沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 5月号

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編集後記

今年の天候はどうにもおかしい。そう思いま せんか?寒かったり暑かったりとにかく不順で す。筆者は沖縄へ来て4 年が過ぎました。毎年 4 月ともなれば朝の強い日差しで目覚め、今日 もやるぞと活力がみなぎります。もっとも好き な季節ですが、今年は特に曇りの日が多いよう に感じます。戦後初めての大きな政権交代が昨 年おこり、民主党が国民の期待を集めました が、お天気のように雲行きが怪しくなってきま した。今月号の最も大きな話題は第122 回日本 医師会定例代議員会報告です。ご存じのように 民主党とのパイプを持つ原中勝征氏が会長に当 選されました。一方、副会長には原中氏の推薦 をうけていない候補者が当選されています。こ のあたりの事情や新会長の原中氏の決意が詳し く書かれており、是非ご一読ください。政権に どの政党がついたとしても、よい医療を行うた めの提言をわたしたち医師会が行ってゆかなけ れば最後には国民が最も不利益を被ることにな ります。先行きが読めない時代でありますが、 またそういう時代だからこそ積極的な活動をお 願いしたいと思います。沖縄からは宮城信雄先 生が理事に選ばれました。沖縄県医師会として 大変喜ばしいことであり今後のご活躍を祈念い たします。

表紙は村田先生の大濠公園の写真です。よく 手入れされた公園で私も好きな場所の一つで す。退任の挨拶は幸地先生と野原先生からいた だきました。野原先生とは広報委員会でご一緒 させていただき、筋が通ったお考えにいつも敬 服しておりました。今後も忌憚のないご意見を いただけたらと思います。特別報告は、大きな 社会問題となった新型インフルエンザ感染例の 剖検報告です。今振り返るとあの騒動は何だっ たのかと思いますが、報告を読むと死亡時には ウイルスはほぼ消失しており治療効果もみられ るようです。

生涯教育は戸板先生の“子宮頸癌の放射線治 療”です。放射線治療に化学療法を組み合わせ ること(CCRT)により手術と同等、進行例で はそれ以上の治療効果をあげられるようです。 副作用を軽減するために腔内照射と外照射を組 み合せ、成果をあげておられます。沖縄県では HPV 感染が多いためか子宮頸癌が全国よりも 多い傾向があります。会員の先生方にもご一読 いただき知識をアップデートしていただきたい と思います。私が担当している頭頸部癌は頸癌 と似ており、放射線感受性が高い腫瘍です。沖 縄県の患者さんはCCRT で治る方が他地域よ り多いような印象を持っており興味深く拝読し ました。

インタビューコーナーは沖縄県薬剤師会会長 の神村武之先生です。先生は3 期目ということ ですが、新会館を建設され付属施設として薬剤 情報センター、夜間・休日の会営薬局、試験検 査センターなどを配備し、地域医療に積極的な 活動をされています。また薬学教育は6 年とな り制度改革が進んでいるようです。本の紹介は 玉井先生の“脳を知りたい!”です。私は沖縄 へ来るまでは、耳鼻咽喉科領域の疾患や術前後 の患者さんの脳機能研究を長年おこなってきま した。ゲノムが解析された21 世紀は脳の時代 です。医療関係でない方が記した本ということ でより興味を持ちました。次の出張の時に読み たいと思います。

さて、5 月末には普天間問題のタイムリミッ トがきます。梅雨空を吹き飛ばすような解決を 見せて欲しいものです。編集後記までお読みい ただきありがとうございました。

広報委員 鈴木幹男

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