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第191 回沖縄県医師会定例代議員会
−平成22 年度事業計画、諸収支予算を承認−

去る3 月25 日(木)午後7 時30 分より沖縄 県医師会館(3F ホール)において、第191 回 定例代議員会が開催された。

まず、新垣代議員会議長より定足数の確認が 行われ、定数59 名に対し、43 名の出席が確認 された。

定款第34 条に定める過半数に達しており、 本代議員会が有効に成立した旨宣言され、議事 録署名人に那覇市医師会の友利博朗代議員、南 部地区医師会の玉城清酬代議員が指名された。

冒頭宮城会長から次のとおり挨拶があった。

挨 拶

○宮城会長

宮城会長

本日は、第191 回定 例の代議員会を開催い たしましたところ、代 議員各位におかれまし ては、年度末で非常に 多忙な中をご出席いた だきまして、衷心より 厚く御礼を申し上げたいと思います。

国民の期待を背に受けて、昨年の8 月31 日 の総選挙で民主党が圧倒的勝利をして、民主党 鳩山政権が発足をしました。それから早くも半 年が過ぎましたが、いろんな問題を起こしてい ます。マニフェストを掲げて当選をいたしまし たが、そのマニフェストを実行する過程でマニ フェストを変えたり、いろんなことが起こって いるということで、政権に対する信頼が揺らい できているというような状況になっております。

特に普天間基地の問題ですが、選挙中、鳩山 さんは普天間飛行場の移設は、最低でも県外だ ということを言って県内の民主党議員が全員当 選をしてきた。そういう過程の中で、今、普天 間基地の移設について揺れ動いている。国民が 最も望んでいるのは、医療政策、あるいは経済 政策であって、国民生活の安定を築くのが一番 国民が望んでいることだというふうに考えてお ります。

4 月から実施される診療報酬改定の件です が、前回の代議員会でも私は申し上げました が、全体で0.19 %のアップですが、しかし、実 際計算をするとほとんどゼロに近い診療報酬改定だということだと思います。その中でも厚く 優遇されたのが大病院です。中小病院ももしか したらマイナス改定になっているのではないか と思います。特に診療所がマイナス改定の影響 を受けているのではないかと思います。次の改 定、これはもっと厳しい状況になると思います が、そういうことがないような形で今から運動 していかないといけないと考えております。

さて、先般の代議員会において4 月からスタ ートする新執行部を選出をしていただきまし て、感謝を申し上げたいと思います。

私は就任以来、地域に根ざした活力ある医師 会というのをモットーに掲げて、県医師会と地 区医師会との連携を強化して、地域住民から信 頼される地域医療を目指して会務運営に取り組 んでまいりました。3 期目も引き続いて地区医 師会との連携を図りながら、沖縄の医療をよく していくというのを目指して会務運営にあたっ ていくつもりでおります。

後ほど平成22 年度の事業計画の中で、玉城 副会長から具体的に説明をいたしますが、平成 22 年度は地域医療再生を最重要課題と位置づ け、医療連携、臨床研修事業、医師確保対策等 はじめ、諸事業を積極的に展開して地域医療の 充実発展並びに医師会活動の活性化につなげて いきたいと考えております。医療を取り巻く環 境というのは、依然として非常に厳しい状況に ありますが、役員一同、一致団結して県民の医 療を守るべくその職責を果たしていきたいと思 っております。代議員の先生方、会員の先生方 のご支援、ご協力をお願いを申し上げます。

本日は、私ども新執行部が4 月からの会務運 営に際する重要な議案を上程しております。慎 重にご審議をいただき、ぜひご承認を賜ります ようお願い申し上げます。

最後になりますが、これまで執行部の一員と して活躍をしてこられました幸地賢治先生、3 期6 年で理事・常任理事として活躍してこられ ました。それから、野原薫先生は4 期8 年理事 を務めてこられましたが、今月末3 月の末日を もって退任をされるということになっておりま す。先生方にはときにはご自身の診療、あるい はプライベートを犠牲にされて会の活動にご尽力をしていただきました。これまでの功績に対 しまして衷心より敬意と感謝の意を表するとと もに、今後とも引き続きご指導、ご助言を賜り ますようお願いを申し上げ、私の挨拶とさせて いただきます。ありがとうございました。

その後議事に移り、以下の議案について各担 当理事から説明され、全て原案通り承認された。

第1 号議案 平成21 年度沖縄県医師会一般会計収支予算補正の件

第2 号議案 沖縄県医師会共済会解散の件

第3 号議案 沖縄県医師会会館建設特別会計銀行借入の件

第4 号議案 沖縄県医師会会費賦課徴収規程一部改正の件

第5 号議案 平成22 年度沖縄県医師会事業計画の件

第6 号議案 平成22 年度沖縄県医師会諸会費賦課徴収の件

第7 号議案 平成22 年度沖縄県医師会諸会費減免者の件

第8 号議案 平成22 年度沖縄県医師会一般会計収支予算の件

第9 号議案 平成22 年度沖縄県医師会医事紛争処理特別会計収支予算の件

第10号議案 平成22 年度沖縄県医師会会館建設特別会計収支予算の件

第11号議案 平成22 年度沖縄県医師会共済会特別会計(清算事務年度)収支予算の件

その他、当代議員会における質疑の要旨は次 のとおりである。

※第2 号議案 沖縄県医師会共済会解散につい ては、72 〜 74 頁をご参照下さい。

1.代表及び個人質問

「日本医師会会長選挙における沖縄県医師会 執行部の対応について」

○山内代議員

山内代議員

今、会員の多くの先 生方が非常に関心をも っていると思う。近々 に行われる日本医師会 長選挙における沖縄県 医師会執行部、これは 執行部のほうがいいの か、代議員の先生方がいいのか、ちょっと迷っ たが、執行部でおそらく相談されているだろう ということで、そういう表現になっている。

特に内容は書かなかったが、昨年の政権交代に 絡み、今回の会長選挙は従来とかなり様相を異に しているのではないかと思っている。政局絡みが 非常に考えられ、その結果によってはいろんな問 題が起きてくるのではないかと想定している。

浦添市医師会の会員の先生方も沖縄県医師会 は一体どうするつもりなのか、どういう理由で そうするのか。あるいは一括で投票するのか、 それとも別々にするのか、ちゃんと調べてきて 報告してくれと言われているので、質問をさせ ていただく。

回答(宮城会長)

県医師会の執行部の見解ということだが、過 去、代議員が意思統一してだれかに投票すると いうことはやってこなかった。いろいろ話し合 いはしてきた経過はあるが、自主性に任せてい たというのがこれまでの経過である。今回につ いても理事会で話をして同じような形でいこう ということになったが、それぞれの代議員のも とには3 陣営からいろんな働きかけがあるし、 見解あるいは立場表明というか、マニフェスト といってもいいが、そういうものが送り込まれ てきている。それから運動員からも直接会って いろんな話を聞いているし、実際は4 人立候補 者がいるが、3 人の立候補者の立会演説会も聞 いている。それを聞いた上で最終的に1 人1 人 が決めていこうということで、意思統一をする ということはやっていない。

ただ、経過を見ると、九州医師会連合会は現 会長と次期会長が集まる合同の会議があり、そ こで態度表明をしようと、3 月22 日の会長会議 で決めたことがある。それは九州ブロックから 常任理事2 人を推薦すること。佐賀の藤川先生 と長崎の今村先生の2 人の推薦である。それか ら、副会長には福岡県医師会の横倉先生を推薦 する。これは九州ブロックとして推薦をしてい くということになった。

会長選についてはどういう態度をとるのかと いうことで協議したところ、森先生寄りの立場 で行動していこうという形で、九州医師会連合 会の会長会議は決まった。

そういう経過の中で、先ほど言った沖縄県医 師会の4 人の先生がどういう態度をとっていく かということは拘束はされない。それぞれの代 議員が決めていくということになっている。過 去もそういう立場を取っている。もちろん4 人 でいろいろ話し合いはしていくつもりでいる が、一本化する、これに強制するということは ない。常識的な判断に任せていく。これは31 日のぎりぎりまでそういう態度をとっていこう と思っている。ただ、どちらかというと、先ほ ど言ったように九州は森先生のほうに流れてい っているということである。

○山内代議員 決めていないということか。

○宮城会長 県医師会としては決めていない。

それぞれ決めているかもしれないが、私はも う態度を決めて、やはり九州ブロックの団結を とっていきたいと思っている。

○山内代議員 今回は、従来とはかなり様相 が異なる。従来の会長選挙に関しては、おそら くどなたも意見をあまり出さなかったと思う が、今回は今後に大きな影響があるので、やは り会員としても沖縄県医師会選出の代議員の先 生方は一体どうするのかということを、知って おくべきじゃないかと思ってこの質問を出し た。先生のご意見は先生のご意見として、ほか の3 人の先生方はどうなのかということは、お 話できないということか。

○宮城会長 意見を統一するということは、 過去もやってこなかったし、今回もやらない。

○新垣議長 真栄田常任理事、お答えください。

○真栄田代議員 那覇市医師会から出ているので、那覇市医師会の意見を大事にしたいと思 っている。この件については、理事会で検討を 行う。まだ、決まっていない。最終的には31 日に決めると思う。

○小渡副会長 私もまだ今のところは決めて いない。立候補者の話を今聞いて、熟慮してい るところである。それと、中部地区医師会がこ ういう論拠でこの先生を推してほしいというご 依頼があれば、あるいは各地区医師会もこうい う理由で地区医師会の総意として、この先生を 推してくれということであれば、そういう意見 もぜひ出していただきたい。

○玉城副会長 本来は私が代議員だが、実は 4 月1 日、政策参与の辞令交付があるので、安 里先生に代わっていただいている。私の意見は 安里先生に言うことはしていない。

○安里代議員 ただいま玉城副会長からもお 話があったように、これは代議員の代理のた め、私の意見でよろしいかということの了解を いただき、予備代議員ではあるが、今回は参加 することになった。したがって、中部地区医師 会の代表というわけではない。

私自身もまだ今のところ決めかねているとこ ろである。4 月1 日まであと1 週間弱、検討さ せていただきたいと思う。

「自治体からの主治医意見書のあり方について」

○名嘉代議員

名嘉代議員

ご承知のように介護 保険事業に対しては、 多くの会員の先生方が 介護認定審査委員をさ れたり、主治医意見書 を作成したりして協力 しているところである が、主治医意見書は審査会において申請者の認 定結果に大きな影響を与える重要なものである との認識のもと、日常診療にて多忙な合間をぬ って作成しているが、ときおり申請者が期限間 近に迫った状況で来院される場合があるため、 主治医は期限内の提出が困難な事態にかかるこ とが多々ある。

しかし、一部の自治体からは、現場の事情を 一切汲み取らず、請求書等により期限内の提出 を強く求めるケースが見受けられる。こうした 状況に鑑み、本会は自治体に対し、申請者への 早めの受診勧奨を徹底するよう呼びかけてもら うとともに、ゆとりをもって提出期限の設定、 並びに強固に期限提出を迫るような姿勢に対し て改善を求めたいと考えている。ついては、県 医師会より県当局を通じて、各市町村の担当部 局、介護保険連合会等に対し、下記の改善を求 めていただきたく県医師会のご意見を賜るよ う、お願い申し上げる。

1.申請者に対する早期受診勧奨の徹底。こ れは自治体からやってもらいたい。

2.主治医がゆとりをもって主治医意見書を 作成できる提出期限の設定。

3.強固に期限内提出を押し付けるような姿 勢を改めてほしい。

回答(小渡副会長)

主治医意見書提出については、去った平成21 年7 月30 日に開催された第2 回沖縄県との連絡 会議において、県から市町村において申請から 認定結果が通知されるまでに30 日を超過するケ ースが多くあり、その理由の1 つとして、主治 医意見書の提出の遅れがあるという指摘があっ た。そして主治医意見書の迅速な記載、提出の 協力方についての要請があった。

そこで本会としては、昨年の9 月の医師会報 に介護保険認定で医師がブレーキになることが ないようにという記事を掲載して、主治医意見 書の早期提出に会員のご理解とご協力を呼びか けたところである。

そういう中で、今般、南部地区医師会からご 指摘があったように、たとえ医師が主治医意見 書を早期に書くということで努力しても、確か に利用者や保険者の都合によって、期限内に提 出がうまくいかないということは非常に遺憾で ある。そういうことで、この解決策について は、本日、県の福祉保健部長にお会いして南部 地区医師会から要望のあった3 点について要望 をしてきた。今後この行方を見守っていきた い。また、そういう事例があれば、医師会に言 っていただきたい。

今後もご協力よろしくお願い申し上げる。