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編集後記

年が明け、今沖縄は辺野古移設問題で大きく 揺れています。目まぐるしく変わる時の政権に よって、二転三転した普天間基地の移設、辺野 古埋め立て問題は一般市民を巻き込んで地域内 に大きな感情的しこりを残しました。決断をせ ずに、徒に先送りしてきた中央政府の怠慢が県 民に与えた苦しみ、悲しみは計り知れません。 県民同士がいがみ合う姿を見ていると、とても 悲しい気持ちになります。いつの日か、穏やか な日が返ってくる事を願って止みません。

第44 回全国学校保健学校医大会報告では秋 田県で実施されているインフルエンザなどの感 染症モニタリング事業が目を引きます。既存の ネットシステムを利用して出来る様なので沖縄 県でも比較的容易に導入可能なのではないでし ょうか。平成25 年全国医師会勤務医部会連絡 協議会では女性医師を含めた勤務医就労支援に ついて様々な議論があったようです。日本にお いて医師のキャリアは、専門医師からジェネラ リストまで自分のライフスパンの中で比較的容 易に移行できます。医師としてのキャリアを開 始した時点で分岐し、将来交わる事のない諸外 国の医師キャリアと大きく違い、医師のライフ ワークバランスを考える際に選択肢が広がりま す。今後そのキャリア熟成をどのように支援す るかが課題ですね。平成25 年度有床担当理事 連絡協議会では、防火対策強化について、入院 基本料の問題、管理栄養士確保の問題など、現 状として窮地に立たされている有床診療所運営 の悲痛な訴えが聞かれます。このままでは有床 診療所は無くなってしまい、特に医療資源の少 ない僻地の医療において深刻な事態に発展する 事は間違いありません。平成25 年度都道府県 医師会長協議会では日本医学会の今後のあり方 に関しての議論があったようです。日本医師会 から日本医学会を分離させる事によって生じる 様々な問題を、互いに強く連携する事によって 上手に回避していただきたいと思います。平成 25 年度都道府県医師会感染症危機管理担当理 事連絡協議会では新型インフルエンザに対する 具体的なアクションが議論されています。平成 25 年度都道府県医師会勤務医担当理事連絡協 議会報告では医療事故調査制度に関して議論が あり、第三者機関による調査報告をどの様に扱 うべきかについて活発な意見交換が行われてい ます。また、新しい専門医制度に関しての意見 の中には19 番目の専門医として位置付けられ ている総合診療医に対し、「何でも診れるとは、 何にも診れないに等しい」という厳しい意見が 聞かれます。しかし、総合医、総合診療医は医 療資源の乏しい地域において絶大な力を発揮す るはずです。ジェネラリストの育成という方向 性は間違っていないと思います。九州医師会連 合会第337 回常任委員会では各種表彰者、各種協議会の開催、フィリピン台風被害への義援金 などについて議論されています。第113 回九州 医師会総会および関連事業では沖縄県で行われ た協議会の事が報告されています。次期診療報 酬改定、控除対象外消費税への対策など重要な 問題が山積しています。平成25 年度九州学校 検診協議会では学校現場に設置されたAED の 評価が議論されたとの事です。平成25 年度第 5 回沖縄県、沖縄県医師会連絡会議ではおきな わ万国津梁ネットワークへの参加協力について 県に要望したとの報告があり、県からは医療勤 務環境改善推進事業についての説明がありまし た。勤務医を含めた医療勤務環境改善に向けて 期待したいと思います。平成25 年度沖縄県総 合防災訓練、緊急消防援助隊九州ブロック合同 訓練報告では、沖縄JMAT チームが泥だらけ になりながら奮闘した実働訓練の様子が報告さ れています。平成25 年度永年勤続医療従事者 表彰式では253 名の方達が表彰されておりま す。一つの医療機関に20 年以上勤続するとい う事はすばらしい事です。折角採用しても、2 〜 3 年で辞めてしまうスタッフが多く、医療現 場で働くという事の神髄を見る事も無く現場を 移り変わる事に無念さを感じる今日この頃、大 変すばらしい事だと思います。すながわ内科ク リニックの砂川博司先生には糖尿病連携パスの 運用実践についてご寄稿いただきました。友寄 英毅先生の日本医師会最高優功賞、新垣善一先 生の旭日双光章受章祝賀会の模様も報告されて います。おめでとうございます。

平成25 年度第3 回マスコミとの懇談会は高 齢出産について、県民との懇談会は出生前診断 について取り上げました、いずれも関心が高 く、参加者も多かった印象です。表紙写真の年 間グランプリは厳正な審査の結果とよみ生協病 院の原国政裕先生が受賞されました。プライマ リーケアコーナーには悩ましい2 型糖尿病薬物 療法開始時の薬剤選択に関して中頭病院の湧田 健一郎先生に書いていただきました。インタビ ューコーナーでは泌尿器科医会会長の外間実裕 先生にお話を伺いました。外間先生は那覇市医 師会で災害医療担当としても積極的に訓練に参 加し、JMAT チームの要としてもご活躍です。 月間行事お知らせコーナーではアレルギー週間 という事で耳鼻科領域からやぎSUN クリニッ クの屋宜晃先生、眼科領域からまえだ眼科の真 栄田義敦先生に最新の情報を織り混ぜて書いて 頂いております。随筆では趣味の野鳥観察につ いて中頭病院の平安山英義先生に、おしっこの お話を県立南部医療センターこども医療センタ ーの長田信洋先生にご寄稿いただきました。ご 多忙の中、会員の皆様のご協力に感謝申し上げ ます。

広報委員 玉井 修

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