広報担当副会長 玉城 信光
今年の沖縄県医師会の進むべき方向とそれら を広報する会報、県民向けの対外広報をどこへ もっていくのか。
長寿復活を目指して作られた対外広報、県民 公開講座であったが、長寿復活には結局寄与し なかった。しかし一部の人々の健康への関心を 換気することにはなったと思う。今後の方向を どうするか。真剣に考える時期にきているかも しれない。
沖縄県から委託を受けて小学生、中学生向け の健康に関する教本を作成することになった。 小学1 年生にわかりやすく理解できる教本が出 来ると良い。それを学校の先生方に実践して頂 けるとありがたい。これから30 年かけて沖縄 の長寿を復活させる事業が始まるのである。
健康長寿復活のプランを立てる為にも沖縄県 の医療情報の集約化を行いたいものである。現 在沖縄県医師会の津梁ネットワークで糖尿病、 脳卒中などの医療連携ができてきた。また特定 検診データーの集約化が行われ、それを活用し て会員の診療所で特定保健指導が出来るように なった。一方で那覇市医師会のLHR 事業(那 覇市医師会検診センターに集積されたデーター を活用する事業)で本人の承諾がえられれば診 療に役立てられるようになってきた。また地域 医療再生基金で在宅医療の支援事業が開始され る。各地域で行われている事業には自ずとデー ターがたまってくるのである。それらを集約す るクラウドサーバーが必要である。各々の事業 のデーターを放り込んでくれさえすれば、いわ ゆるメガデーターが出来上がり、これらのデー ターを沖縄県の長寿復活の為に活用する委員会 を作りたいものである。
沖縄県の医療の未来を開く事業も展開しそうである。重粒子線施設の沖縄設置である。重粒 子線治療を中心にしながら、トータルな癌治療 の連携(予防、診断、手術、薬物療法、放射線 療法、緩和医療など)が出来そうである。うま くすると人材育成の施設も出来るかもしれない。
このように沖縄県の医療が飛躍的に発展しそ うな時期に大切なことがある。それは沖縄県の 医療施設の連携とレベルの向上にある。現在沖 縄県医師会が中心になり、琉球大学、国立病 院、県立病院、民間病院、診療所のネットワー クがうまく機能している。これらを壊してはい けない。沖縄の医療向上の為にはどのような連 携が必要かしっかりと考えて行動したいものである。
「沖縄から世界へ」である。
広報担当理事 本竹 秀光
今年は午年。小生もついに還暦を迎えること となった。昔は還暦には盛大なお祝いがなされ たものだが、昨今は感慨にふける暇もなく通り 過ぎる単なる通過点になった感がある。それだ け国民の平均寿命が延びたと言う事であろう。 しかし最近のわが県の40 代から60 代当たり の死亡率を見ると、また昔に戻るのかと心配さ れる。県は長寿日本一を取り戻すために色々な アドバルーンを掲げているが、効果はまだ見え てこない。特に沖縄県の伝統食文化が注目され ており、戦後のアメリカナイズした食事が問題 視されている。電気、水道がなく、食べ物が豊 かでなかった与那国島で幼少を過ごした小生に とっては、アメリカンフーズはショックを受け るほどの美味な食べ物であった。誰でもが毎日 食することができたわけではなかったが、経済 成長とともに容易に毎日でも食べれる飽食の時 代になっていった。バランスの崩れの始まりで ある。同時に車社会になって、特に沖縄県民は歩かなくなった。摂取したカロリーを消費する ことなく貯める方にバランスが傾いていった。 生活習慣病の始まりである。若者にとっては味 の良いカロリーの高いアメリカンフーズはやめ られないはず。ならばカロリーを消費する方法 を考える必要がある。小生は昨年の4 月から石 垣島に単身赴任し、外食が多くなった。但し、 住まいは街中から2 キロ弱離れており、タクシ ーは使わないことにしているので、必然往復4 キロは歩くことになる。インアウトバランスを 考えてのことである。私の患者に85 歳のすこ ぶる健康な男性がいるが、今でも誘われては居 酒屋での会合が少なくないらしい。健康の秘訣 を尋ねると、40 代から雨の日も風の日も、朝 5 時半からのウォーキングを欠かしたことがな いとのこと。長命の遺伝子の持ち主かもしれな いが、インアウトバランスを保っている生活が 大きな要因と考えられる。誰でも美味しいもの は食べたいはず。ならば、居酒屋やレストラン などには少し距離があっても歩くことを習慣づ けてはいかがかな。少し早足のスポーツウオー キングがお薦めです。
広報副担当理事 玉井 修
新年あけましておめでとうございます。
毎年のお正月を無事に迎えられる事に感謝し ております。昨年の正月は腰痛を患い、病院通 いをしておりましたので本当に健康のありがた さが身に染みます。加齢変化とはいえ、歩行が 困難になるほどの座骨神経痛は夜も眠られず、 大変苦しい思いをいたしました。加齢変化と 言えば最近面白い事に気がつきました。ふと気 がつくと、私のズボンのチャックが全開になっ ているのです。昔、年配の男性のチャックが開 きっぱなしになっているのを見て、みっともな い、だらしないと嫌悪感を抱いていたのですが、ふと気がつくと、最近自分自身のチャックが全 開になっているのです。きっと病院の女性職員 も気がついているはず、気をつけなくてはいけ ないと思ってしっかり閉めても、小一時間もす るとまた社会の窓は全開です。おかしい、その 間小用には行っていない。ズボンのチャックが いつの間にか全開になる原因として考えられる のは、1)自分でも無意識のうちにズボンのチ ャックを全開にするという悪癖がついてしまっ た、2)誰かが知らないうちに私のズボンのチ ャックを全開にしている。可能性はこの2 つし かありません。自分で自分のチャックを全開に するという破廉恥な露出癖は無いと信じており ますので、私の場合きっと誰かが私の知らない うちに、私のズボンのチャックを全開にしてい ると思います。これは妄想でしょうか?それと も認知症のBPSD ?年齢を重ねて生じた、何 だか微笑ましい我が身の変化に少々戸惑ってお ります。いつの日か、私のチャックをそっと下 げようとしている小さな妖精と目が合うのでは ないかと期待しながら、時々自分のチャックに 目を向けている今日この頃です。
広報委員(北部地区医師会)
出口 宝
「元日に泣くは七歳未満なり」、なごやかな新 年を迎えられた事と思います。昨年の癸巳の年 は歴史に残る明るい話題から、国内外での災害 と様々な出来事がありました。自らを振り返っ てみると十干十二支の謂れに因んだ年だったよ うに思います。
さて、今年の干支の組み合わせは31 番目の 甲午(きのえうま)です。甲は十干の1 番目 で陰陽五行思想では木性の陽だそうです。午は 十二支の7 番目で陰陽五行では火性の陽だそう です。そして、甲には物事が始まる、午は折り 返すという意味もあり干支の一回りが六十年であることから折り返しの31 分目の年で陰から 陽への移り変りの年になります。どちらも陽で あり、甲のもつ「伸びる」や「発展する」に午 の「活発な行動力」がお互いに影響を与え合って、 何事においても発展、前進していくそうです。
しかし、向こう見ずに突き進む危険性もある とされ、1894 年の甲午の年には甲午農民戦争 をきっかけに日清戦争が開戦されています。政 局は、昨年の夏の参院選における与党の圧勝で 衆参のねじれが解消されて、安倍政権による 保守色の濃い政策実現へ動き出したようです。 TPP 問題や秘密保護法案などのすすめ方、そ して近隣諸国との関係悪化などを見ていますと 甲午の年にはどうなるのかと心配にもなってきます。
「元日の町はまばらに夜が明ける」、世の中が 年明けと共に急に変わる訳ではありませんが、 甲午にはこれまでの懸案事項やこつこつと努力 を積み重ねてきた事に結果が出るとも言われて います。今年は甲午の謂れに因み、過った道を 突き進む事なく正しい道を真っ直ぐに進んで行 きたいと思います。
「松の内我が女房にもちょっと惚れ」、何かと 甲午の謂れも気になりますが、どの十干十二支 の巡りであろうと正月はめでたいものです。今 年もよろしくお願い致します。
広報委員(中部地区医師会)
冨名腰 義裕
あけましておめでとうございます。
平成元年に医師になり25 年が経過しました。 まだ半人前でしかありませんが、世間的には経 験豊富なお医者さんと思われる年代になってし まいました。
私は小児科の勤務医として病院で子どもたち を診てきました。最近は病気を治すというより子 育て支援、つまり親支援の必要性をひしひしと感 じています。若い世代の親御さんたちにはいろい ろな面で余裕がなく、日々の生活に追われており、 しつけや教育どころではない方が多く見受けら れます。一部の富める人と多くの貧困にあえぐ人 の二極化の問題が大きいと思います。今年は病院 という小さな世界から社会に出て行って自分が 役に立てる場所を見つけたいと考えています。
さて、東北は震災から3 回目の春を迎えます。 自然の営みは力強く農業や漁業は復活の兆しが 見られますが、産業や町並みの復興はまだまだ といった感は否めません。
昨年秋に岩手県大槌町の植田俊郎先生はご自 身が撮影した記録を写真集にして送ってくださ いました。「まだ新しい大槌の街は雲の中です。 いつ視界の中に、たどるべき道が現れるのでし ょうか。長い時間が必要です。」とおっしゃっ ています。
何ができるわけではありませんが、東北をず っと見つめていかなければなりません。今年は また大槌を訪ねたいと思っています。
40 代後半からの膝・肩の痛みはまだ完全に いえず思い切り走ること、投げることができな いでいます。昨年は50 歳、生まれ変わりの0 歳でようやくはいはいができました。今年は1 歳、よちよち歩きからしっかり歩いて小走りく らいできるようになりたいと自分に期待してい ます。
昨年かかげた“多くの会員に医師会活動に積 極的に関わっていただく“という目標を今年も 実行してまいります。
本年もよろしくお願い申し上げます。
広報委員会(浦添市医師会)
平良 豊
あけましておめでとうございます。今年もよ ろしくお願いいたします。
編集委員について、2 年近く経ちました。相 変わらず他の委員の先生方の後をついてく感じ で仕事をしています。我々の仕事は、市民公開 講座や健康フォーラムなどの企画を行うこと、 日々投稿いただいているタイムスや新報の記事 あるいは医師会報の原稿に目を通し、毎月の第 1 木曜日に編集委員会で検討するという作業で す。原稿のほとんどは自分の専門外の事柄で、 査読をするというよりもむしろ、読んで勉強に なっているというのが正直な感想です。医師会 報の編集作業では、さまざまな方面に及ぶ医師 会活動を担当する先生方の努力、情熱がひしひ しと伝わってきます。また、日ごろの忙しい診 療の合間に原稿を執筆される先生には、ただた だ敬服するばかりです。査読の結果、原稿に対 して修正や加筆をお願いすることがあります。 その際はご協力をよろしくお願いします。
昨年は安倍首相の最初の政策アベノミクスが 行われ、日本がやや元気になってきたように思 います。また、昨年の11 月26 日には特定秘密 保護法案が衆院を通過し、成立の見通しとなり ました。確かに国の安全保障のためには特定秘 密が守られることは重要なことであると思いま す。しかし、国民の知る権利が必要以上に制限 されるのではないかとの懸念が強く投げかけら れてもいます。今後これについては我々国民が 厳しくチェックしていく必要があると思います。
今年は消費増税、TPP 参加交渉、増大する国民医療費に対する何らかの抑制策など、我々にと っては逆風が予想されます。国民の健康を守る という根幹に基づくしっかりとした主張をして いくことが特に重要な年ではないかと思います。
私個人の抱負は、いつもの年と同じ「初心忘 れるべからず」にしようと思っています。私も 61 歳になり、経験が豊富で、経験ですべてを判 断するようになりがちです。その結果新しいこ とを拒絶してしまうことになると大変です。常 に謙虚で、新しいことを吸収し、常にこれでい いのか?と考えつづけることが初心を忘れない ことであると思います。毎日進歩できなくても、 一歩下がったら、次は1.1 歩進む。わずかな努力 を忘れない様にしたいと思っています。
広報委員(那覇市医師会)
白井 和美
皆様、明けましておめでとうございます。本 年もよろしくお願いいたします。
今年も表紙の帯色「緑」に関してお話します。
緑色は、木や森などの自然を象徴する色で、 寒色と暖色の中間の為、バランスよく安定した 感覚を与えます。心に「平和」をもたらしてく れる色、公平さや安心、安息を感じ、癒しをイ メージさせてくれる色です。
鮮やかな緑は、理解力を深め、青味のある緑は、 自分や他人を信じる気持ちを高めます。黄緑は 精神面での寛大さを増幅すると言われます。
緑色が好きな人は、感受性が豊かで繊細、安 定を重んじる人。葛藤を避ける道徳的な人、極 端に走らない人です。また、緑色には物事をき ちんとすることを促す作用があると言われ、仕 事や家事の時に役立ちそうです。緑が有ると、 支出を抑え、節約にも働きかけると言われてい ます。主婦の強い味方と言えましょう。
世界に目を向けると、砂漠地方では緑はオア シスを指し、古代アラビア語では、「緑」と「植物」「楽園」は同意でした。季節が巡ると再び芽を 出す植物は、生命力と永遠性の象徴と考えられ、 古代エジプトでは、再生をつかさどる神オシリ スの肌は緑色で描かれました。これ故、永遠の 生命を願うミイラの顔に緑色の鉱物マラカイト を塗ったと言います。また、常に緑のままの常 緑樹は、普遍、不死の象徴と考えられ、乳幼児 を「嬰児(みどりご)」、女性のつややかな髪を「緑 の黒髪」と言うのも、生命力を象徴した表現と 言われています。
一方、中世ヨーロッパでは、緑は、「不幸を 招く色」、悪魔、毒、不運を象徴する色とされ ました。これは、混血を嫌うキリスト教の教義 の下、緑を単一で美しく染められる染料がほと んど無かったためと言われています。その後、 緑は希望、前進など良い意味の象徴に変わり ましたが、英語圏の一部では、未だに緑は葬儀 に関連した色として避ける傾向が有ると言いま す。また、シェイクスピアの「オセロ」の一節 にちなみ、嫉妬、妬み、やきもちなどを“the green-eyed monster”と呼ぶこともあります。
日本では、概ね良い印象を持たれる色で、主 に高校生以上の男性に好まれる傾向が有るそう です。そう言えば、広報委員会の委員は私以外 皆、男性です。
緑色を欲するときは、リラックスを求めてい る時とか。委員の先生方はお疲れだったのかも しれません。
この会報をお手に取られるとき、皆様に少しでも癒しの効果が有ります様に。
広報委員(南部地区医師会)
照屋 勉
あけましておめでとうございます。昨年は、 「国会のねじれ現象」も解消され、少なからず 安定した世の中になる“兆し” が見えてきたよ うな気がいたしますが、小生の思い過ごしでしょうか?!。「アベノミクス」の“3 本の矢” が、 低迷した日本を明るく・やさしく・強くしてく れるのか、否か…?。例年にない、ヒヤヒヤ・ ドキドキの新年の始まりです。
さて、小生の今年のテーマは『仁者寿(じん しゃ・いのちながし)』(by 孔子:論語)…。「知 者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ!」、「知者 は動き、仁者は静かである!」、「知者は変化に 対処することを楽しみ、仁者はあくせくしない ので長生き(寿=いのちながし)である!」… という名言です。“330 ショック!(沖縄県の 平均寿命:女性が3 位、男性が30 位に転落!)”・ “肥満率日本一!(男性はダントツです!あ〜、ウチアタイ、ウチアタイ!)”・“早世率日本一! (沖縄県の65 歳未満の死亡率= 29%!)”・“特 定健診有所見率ワースト1 位” etc…。こうい うネガティブな情報に負けないように、しっか り自己管理(セルフコントロール)して、人生 を楽しみたいと考えております。
ところで、沖縄県の「健康長寿復活」のため には、子供・若者世代の“肥満対策” も急務です。 『意識して、努力して、健康体!』という名言 を参考にしながら、沖縄県民・老若男女一丸と なって、確実な“意識改革” を行わなければな らない時期にきていると思われます。そこで、 積極的県民運動として「健康長寿の復活!」(『食 育』と『貯筋』=『メタボ対策』と『ロコモ対策』: 『禁煙』と『節酒』:『笑い・睡眠』と『歯みが き』)および「絶滅危惧種:『沖縄口』(ウチナ ーグチ・しまくとぅば)の継承!」をセットで 盛り上げていくことを提案したいと思います。 「家庭」においては、「早寝・早起き・朝ごはん」 の徹底…!。基準値をはるかに超える“PM2.5” が蔓延する“喫煙居酒屋” で、メタボな親に連 れられて、深夜遅くまでスマートフォンを操り、 メールのやり取りをする小・中学生の将来が本 当に心配です!。「学校」においては、「教育= “教” 師+ “育” 師」の再確認…!。“小・中学 生の学力問題” や“モンスターペアレントの攻 撃” にも負けない…、「“人” を育てられる“人” を育てよ!」ということだと思います!。「地 域」においては、“イチキロヘラス” 運動・“がんじゅうまーる” 運動・“G メンが行く!” 運 動(爺メンが“育” !〜オジーが方言を教えな がら孫を育てる!)・「しまくとぅば大会」の開 催・『琉球いろは歌』の普及などなど、“職場単 位” だけではなく、婦人会・老人会・青年会・ 子供会を含む“公民館活動” の活性化が最重要 課題と考えます。つまり、PTA(家庭・学校)+ C(地域)= PTCA…。P(Parent:家庭教育)+ T(Teacher: 学校教育) + C(Community: 地域・社会教育)+ A(Association:連合・連 携・共同体)…。「マスコミ(テレビ・ラジオ・ 新聞・インターネットetc !)」・「行政(長寿 復活推進本部!)」・「医師会(特定健診・特定 保健指導etc !)」を巻き込んだ、” 三位一体〜 PTCA” の充実…!。「率先垂範!」・「先ず隗 より始めよ!」…。これが” 最終結論” です。 小生的に、この” 最終結論” は、かなり“無理 難題”・“高いハードル”・“厚い壁” と認識して おりますが、本年も、ご指導・ご鞭撻・ご支援・ ご協力・不平不満・叱咤激励などなど、ゆたし くゆたしくお願い申し上げます。
広報委員(国療沖縄公務員医師会)
饒平名 知史
新年あけましておめでとうございます。広報 委員も2 年目になり、今年は、少しは役に立て ればと思い、医師会報や地元新聞への掲載記事 の査読など、できるだけ締め切りを守ってきま したが、月1 回の広報委員会へは欠席の多い1 年になりました。熱心に活動される委員の先生 方、事務局スタッフの皆様へは頭が下がる思いです。
昨年を振り返ってみると、医師会報では医 学的な事柄、医療界を取り巻く様々な社会問 題まで、多岐にわたり興味深い内容が紹介さ れました。今年も会員の皆様に役に立つ情報 を発信できるように頑張っていきたいと思っております。
本年も宜しくお願い致します。良いお年でありますように。
広報委員(琉球大学医師会)
金谷 文則
昨年、年男でもあり「巳年にちなんで」を執 筆いたしましたが、あっと言う間に1 年が過ぎ ました。昨年は縁があってシンガポールとイン ドの2 カ国に手術に行きました。今まで手術を 行ったのはアメリカ、スイス、台湾を加えて5 カ国になります。外国で手術をすると言葉が問 題になるかと思うかもしれませんが、いくつか の専門用語を覚えていれば大体は英語で通じま す。例えばメスは英語ならナイフ、中国ならタ オ(刀)、摂子はピックアップ、中国なら小摂 子(ピンイン)、ガーゼはゴーズ、中国ではサ ップです。差し出す手の形で看護師さんが理解 してくれるようです。
保険制度も各国で異なり、アメリカは保険が なければ一般病院は治療を拒否でき、保険が無 くても救急で診療してもらえるのは州または市 から援助をもらっている病院くらいです。心臓 病の息子に治療を受けさせるために病院をハイ ジャックする映画「John Q」を見ると日本に住 んでいる幸せを実感できます。スイスでは教授 が診療する1 級患者病棟、助教授が診療する2 級患者病棟があり、外傷の多くは助教授に手助 けしてもらって研修医が治療していたため結構 とんでもない手術結果を見た記憶があります。 日本の医療が世界一とは言いませんが、医療レ ベルは世界のトップクラスに位置し、誰でもか なりハイレベルな医療が受けられることは世界 に誇れると思います。私も海外で病気に罹患ま たは外傷を受傷したら直ちに帰国して信頼でき る医師に治療を依頼します。海外留学歴のある 日本人医師の多くは、日本では誰でもハイレベルな医療を受けることができ非常に幸福である と考えています。一方、先進10 カ国の患者満 足度調査では、医療費の最も高い米国の患者満 足度が70%と最も高かったのに対し、日本は 50%と低かったことは、日本国民への広報活動 がまだまだ不足していると考えます。
日本のハイレベルな医療も高齢人口の増加、 福祉医療費の節減、消費税率の増加などにより 危機を迎えています。新年に当たり日本の医療 を改善すべく、大学勤務者としてまた広報委員 として微力ながら貢献したいと考えています。
2013.3.19 Singapore Tan Tock Seng Hospital
2003.3.1 に最初のSARS 患者が入院
患者家族(私)とPho 教授(右端)
2013.6.12 Peru Cusco Inka 帝国の見事な石組み
左上の雑な石組みはスペイン時代
2013.9.2 India, Gang Hospital 450 床
年間手術22,000 件 日本脊椎脊髄病学会研修施設
朝のカンファ・前列は形成外科チーム
中央はDr Raja Sabapathy ( 副院長、Louisville の同期)
広報委員(沖縄公務員医師会)
金城 正高
5,547 円! 2012 年総務省家計調査による、 那覇市の1 世帯あたり年間支出金額らしいの ですが…皆さんピンときますか?私が宮古島に 出張したときの機内誌からの情報です。丁度 介護保険関連の仕事であったこともあり、「沖 縄県の第1 号保険料基準額?〜ちなみに5,880 円(全国平均4,972 円)」「那覇市の保険料は? 〜 5,647 円」そもそも月額ですから、正解では なさそうです。さらにこの金額、なんと都道府 県庁所在地別で最下位の数字だそうです。全国 平均は7,591 円!沖縄県が最下位…というのは 慣れっこですが、一体どんな数字なんでしょう か?もうそろそろ種明かししましょう。実は… “アイスクリーム年間消費量” なんだそうです。 正直びっくりしました。沖縄県の平均気温は約 23℃。亜熱帯地域でありながら、長年にわたっ てこの傾向に変化は無いとのことです。つまり 沖縄県は日本一アイスクリームを食べない県だ ったのです。
日常診療の中でも時々ありますよね… “思い 込み”、日頃の何気ない現象も正確に記録し統 計分析すると全然違った姿が見えてくることも あるんだな…と再認識させられました。
ちなみにアイスクリームが売れる気温は22 〜 23℃で、それ以上暑くなるとベタベタした 甘さは敬遠されるそうです。つまり丁度今の 時期が、沖縄ではアイスクリームが最も売れ る気温と合致するわけです。おせちの後はア イスクリーム、これが沖縄らしさなのかもしれませんね。
機内誌を読み進めて行くと、「この人の沖縄 力」というコーナーに目が留まりました。ここ での「沖縄力」とは、“いつも前向きで決して 後ろを振り返ることなく、自由奔放に人生を切 り開く、ウチナーンチュのバイタリティーのこと” と定義されていました。きっとこのコーナ ー、ネタに尽きることはないでしょう。沖縄っ て本当に面白いな〜って感じること多くないですか?
清水寺で発表された「今年の漢字」、昨年は 「輪」でした。沖縄の可能性を沖縄力に乗せて、 そのためには多くの人財のネットワークが必要 です。今年は「大きな輪」を沖縄から世界へ発 信できる、そんな1 年にしたいですね!
今年もよろしくお願い致します。
広報委員(那覇市立病院医師会)
友利 寛文
会員の皆様、あけましておめでとうございます。
いかがおすごしでしょうか?
昨年も驚くようなことがおこりました。11 月 に発生した台風です。台風の発生件数も多いこ とながら一つ一つが大きく甚大な被害を各地で 惹き起こしました。昨年も史上最大規模の台風 の話題を取り上げましたが、かつてない規模の 台風で毎年大型化していくようで心配です。温 暖化の影響が指摘されていますがここ100 年で 0.68 度の上昇でこのような異常気象が惹き起こ されていると考えると今後が心配されます。
九州医師会医学会も8 年ぶりに沖縄で開催さ れました。各部会、スポーツなど盛況だったよ うです。私事でいえば、東洋医学会に所属して おりますのでホテル日航グランドキャッスルに て学会が開催されました。仲原会頭を筆頭に梁 準備委員長のもと約1 年の準備期間を要し成功 裡に終了しております。
沖縄県といえば、中国が尖閣諸島を含む東シ ナ海に防空識別圏を設定したことで昨年に引 き続き尖閣諸島問題もクローズアップされました。
日本へ目をむけると嬉しい話題でもりあがり ました。国際オリンピック委員会(IOC)総会が、 ブエノスアイレスで開かれ、2020 年夏季五輪・ パラリンピックの開催都市を東京に決定したこ とです。イスタンブール、マドリードを破り、 1964 年以来、56 年ぶりの夏季大会開催を勝ち 取っています。2020 年のことなのに今から楽 しみです。またスポーツ界も盛り上がり東京オ リンピックを目指す小中学生の夢となっている ことは喜ばしいことです。
昨年も書きましたが、毎年新年になると気が 引き締まります。また新しい年・新しい自分に ワクワクしてきます。会員の皆様も同じではな いでしょうか?
新しい1 年の始まりです。昨年できなかった こと、今年やり遂げたいことを紙に書き毎日を 1 年の始まりと思い過ごしたいものです。今年 もよろしくお願いします。