コンタクトレンズ最新事情

宮良長治・宮良眼科医院(2014年6月6日掲載)

 コンタクトレンズ(以下コンタクト)処方希望で受診する人が増えています。日本のコンタクト使用人口は1500万人以上と推測されており、当院でも10代後半~20代の若い人を中心に、小学校高学年や、逆に老眼が気になり始めた中年以上の処方も多くなっています。


 小学生は野球、サッカー、琉舞など部活での使用。中年以上では職業柄眼鏡が使えない、近くが見えにくくパソコン業務などに支障のある方などが、遠近ともよく見えるコンタクトを切実に求めて来院します。


 現在、処方の中心となるコンタクトは1日使い捨てや、2週間や1カ月で交換する頻回交換タイプで、1年以上使える従来型のソフトレンズやハードレンズ(違和感がやや強く、落下や割れる恐れがあるためスポーツ時の使用には適さない)の処方は減っていると感じます。


 最近のソフトレンズは、使い捨てでもかなりの乱視に対応できるトーリックレンズや、老眼用の遠近両用レンズも数多くあり、選択の幅が広がっています。遠近両用コンタクトはソフト、ハードどちらもありますが、非常に満足度が高い人がいる一方で、近くの非常に細かい物ははっきり見えないという不満がある人もいます。遠近両用コンタクトは見え方に個人差があり、試してみないとわからないことがありますので、使ってみたい方は眼科を受診してください。


 コンタクトは高度管理医療機器に指定されており、原則として医師の処方なくしては購入できないことになっていますが、オシャレのためにインターネットで粗悪なカラーコンタクトを入手しトラブルになるケースもあります。


 また、夜コンタクトをつけっ放しで寝てしまったり、使用期限を超えて使い続けるなどの誤った使用で重症の角膜感染症を起こし、永久的に視力障害が残ってしまった例も多数あります。


 コンタクトは、眼にとっては異物であり、治療用の一部を除いては眼のために良いものではないとの自覚が必要です。コンタクトを常用する眼科医が少ないのはそのためです。体も眼も成長途上の小中高生は、著しい視力の左右差で眼鏡がかけられないなど、よほどの理由がない限り眼鏡との併用を条件としてコンタクトを処方すべきだと思います。各自のライフスタイルに合わせてコンタクトを正しく使用することで、より質の高い生活を送ることができるでしょう。


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