ニキビ 一人で悩まず皮膚科へ

金森志奈子・那覇かなぐすく皮膚科(2014年3月17日掲載)

症状に応じた治療を

 おでこや頬にできるニキビは一つでもとても憂鬱(ゆううつ)なものです。治ったと思ってもまた別の所にできてしまいます。青春のシンボルとはいうものの、いじったりしてかえって悪化させて悩んでいる方も多いのではないでしょうか。


 ニキビの正式名称は尋常性ざそうという皮膚の慢性炎症性疾患です。思春期を終えるまでに90%以上の人がかかるといわれ、長い期間再発を繰り返します。原因となるのは皮脂分泌の増加、面皰(めんぽう)と呼ばれる毛穴の詰まりやアクネ菌の増殖です。


 早期には白ニキビ、黒ニキビができ、アクネ菌が増えてくると赤ニキビ、膿みを持った炎症性ニキビになります。赤ニキビが治っても、白ニキビ、黒ニキビが赤ニキビに進行することがあり、このような状態が繰り返されることで長い間悩まされてしまうのです。


 さらにニキビが長引くと、瘢痕(はんこん)といって治療の難しいニキビあとが残ってしまいます。治療のゴールとしては、「ニキビあとを残さないようにする」ことになります。


 2008年に、毛穴の詰まりを改善するニキビ治療薬外用レチノイドが日本でも承認され、早期のニキビも治療することができるようになりました。炎症性ニキビも未然に防ぐことができ、炎症が治まってきた後の維持療法としても行われます。


 炎症性ニキビに対しては、抗菌薬の外用と併用することが推奨されています。外用レチノイドは使い始めに皮膚刺激症状を生じることがありますが、保湿をしっかり行うことで乗り切ることができます。


 外用療法のみで改善されない炎症性ニキビには、アクネ菌の増殖を抑え、抗炎症効果を期待して、抗菌薬の内服が行われる場合があります。


 思春期後にできる大人ニキビは頑固なことが多く、原因としてストレスやダイエット、化粧による影響が考えられています。油性の多い化粧品や重ね塗りは避け、刺激が少なく、ニキビができにくいと確認されている「ノンコメドジェニック」のものを選んで、洗顔は朝晩1日2回、丁寧に洗いましょう。


 ストレスは皮脂の分泌を促してニキビを悪化させてしまいます。ため込まずに適度な運動などで上手に発散し、バランスのよい食事、十分な睡眠をとるなど規則正しい生活を送る事が大事です。


 ニキビは一人一人さまざまな状態があり症状に応じた治療が必要となります。悪化する前に皮膚科で早めに治療しましょう。


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