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編集後記

伊勢神宮の第62 回式年遷宮が終わった。内 宮は10 月2 日に、外宮は10 月5 日に遷御の 儀が行われ、全て新しくなった神殿に祭神がお 移りになられた。一連の行事は平成17 年から 準備が始まった。足掛け8 年、総事業費約580 億円に上る壮大な事業もこれでほぼ終了した。 折からのパワースポットブームのためか、遷御 の儀終了後の参拝には、数百人が深夜から並ん だとのニュースが流れた。白木の香りも清々し く新築された神宮への参拝は、きっと荘厳さも 一入だったことだろう。

出雲大社も60 年ぶりの遷宮が行われている。 こちらは平成20 年から事業が始まり、昨年、 新本殿へ大国主命が遷座され、今後も各種祭礼 が平成28 年まで続くという。

一方、7 月3 日、「富士山〜信仰の対象と芸 術の源泉」として、富士山とその周囲に展開す る神社等の施設を含めた広大な領域が、世界文 化遺産として登録された。

一連の報道は、ともすれば西洋の文化にあこ がれを抱きがちな我々に、日本古来の文化・精 神性の価値を再認識させた貴重な出来事だった と思う。

さて、今月号の表紙は、マチュピチュ。イン カ帝国の「空中都市」遺跡は、先頃引退発表を 行った、宮崎駿監督の「天空の城ラピュタ」に ヒントを与えたことでも有名だ。

報告は、早世した女流詩人、金子みすず氏の 詩の引用が興味を引き付ける第9 回男女共同参 画フォーラム、今後、在宅医療の中心的役割が 期待される第26 回全国有床診療所連絡協議会、各種議題が討論された九州医師会連合会第335 回常任委員会、宮里常任理事の熱意が伝わる印 象記が圧巻の第57 回九州ブロック学校保健・ 学校医大会、今年も多くの参加者を集めたなご み会第3 回県民健康フェア、臨場感いっぱいの 陸上自衛隊第15 旅団災害対処図上訓練、離島 医療の現状について話し合われた平成25 年度 第2 回マスコミとの懇談会と続く。

生涯教育は、高齢者の結核に関して。先頃、 妊婦故に発見が遅れ、不幸な転機をたどった 症例や、那覇市内小学校での集団感染など話 題に事欠かない疾患だが、感染者の中心は高 齢者だという。会員が今、興味を持っている テーマを、分かり易く解説して下さった。プ ライマリ・ケアコーナーの中高齢者の心雑音 に関する説明は、臨床現場ですぐに役立つ大 変うれしい内容だ。

整形外科医会 松本悟会長のインタビュー、 月間お知らせコーナーの4 題、そして随筆が3 題と、今月号はコンパクトながらバラエティー に富んだ内容だ。

皆様の秋の夜長の一冊に、この会報を加えて 頂ければ幸いだ。

今年の台風シーズンは、そろそろ終わろうと している。会員施設の被害は、如何なものだっ ただろうか。ニュースなどで見る限り、宮古・ 八重山地方に加え、本島北部地方にも大きな爪 痕を残したように思える。まだ油断は禁物だが、 これ以上の被害が無いことを祈りたい。

広報委員 白井 和美

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