副会長 玉城 信光
去る4 月18 日(木)、県庁3 階第1・2 会議 室において標記連絡会議が行われたので以下の とおり報告する。(出席者は以下のとおり)
出席者:宮城会長、玉城副会長、金城常任理事、宮里常任理事、玉井理事(以上医師会)崎山福祉保健部長、金城福祉企画統括監、平保健衛生統括監、里村参事、糸数健康増進課長、阿部医務課長(以上県福祉保健部)
議 題
<提案要旨>
本会では、今後県内で起こりうる災害発生時 には「沖縄県医師会災害医療計画」に基づき、 必要に応じ県医師会災害対策本部を設置すると 共に、被災地域の医師会と連携し、被災状況の把握や傷病者の状況、各医療機関の診療体制・ 患者収容状況等を確認の上、今後の救護活動等 について、沖縄県災害対策本部や他機関との連 携を図っていきたいと考えている。
不測の事態に備え、全ての医療救護活動が迅 速かつ円滑に進めるためには、各地区医師会と の連絡網の整備や通信手段の早急な確保は不可 欠であると考えているが、一団体の取り組みと しては限界がある。
ついては、沖縄県が各自治体や防災関係機関 等へ配備している「防災行政無線」や「沖縄県 総合行政情報通信ネットワーク」或いは「衛星 携帯電話」等について、是非とも本会並びに各 地区医師会へ配備していただきたく要望する。
<県福祉保健部回答>
「防災行政無線」含め「沖縄県総合行政情報 通信ネットワーク」の配備については、県防災 危機管理課との協議が必要となる。その際、貴 会に配備する必要性及び「沖縄県総合行政情報通信ネットワーク」でなければならない必然性 が、主な論点となる。
なお、現在、沖縄県地域防災計画において指 定地方公共機関に区分されている機関で「沖縄 県総合行政情報通信ネットワーク」で結ばれて いる機関はない。
「衛星携帯電話」については、現時点では県 において災害発生時における機関間の通信手段 としての利用は行っていないが、福祉保健部で は、今年度、EMIS(広域災害救急医療情報シ ステム)を導入するとともに、災害医療に関す るマニュアルづくりを進めることとしている。
その中で、貴会等との災害発生時における通 信手段のあり方について、検討していきたいと 考えている。
<主な意見等>
IsatPhone について
◇県医師会:本会並びに地区医師会への県総合 行政情報通信ネットワークの配備については、 現実的には難しいと考えている。今般、DMAT チームに衛星携帯電話ワイドスターを配備した と伺っている。本会並びに地区医師会につい ては、ワイドスターよりも安価で配備できる IsatPhone の導入をお願いしたい。
IsatPhone は、同じ衛星携帯電話であるが、 ケータイ感覚の操作ができ、災害時などの有事 の際、国内外を問わず世界各地で通信が可能で ある。また、静止衛星を活用した通信手段であ るため、ワイドスターの様に移動する衛星を探 さなくても良い。また、軽量でコンパクトなサ イズであることから持ち運びにも便利である。
その様な点から、各地区医師会が初動時に、 現地からの情報を容易に伝えられることが出来 る利点がある。
◆県福祉保健部:これから様々な手段を検討す ることにしているので、その一つの手段として 伺っておく。
衛星携帯電話についても、その方向で検討させていただきたい。
EMIS について
◇県医師会:国が推奨する広域災害・救急医療 情報システム(以下、EMIS)については九州 でも度々意見があるが、高額な導入コストで維 持費も大変で、使い勝手もあまり評価されてな いようであるが、実際はどうなのか県の考えを 伺いたい。
◆県福祉保健部:これから検討するため、現時 点では何とも言えない状況である。
しかし、今年度予算を確保しているため、導 入についてはほぼ確実だと考えている。
その上で、県医師会からの要望も基本システ ムに上乗せして、要望に応えられるよう考えて いきたい。
また、EMIS はインターネット環境(Wi-Fi) があれば、どこからでもネットワーク通信は可 能と伺っている。
EMIS は全国的に配備されつつあり、本県を 含め未導入は数えるだけになっている。
議 題
<提案要旨>
○こども医療費助成事業は、子どもが安心して 適切な医療が受けられ、疾病の早期発見・早期 治療を行うことで、症状の重症化・慢性化・障 害の発言などを未然に防ぐことが出来る環境を 整備し、子どもが健やかに育つことを目的とし て市町村が実施しているこども医療費助成制度 について対象経費の1/2 を補助している。
○市町村との意見交換を踏まえ平成24 年10 月からは、入院の対象年齢を「中学卒業まで」 拡大し、所得制限を廃止することとした。また、 従来の目的である「母子保健」に加え「子育て 支援」も追加し、名称も「こども医療費助成事 業」に改正した。
○制度の概要(平成25 年度)
対象年齢:通院(3 歳児まで)
入院(中学卒業時まで)
助成対象:医療保険各法の適用を受ける
医療費の自己負担額(高額療養費等は控除)
一部自己負担:通院3 歳児のみ
医療機関ごと月1,000 円
入院自己負担なし
◎市町村や議会からは、保護者の受診後の申請 等手続きの簡素化のため自動償還方式の実施を 強く要望しており、医療機関から直接受診デー タの送付を国保連合会へ提出して頂くよう御協 力を賜りたい。
<主な意見等>
◇県医師会:現行の本制度では、保護者が医療 機関を受診後、市町村に申請を行わなければな らず、煩雑な手続きとなっていることから申請 を行わない保護者もいる。
自動償還を行えることとなれば、保護者が行 う手続きが簡素化されるので、利用しやすくな るのではないかと考える。
本件について、医療機関に通知した場合、医 療機関は即座に対応できるのか。
◆県福祉保健部:平成26 年1 月より自動償還を実施できるよう準備を進めている。
医療機関用のマニュアルを作成する予定であ るとともに、地区医師会に対しても説明会を行 う予定である。
その際は、沖縄県医師会に対しても協力を求めることとなるので、ご協力いただきたい。
<その他>
本会より、現在、新型インフルエンザの発生 が懸念されているが、医療現場が混乱しないよ うにワクチンの供給等について、沖縄県でも対 応策を検討していただきたいとの要望をしたと ころ、沖縄県より、国が新型インフルエンザ行 動計画を策定することとなっており、本県も策 定することとなっているので、今後とも沖縄県 医師会の先生方のご協力をお願いしたいとの回 答があった。
また、本会より、国は風疹の予防接種の助成 を行う計画はないと説明したとのことである が、妊娠する可能性のある女性やその夫らに予 防接種を受けることは重要であることから、沖 縄県が予防接種の費用を助成することについて 検討していただきたいとの要望をした。
それに対し、沖縄県より、東京都では妊婦の 家族に対し、予防接種の費用を一部負担してい る。本県も検討していきたいとの回答があった。
また、沖縄県より、今年度も引き続き特定健 診の受診率向上に取り組んでいただきたいとの ご要望があり、それに対し、本会より、特定健 診の受診率向上はもとより、特定保健指導まで 行えるようにしていきたいとの回答をした。
印象記
副会長 玉城 信光
去る4 月18 日に県庁において開催された。
今回は人事異動により福祉企画統括監に金城武さん、保健衛生統括監に前医務課長の平順寧さ ん、健康増進課長に糸数公先生、医務課長に阿部義則さんが就任した。
新しい陣容でこれからの医療行政が進められるので会員の皆さんも関心をもって頂きたいと思う。
議題1 の災害発生時における通信手段の確保に向けた環境整備についての要望については、県 医師会から提出した。
大槌町の支援の際、現場での通信手段の確保が難しかったことを考え、沖縄県で災害が発生したときの対応をお願いした。
福祉保健部からは、「防災行政無線」に関しては県の防災危機管理課との調整が必要であり、衛 星電話に関しては情報を収集し検討したいとの回答であった。
福祉保健部では、今年度、国が指導するEMIS(広域災害救急医療情報システム)を導入する 予定である。これにより全国の災害の連携ができるが、沖縄県の個々の現場との連絡がどうなる のか、まだ検討の余地があると思われる。
議題2 のこども医療費助成事業(自動償還)に係る協力については県から提案された。
詳細は報告書のとおりだが、子供の医療費の無料化にともなう助成金を保護者に直接償還でき る制度となっていることから、医療機関の協力が求められた。
少ない金額を役所まで取りにいくのが面倒でそのままになっていたケースが解消されるものと期待されている。
次回は5 月開催予定ですが、各地区医師会からの要望も県行政に反映して頂くようにしますの で、種々提案いただければ幸いです。
沖縄県医師会常任理事 稲田隆司
医事紛争発生時に、医師会に相談なく金銭交渉を行うと医師賠償責任保険の適応外となります。
医事紛争発生時もしくは医事紛争への発展が危惧される事案発生時には、必ず地区医師会もしくは沖縄県医師会までご一報下さい。
なお、医師会にご報告いただきました個人情報等につきましては、厳重に管理の上、医事紛争処理以外で第三者に開示することはありませんことを申し添えます。