沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 2月号

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編集後記

昨年暮れの衆議院選挙の投票率は全国で 59.32 % でありました。沖縄県は更に低い 56.84%で、若者の政治離れ、選挙離れが問題 視されています。次々に変わる総理大臣に、 コロコロ変わる政策、そして何も決断できな い政治に嫌気がさし「誰がやっても同じ」と いうシラケたムードが日本に蔓延しています。 若者が自分の将来に無関心であって良いはず はありません。政権交代により新しい政治が 始まろうとしています、是非今後の政治には 勇気を持って決断して頂きたい。大きな自然 災害があり、日本は今再生の分水嶺にありま す。ここで決断する政治を、返り血を浴びる 覚悟で断行して頂きたい。閉塞したムードの 中、人間性を無くしたようなおぞましい事件 の報道があるたびに、この国の精神が病んで いる気がしてならないのです。

さて、今回の県医師会報は年末に多くの協 議会が開催された関係で報告事項が非常に多 くなっております。医療界においても多種多 様の問題が山積している事がよくわかります。 都道府県医師会長協議会では精神科救急の問 題、医療現場での事務作業軽減に関する問題、 新型インフルエンザ関連問題、総合診療医を 含めた専門医制度のあり方、無過失救済制度 について等、沖縄県医師会でもよく問題とな る内容について日医執行部との様々なやりと りが掲載されております。また勤務医担当理 事連絡協議会では勤務医の医師会活動参加を もっと呼びかける事が議論となっております。 勤務医における日本医師会入会者の割合は 39.7%と極めて低く、これが日本医師会が開 業医の利益誘導を行う団体という間違ったイ メージを与える一つの要因となっているものと思われます。医師会は国民、県民の健康福 祉のために活動する団体であり、我田引水の 為の団体ではない事を正しく理解してもらう ためにはまだまだ多くの課題がありそうです。 九州地区学校保健担当理事者会では学校にお ける心臓検診や、AED の使用状況など細かい 議論が行われております。九州医師会連合会 では体外受精胚移植について、胃瘻について、 出生前診断の問題、有床診療所の管理栄養士 配置問題、特定看護師について、柔道整復師 の問題など医療現場で遭遇する様々な問題に ついての議論がなされました。その中で横倉 日本医師会会長が地域医療の再興を大きく掲 げて発言された事は、現場の医師として大変 心強いものがありました。政治と医療の間に は、社会保障と税の一体改革やTPP 問題など 大変重要かつ迅速な対応を要する問題があり、 日本医師会は専門団体として責任ある行動を とらなければ将来に遺恨を残します。その一 方、沖縄県医師会は沖縄県との連絡会議も行 い、沖縄県の行政とも様々な調整を行ってお ります。この様な八面六臂の活躍をしている 事実をもっと正確に国民、県民に伝えなくて はいけません。モンスターペイシェントの心 ない言葉に傷つき、医療訴訟の影に怯え、合 理性の乏しい医療監査にモチベーションを削 がれ、それでも毎日過労死寸前の過重労働を 強いられる医療現場は果たしていつまでもち こたえる事が出来るでしょうか?若い世代が 明るい未来を語り合い、その夢を託せるよう な医師会でありたいと思う今日この頃です。

広報委員 玉井 修

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