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編集後記

9 月8 日(日曜日)の朝目覚めてすぐにテレ ビのスイッチを入れると、東京五輪開催決定の ニュースが飛び込んできました。前夜はマドリ ード有利との報道もあり、「ダメかもしれない なあ」との不安な気持ちを抱いたまま寝てしま っただけに、新鮮な驚きとわくわくするような 未来への希望というか嬉しい気持ちが湧きあが ってきました。

7 年後にオリンピックがやってくる。およそ 半世紀前の1964 年、東京五輪は高度成長の真 只中の成長著しい日本を世界に示す出来事でし た。「明日は昨日より良くなる」とだれもが信 じて疑わなかった時代でした。2020 年の東京五 輪はどうでしょうか。長期のデフレ、隣国との 摩擦、東日本大震災からの復興を始めたばかり の時期に決まったオリンピック。過去のように すべてが良くなっていく状況とはいかないので しょうが、混迷した現在と不透明な未来に灯り がひとつ燈り、視界が少し開けたように感じら れます。前夜のプレゼンで安倍首相は「福島の 状況は、統御されています。東京には、いかな る悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、 今後とも、及ぼすことはありません。」と断言 しましたが、まだそんなに安定した状況ではな いのではと疑問符が付きそうです。2020 年に向 けて日本が取り組むべきものは、原発事故の完 全な沈静化と震災被災地の復興を成し遂げ、さ らに隣国との関係を改善して、国民のすべて世 界中のすべての人たちが五輪を心の底から楽し める状況を作っていくことであると思います。

さて、10 月号の表紙はエルサレム市街とパ レスチナ自治区境界の壁です。長年にわたるユ ダヤ人とパレスチナ人の争いが刻み込まれてい るかのような迫力があります。

報告では、平成25 年度第3 回沖縄県・沖縄 県医師会連絡会議の報告が玉城副会長からあり ました。この中で、県医師会から臨床研修医確 保対策合同説明会参加モデル事業継続について の要望を行った。これに対し、県からの満足の いく回答が得られないため、さらにこのプロジ ェクトの沖縄県の医師確保、研修レベル向上の面からの重要性に関する説明を行った結果、な んとか県から一定の支援の回答を得ることがで きた経緯が報告されています。医師会長、副会 長他参加された先生方の熱心な説明が県を動か したと思います。お疲れさまでした。

生涯教育では、くも膜下出血に対する脳動脈 瘤コイル塞栓術について與那覇先生がわかりや すく解説していて、低侵襲手術の進歩に感銘を 受けました。

プライマリケアコーナーでは稲福先生が頭痛 について、実践的な診断手順、要点、治療、療 養指導などわかりやすく説明されています。こ のなかの情報収集チェックシートは日常の診療 に取り入れると大いに役に立つと思います。

H25 年4 月1 日から那覇市が中核市に移行 することに伴い、那覇市保健所が設置されまし た。その初代所長に国吉秀樹先生が就任されま した。「頼れる保健所。フットワークの良い保 健活動」をモットーとして、県医師会とも連携 して頑張っていきたいとの意欲的なインタビュ ーです。今後のご活躍が期待されます。

今月の月間行事は盛りだくさんで、「麻酔の 日」「骨と関節の日」「目ノ愛護デー」「骨髄バ ンク推進月間」「ピンクリボン運動月間」「臓器 移植月間」6 つの行事に対する7 編の記事があります。

ロゴマークは語るは久しぶりの登場です。“ゆ い” という名とよくあったロゴで、ほのぼのと した感じです。ゆいクリニックのご発展をお祈 りします。

随筆は長嶺先生のシナイ半島とイスラエルの 旅行記です。装甲車先導の移動や足の爪に出血 しながらの登山、死海での浮遊(奥様?)、パ レスチナ自治区の壁等とても印象的です。

この原稿の最終締め切り日は敬老の日です。 台風18 号が本土に上陸し列島縦断の気配です。 福島原発にも豪雨が心配されます。汚染水の海 への拡散防止のための完璧な対策が一刻も早く 行われるよう祈っています。

広報委員 平良 豊

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