沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 12月号

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編集後記

今年もいよいよ師走となりました。忘年会や クリスマス、そして年末年始へとつながるこの 時期ならではの高揚感は子供の頃からとても楽 しみでした。まだ本土復帰前の時期、高度経済 成長の時期には年末の高揚感は今にも増して凄 かった思い出があります。年末商戦は目の回る ほど忙しく、クリスマスイブの夜はバタークリ ームのでかいクリスマスケーキを親父が買って きました。最近ではあまりその頃のような盛り 上がりが足りないような気がしています。今年 はちょっと無理してでも盛り上がってみようか と考えています。会員の皆様はどの様な師走の プランをお考えでしょうか?医療を取り巻く 様々な問題を考えると脳天気に騒ぐ気にもなら ないというお声も聞こえる気もいたしますが、 空騒ぎでも良いからこの師走の時期を楽しんで みるのも一興かと思います。

2009 年は会員の皆様にとってどの様な年だ ったでしょうか?政権交代という大きな変化が 起きましたが、これによって5 分ルールの見直 しや、介護保険制度、高齢者医療制度、レセプ トオンライン請求の義務化見直しなど、これま で頑として動かなかった大きな岩がゆっくりと 動いていく様な気も致します。しかしその様な 中でも相変わらずマスコミを賑わすのが勤務医 と開業医との対立を扇動するかのごとき報道の 数々。対立の構図を演出することによって内部 の対立を煽り、医師同士の連帯を突き崩すのが 狙いなのでしょうか?今回の会報でも女性医師 の問題や勤務医の問題など非常にデリケートな 問題にも沖縄県医師会は取り組もうとしていま す。北部の産婦人科医師不足や外科医不足を問 題視した随筆もとても興味深く読ませて頂きま した。新型インフルエンザの夏の第一波を乗り 切ったのは勤務医、開業医、行政など様々な垣 根を越えた医師の協力と連携でありました。充 分な情報の得られていない未知の感染症であっ た新型インフルエンザにワクチンも無く、自分 の診療が犠牲になるかも知れない、いや場合に よっては自分の命さえ危ういかも知れないとい う状況にありながら、発熱外来に立ち向かった 医師達は強い使命感で現場に居たはず。これに 関してはマスコミとの懇談会報告の中に詳しく ご報告させて頂きました。

医師として生きていくのは様々な決断の連続 です。女性医師、離島医師など立場は違って も、キャリアアップをどうするか、生き甲斐を どう見つけていくか、父として母としてどう生 きていくべきかは非常に重い決断の連続です。 医師としての連帯感を持ち続け、お互いの問題 に対する想像力を働かせて自分の出来る事を一 歩ずつやっていく事が大切だと思います。『先 生!』と同僚の医師達を呼ぶときには、『先生 も大変だと思うけど、一緒に頑張ろうね!』と いうニュアンスが含まれているように思いま す。お互いを尊重するからこそ『先生!』とい う言葉がお互いに出てくるのでしょう。

今年も沖縄県医師会報をご愛読頂きましてあ りがとうございました。

広報委員 玉井修

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