、便を押し出す力が低下し、残便感や、すっきり感がなく、いきんでも便が出ないタイプがあります。


 便秘の改善は、普段の生活習慣です。トイレを我慢することや運動不足が原因となることも多いです。朝食後は、必ずトイレに行く習慣をつけ、便意を感じたら、我慢しないことです。食生活も大事です。甘いものを多くとったり、食事の時間が不規則で間食で食事を済ましたりすることが多いと、排便を促す脳の信号が腸にうまく伝わらず、便秘になる原因にもなります。


 規則正しい食生活、朝食はしっかりとり、野菜などの食物繊維、水分も十分にとること、そして、腸内環境を整えるヨーグルト、納豆などの発酵食品もとるようにしましょう。


 市販薬やサプリメントに頼った結果、大量に薬を飲まないと排便できなくなってしまったり、間違った薬で腹痛がひどくなってしまったりすることもあります。


 便秘の薬にも、たくさんの種類があり、選択肢も広がっています。自己判断で便秘を悪化させる前に、また、便秘の原因が本当に機能性の便秘なのかも含め、1度かかりつけの医師にご相談ください。

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