沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 9月号

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編集後記

東日本大震災医療支援のコーナーを読みながら見 上げる空に、秋を感じようと空高く見えるうろこ雲 を眺めていても、テレビからは立ち上がろうとする 日本に追い討ちをかける自然災害の知らせが流れて 来ます。最近は被災者の数がこれ以上増えないよう 祈ることが多くなってきました。9 月号の表紙は中 国から圧政と厳しい自然環境の中で生き抜く人々の 姿に、最近の私は共感を覚えます。

さて、今月号の「報告」のコーナーは以下の通り です。小渡副会長が参加された都道府県医師会長協 議会。JMAT の震災後の方向性、ワクチンの適正価 格、消費税補填分問題、診療/介護報酬改定の問題 点に臨む日医執行部の姿勢がまとめられています。

九州地区医師会立共同利用施設連絡協議会につい ては、金城忠雄理事より、各地区医師会の特定健診、 特定保健指導効果、これからの医師会共同利用施設 のあり方などについての報告があり、この中でも東 日本大震災における日医の活動報告がありました。

6 月12 日に行われた第112 回沖縄県医師会医学会 総会について白井和美広報委員から報告がありま す。今回はさらにプログラムの重複をなくす試みが 行われ、また研修医を対象とした沖縄医学会賞の創 設や県医師会報を使った分科会の紹介などの試みの 紹介、医学会頭挨拶、ミニレクチャーの詳細も掲載 してありますので、ぜひ御一読ください。「沖縄県 医師会医学会賞(研修医部門)」の設立の目的など の詳細などについては、委員会報告として田名毅先 生にまとめて頂きました。県内の研修医のモチベー ションアップにつながるよう期待します。県民公開 講座ゆらぐ健康長寿おきなわ「あなた飲み過ぎてま せんか?」については玉井広報委員からの報告です。 今や沖縄の社会問題となっている「飲酒」について、 医療の立場から依存症について、飲酒事故について は警察の立場から、苦しい状況を乗り越えてきた断 酒家族会の方からは貴重な体験談について発表があ りました。社会全体の問題として飲酒をとらえる貴 重な会になったと思います。その他、第194 回沖縄 県医師会臨時代議員会での会務報告、決算報告など の報告の様子が掲載されています。

挨拶のコーナーとしては、琉球大学医学部長への 就任にあたり医師会理事を退任された須加原一博先 生と後任に就任頂いた村山貞之先生からそれぞれ立 場からご挨拶を頂きました。

大山朝賢常任理事には、上村昭栄先生藍綬褒章・ 野原俊一先生旭日双光章受章祝賀会、新旧琉球大学 医学部長・附属病院長激励会についてご報告頂きま した。

「東日本大震災医療支援」のコーナーでは、医療 救護班派遣報告&懇親会(玉城信光副会長)、吉田 貞夫先生、普天間光彦先生、九里武晃先生、 DMAT として佐々木秀章先生からの東日本大震災 医療支援の報告を頂きました。震災も2 〜 3 ヶ月と 経過し、急性期から内科的疾患、メンタルケアの必 要な慢性期支援への変化がはっきりと感じ取れま す。最終的には15 陣、延べ人数79 人、派遣期間79 日にも及ぶ今回の医療支援は、一団体の継続した支 援としては最長だったそうです。医師会報に刻々と 綴られた今回の震災に対する支援記録は今後の沖縄 県医師会の災害医療にとって貴重な財産となること でしょう。

「分科会、研究会などからの報告」として、眼科 医会より中山貞之先生、泌尿器科会からは中山朝行 先生からご挨拶文を御投稿頂いています。

生涯教育コーナーでは、平成22 年度の上位申告 者を掲載しています。あわせて、久場長毅先生から は本コーナーへの激励の文章を頂きました。また、 勝山直文先生には低線量被爆についてまとめて頂い たが、福島原発事故以来、国民の「被爆」について の関心は高くなっており、臨床医が知っておくべき ことが簡潔にまとめられていますので、ぜひ御一読 ください。

プライマリ・ケアのコーナーでは、日常診療の場 において困ることの多い、緑内障患者への投薬につ いてのご投稿です。薬剤投与可能なケースや注意す べき薬剤についての資料も添付していただいてお り、すぐに現場で役立つ資料です。

インタビューコーナーには、本年4 月に県立北部 病院病院長に就任された上原哲夫先生にご登場頂 きました。実際に北部地区にて診療している石川委 員から地域の問題点について質問して頂き、上原先 生に回答頂きました。

「月間(週間)行事」については、がん征圧月間 については上田真先生に、救急・救急医療週間につ いては久木田一朗先生に、結核予防週間については 久場睦夫先生にご寄稿頂きました。

「発言席」では、最近糖尿病の新しい治療薬とし て注目されるDPP-4 阻害薬について県内で行われ たアンケート調査の結果を、中山良朗先生からのご 投稿です。

「若手コーナー」では、金城光世先生より、診療 における医師としてのスタンスについて発言を頂き、 「本の紹介」では、玉井委員から最近、はやりとなっ ている沖縄歴史本の紹介があった。ウンチク好きな 玉井先生の情報源の一つが明らかになりました。

本年の「緑陰随筆」には大変多くの先生からのご 投稿があり、今月号にも3 題掲載させて頂きまし た。3 題とも個性的な思いのこもったお話でありま したが、TED については興味をそそられ、個人的 にも参加して見たいです。

今月号は、非常にボリュームもあり、内容的にも 充実していると思います。タイムリーなテーマが揃 っており、お忙しい会員の先生方にも通読意欲が掻 き立てられる構成だったと思います。今後も学術 面、文化的にもバランスのとれた医師会報が出来る よう尽力できればと思っています。

広報委員 比嘉靖

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