ドライアイへの対応
宮平誠司・首里眼科(2013年9月2日掲載)
意識して乾燥防ぐ
最近、ドライアイという言葉をよく聞きますね。ドライアイとは、いろんな要因による、涙、および角膜、結膜といった目の表面の慢性疾患で、目の不快感や、見えにくいなどの異常を伴うものです。
涙は水分だけではなく、蒸発を防ぐために、表面は、きれいな油の膜で覆われています。その油を分泌するマイボーム腺の異常がもっとも多い原因となっています。他に、瞼(まぶた)の異常、瞬(まばた)きの異常、コンタクトレンズ装用、薬によるもの、アレルギーなど、多数あります。それにエアコンなどの環境要因が組み合わさって起こります。
症状は、「目が乾いている」と受診する患者さんよりも、むしろ「目が疲れやすい」と言って受診する患者さんが多いです。
時々目を閉じたり、休み休み仕事をする人はドライアイにはならないですね。
人間は、1分間に15回くらい瞬きをするといわれていますが、真面目すぎる人は、瞬きもせずに仕事に熱中するあまり、目の表面が乾いてしまいます。意識して瞬きをするのは、目の表面の乾燥を防ぐのに有効です。
テレビコマーシャルで「あなたは、10秒間、目を開けていられますか」というのを見たことがありますか? あれは、目の表面に均一に分布している涙の状態が崩れるまでの時間を調べているのです。
ドライアイをひきおこす要因として、エアコンの風が直接目に当たるのも良くありません。それから、必要以上にエアコンの風を強くしないようにしましょう。
デスクトップで仕事をしている人はノートパソコンに切り替えたほうがいいですね。ノートパソコンだと、画面を低い位置に設定できます。画面の位置が低いと目線が下がるので、目の開いている面積が少なくなり乾燥しにくくなります。
ドライアイと診断されたら、まずは、眼科で指示された目薬をしっかりさす事が大事です。涙を補うための人工涙液と、目の表面に潤いを与え、傷を治すヒアルロンサンナトリウム、涙を均一に分布させるムチンを増やす目薬を使うのが基本です。
他に、体を動かすと血流がよくなって涙の分泌が促進されますから、ドライアイの方に適度な運動はお勧めです。またストレスで体が緊張状態になったり睡眠が不足したりすると、血行不良になって涙の分泌も悪くなります。よく眠ってストレスを解消するのは、ドライアイの症状改善にも有効です。