沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 1月号

平成25年度 第4回
沖縄県・沖縄県医師会連絡会議

玉城信光

副会長 玉城 信光

去る10 月10 日(木)、県庁3 階第1 会議室 において標記連絡会議が行われたので以下のと おり報告する(出席者は以下のとおり)。

出席者:宮城会長、玉城副会長、安里副会長、
    真栄田常任理事、宮里常任理事(以上医師会)、
    崎山福祉保健部長、平保健衛生統括監、
    糸数健康増進課長、阿部医務課長、篠崎県立病院課医療企画監

議 題

1. 新生児蘇生法講習会実施事業の予算措置及び事業継続について
(提案者:沖縄県医師会)

<提案要旨>

新生児蘇生法講習会は、平成23 年度まで沖 縄周産期ネットワーク協議会の主催で産科医・ 助産師・看護師を対象に、那覇市医師会と中 部地区医師会のボランティア的な協力で運営さ れてきた。沖縄県医師会は、沖縄周産期ネットワーク協議会及び沖縄県産婦人科医会からの当 講習会普及事業実施の要望を受け、沖縄県との 連絡会議に「新生児蘇生法講習会普及事業」実 施の提案をした。本会の提案に対し、県より周 産期人材育成を目的に新生児蘇生法講習会を集 中的に行う事業を実施する旨の回答をいただい た。(平成22 年3 月25 日(木)「平成21 年度 第6 回沖縄県・沖縄県医師会連絡会議」)

上記の経緯により、現在、新生児蘇生法講習 会実施事業について、本会が県の委託を受け、 平成24、25 年度の2 年間、実施しているところである。

事業計画の際、関係者間による意見交換の結 果、1 年間で本島3 回、宮古1 回、八重山1 回 の計5 回開催することとしていたが、その後、 関係者からの強い要望により、本島6 回、宮古 1 回、八重山1 回の計8 回に開催数を増やした ところである。

講習会は、カリキュラムの都合により1 回あ たりの受講者数を約21 名(7 名の3 グループ)と制限する必要があるが、受講者の申し込みは 毎回定数一杯の状況にある。(平成24 年度受講 者135 名:医師37 名、助産師59 名、看護師 37 名、その他2 名)

本事業は今年度をもって終了することになる が、関係者からは次年度以降の継続についても 検討いただきたい旨強い要望が示されていると ころである。

ついては、本会としても、県全体における新 生児に対する医療水準の向上及び周産期医療体 制の強化を図るためにも、次年度以降も継続し て新生児蘇生法講習会実施事業が行えるよう、 県の予算措置について要望したい。

<健康増進課回答>

新生児蘇生法講習会実施事業は、沖縄県地域 医療再生計画(二次)に基づき実施しており、 事業機関は平成24 年度から平成25 年度まで の2 年間となっている。

本事業は、新生児蘇生法講習会を集中的に開 催することで、技術を習得した医師、看護師等 の医療従事者を増やし、周産期医療体制の充実 強化を図ることを目的としている。

平成24 年度は、沖縄県医師会の協力を得て、 講習会を8 回開催することができ、特に、宮古、 八重山地域において講習会を開催したことで、 離島における周産期医療体制の強化に繋がった と考えている。

事業期間については、当初、本講習会のイン ストラクターや受講者が主体となり、各施設で 伝達講習を行う等、事業終了後も技術取得の機 会は得られると考え、2 年間としていた。

今後については、事業の成果等を勘案した上で、検討していきたいと考えている。

<主な意見等>

◇沖縄県医師会:

平成23 年度迄と平成24 年度の新生児死亡 率を比較し、是非活用していただきたい。受講 生135 名中、医師は37 名であり、まだまだ対 象となる先生方や助産師、看護師がいることは はっきりしている。その為に周産期ネットワーク協議会の中でも、継続して欲しいという強い 要望があるので、是非優先事項でお願いしたい。

◆県福祉保健部:

検討させていただきたいと考える。

2. 新型インフルエンザ等対策特別措置法に 基づく指定地方公共機関の指定について
(提案者:沖縄県福祉保健部)

<提案要旨>

医師会等のご協力も得ながら、新型インフ ルエンザ等対策特別措置法(以下「特別措置 法」という。)に基づく沖縄県新型インフル エンザ等対策行動計画(以下「県行動計画」 という。)案を作成した。現時点では10 月を 目処に策定予定である。

今後は特措法に基づき各市町村においても 行動計画を作成する必要があることから、市 町村の行動計画が順調に作成されるよう支援 するとともに、特措法に基づき新型インフル エンザ等の発生時に行政機関とともに新型イ ンフルエンザ等対策を実施する指定地方公共 機関の指定を進めることとしている。

国においては指定公共機関として、医療関 係団体では日本医師会等を指定しており、県 が指定する指定地方公共機関としては「当該 事業者団体の地方組織を指定すること」とさ れている。本県においても新型インフルエン ザ等対策の実施に当たっては県医師会の役割 が不可欠と考えている。

以上により、県としては県医師会を指定地 方公共機関としてなるべく早めに指定地方公 共機関として指定したいと考えているので、 ご協力くださいますようお願いします。

<主な意見等>

◇沖縄県医師会:

去る10 月8 日(火)に開催した沖縄県医師 会理事会の際に、糸数健康増進課長にお越しい ただき、本件についてご説明いただき、指定地 方公共機関としての指定を承認することとして いる。本日承諾書を持ってきており、事務局に お渡ししている。

高次機能としての大学病院との関係は、宮城 医師会長の代になってから、信頼関係がかなり 構築されている。指定地方公共機関については、 本会にその責務があるだろうと考え、承諾する ことになっている。

◆県福祉保健部:

よろしくお願いしたい。

3. 沖縄県結核分子疫学調査(VNTR 解析)の実施について(協力依頼)
(提案者:沖縄県福祉保健部)

<提案要旨>

平成25 年9 月より、沖縄県結核分子疫学調 査を沖縄県福祉保健部健康増進課が実施主体と なり開始している。

県内で登録されている結核患者から分離培養 された結核菌株について、医療機関または委託 検査機関から検体を回収し、県衛生環境研究所 で保管・解析を実施する。また、解析の結果に ついては、結核サーベイランス委員会で検討後、 報告書を作成し協力医療機関あて送付する。

各医療機関には、検体提供についてご協力をお願いしたい。

<主な意見等>

◇県医師会:

県医師会から各医療機関に対して、結核患者 が出た場合はこのようにしていただきたい旨の 通知を行う必要があるか。

◆県福祉保健部:

結核患者が出た場合は保健所に届けられるの で、その際に健康増進課から、その医療機関には 検体をご提出いただきたい旨、依頼をすること になる。医師会から特別に通知等の必要はない。

◇沖縄県医師会:

医療機関としては、自施設が提供した菌株の みが見られるのか、もしくはデータベース全て が見られるのか。

◆沖縄県福祉保健部:

データベースには基本的に外部からアクセス 出来ないことになっている。希望があれば、そ の患者さんの結果を返すこととなる。年に1 回の報告書については、病院名や患者名を明かさ ない形で作成する予定となっている。

◇沖縄県医師会:

沖縄県において結核が増加しており、危機感 を持ってこのような取り組みを行うということ であれば、講習会等を開催し、広く医療機関に 周知してはどうかと考える。

◆県福祉保健部:

定期的に結核の講習会を開催している訳では ないが、開催する時はこのような情報も提供さ せていただきたいと考える。

その他. 国家戦略特区について

<主な意見等>

◇沖縄県医師会:

沖縄タイムスに県が戦略特区に応募するとい う記事があった。文章を見ると、沖縄科学技術 大学院大学(OIST)の環境改善の一環として、 沖縄県内での外国人医師による医療行為を認め る等の解釈をしているが、具体的な概要が分か らなく、福祉保健部がどのようなお考えなのか お聞きしたい。

◆県福祉保健部:

実は私も先程この情報を聞いた。OIST が職 員やその家族の住環境の改善ということで、外 国人医師による診療を特区として要望してい る。彼らは法律で出来ないということを分かっ ていて要望している。県の窓口は、企画部企画 調整課であり、福祉保健部に対して特に情報提 供がなかった。先程、企画調整課から要望書を いただいたところであり、概ね新聞記事のとお りである。

また、保健センターを想定しており、10 年 後には年間約1,600 人が受診するのではないか と見込んでいる。それ位であれば、保健センタ ーを置いても良いのではないかというような内 容になっている。

◆県福祉保健部:

特定の人のみを行うようである。認められる かどうかも分からないが、実際このような病院 であれば、医療計画の基準病床には引っかからない形になる。今後、確認が必要であると考える。

◇沖縄県医師会:

OIST の要望を県は受け入れてそのまま国に提出したのか。

◆県福祉保健部:

現在状況が把握できていない為、その辺りは これから確認を行う。どこで検討がされたのか 明確に分からない。

◇沖縄県医師会:

いわゆる大学における保健センターのようなも のを作っていただきたいということである。必ず しも外国人医師である必要は何もないと考える。

◇沖縄県医師会:

記事を見ると、沖縄県が応募したことになっ ている。医療に関わる内容が含まれているにも関わらず、福祉保健部と調整を行わず要望する のは非常に大きな問題であると考える。

大学院大学という名前を持ってきているが、 記事にある規制緩和7 件の中に沖縄県内での外 国人医師による医療行為を認めるということが ある。日本の医師免許をもたない医師に、自由 に医療をさせるということになる。規制緩和を して高度な医療を提供するということを謳い文 句にし、日本の医師免許をもたない医師が自由 に医療を行うという要請である。それに県が要 望しているという全く信じられないことになっている。

◆県福祉保健部:

先ずは情報収集を行い、どのように対応していくか検討していきたいと考える。

印象記

副会長 玉城 信光

標記会議が、平成25 年10 月10 日(木)に県庁において行われた。

議題1. 新生児蘇生法講習会実施事業の予算措置及び事業継続について(県医師会提案)

平成24 年に地域医療再生基金をもとに講習会が本島6 回、宮古1 回、八重山1 回の計8 回に 開催数を増やしたところである。受講者数は1 回あたりの約21 名(7 名の3 グループ)なのでい つも定数一杯の状況にあった。(平成24 年度受講者135 名:医師37 名、助産師59 名、看護師37 名、 その他2 名)

この事業は平成25 年度までの事業なので、受講者からは平成26 年度以降も継続してほしいと の意見が寄せられており、来年度以降の継続をお願いした。

福祉保健部からは地域医療再生基金という一時的な資金なので一応25 年度で打ち切るとのこ とである。この講習会の結果がでるのはもう少し先になると思われるが、沖縄県における新生児 死亡を減少させるための施策としては意義のある講習会なので県としても検討することを了解して頂いた。

議題2. 新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく指定地方公共機関の指定について(提案者:健康増進課)

国の政策として各県、地域においても新型インフルエンザ発生に際して、指定地方公共機関と して県医師会などの指定を行い、行政と一緒になり新型インフルエンザ対策を行って頂きたいと のことである。10 月8 日の理事会において了解済みなのでそのように報告された。

議題3. 沖縄県結核分子疫学調査(VNTR 解析)の実施について(協力依頼)(提案者:健康増進課)

沖縄県では平成25 年9 月より、沖縄県結核分子疫学調査を沖縄県福祉保健部健康増進課が実 施主体となり開始している。

結核患者から分離培養された結核菌株について、県衛生環境研究所で保管・解析を実施している。 また、解析の結果については、結核サーベイランス委員会で検討後、報告書を作成し協力医療機 関あて送付するので各医療機関の協力をお願いしたいとのことである。

沖縄県においてはまだ結核の集団発生等あり、結核菌の解析や治療、予防においても重要なこ とだと思われるので医師会としても協力することを約束した。

いつも報告するように県行政との連携で沖縄県民の保健・医療を安心、安全に遂行することが できる。会員からのご意見も寄せてください。




お知らせ

暴力団追放に関する相談窓口

暴力団に関するすべての相談については、警察ではもちろんのこと、当県民会議でも応じており、専門的知識や経験を豊富に有する暴力追放相談委員が対応方針についてアドバイスしています。

暴力団の事でお困りの方は一人で悩まず警察や当県民会議にご相談下さい。

●暴力団に関する困り事・相談は下記のところへ

受 付  月曜日〜金曜日(ただし、祝祭日は除きます)
     午前10時00分〜午後5時00分
     TEL(098)868− 0893なくそうヤクザ 862− 0007スリーオーセブン
     FAX(098)869−8930(24時間対応可)

電話による相談で不十分な場合は、面接によるアドバイスを行います。

「暴力団から不当な要求を受けてお困りの方は
・・・・・・・悩まずに今すぐご相談を(相談無料・秘密厳守!)」

財団法人 暴力団追放沖縄県民会議