沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 10月号

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編集後記

今号の表紙は大城隆先生撮影の差羽(サシバ) です。沖縄の秋の季語サシバですが、眼光鋭い目 が印象的です。

全国に先駆けて新型インフルエンザの混乱を乗 り切りつつある沖縄。巻頭には緊急報告として、 新型インフルエンザ流行の現状分析・対策につい て、感染患者の診療でパンク寸前であった那覇市 立病院救急診療部に対し那覇市医師会の行った診 療応援についての報告を頂きました。この連携は NHK の全国放送でも取り上げられました。

真栄田常任理事、松原忍先生には男女共同参画 フォーラムからの報告を頂きました。医療再生の ためには女性・男性医師それぞれの働き方を変え、 また社会の意識の変化が大切で、そのために真摯 な努力を行うことが宣言されたそうです。

県立南部医療センター・こども医療センター村 尾寛先生からは性教育セミナー全国大会から、カ ップルで起きるDV「デートDV」の問題点などの 話題を報告頂きました。

他の報告としては、宮城会長から九州医師会連 合会常任委員会の報告、またトピックでもある九 州ブロック学校保健・学校医関連行事について、 有床診療所担当理事連絡協議会について、沖縄 県・県医師会連絡会議について、なごみ会幹事 会・懇談会についてを各役員にそれぞれ報告頂き ました。

生涯教育コーナーでは平安病院波平智雄先生に 「高次脳機能障害」についてまとめて頂きました。 地域連携パス(脳血管障害)が県内でも構築され つつありますが、連携の問題などのシステム上の 問題などが改善されるよう期待しています。

プライマリ・ケアのコーナーでは、琉球大学藤 田次郎教授に「沖縄県喘息死0、および喘息発作 による救急受診0 をめざして−第3 報−」につい て、喘息死患者、救急受診患者の年齢分布の解 析、今後の課題についてまとめて頂きました。

インタビューは、上原秀政八重山地区医師会長 に登場頂き、地域の大きな期待に応えていこうと する意気込みを語ってもらいました。

月間・週間行事のお知らせは盛りだくさんで、 「目の愛護デー」について三愛眼科上野香先生に紹 介頂き、視力障害のもたらす社会的損失をコスト の面から述べられています。医療技術、器具の進 歩により何兆円もの経済効果があるそうで、国・ 厚労省にとっても文字通り「目に見える経済効果」 になる?。県立南部医療センター・こども医療セ ンター與座浩次先生には「麻酔の日」についての ご紹介です。華岡青洲の100 年前の沖縄の先人 (高嶺徳明先生)の偉業は誇らしい限りです。

その他、骨と関節の日、臓器移植普及推進月 間、骨髄バンク推進月間、沖縄糖尿病週間につい て各先生にそれぞれ紹介して頂きました。

若手コーナーには2 題の寄稿です。プロジェク ト群星指導医入江聰五郎先生からは臨床教育先進 県沖縄の第一線の臨床教育のあり方、2 題目は浦 添総合病院2 年目研修医山内素直先生に指導医と 研修医の理想的な関係を「温度」という言葉でま とめてもらいました。研修医生活から離れて久し い会員の先生にも是非御一読頂きたい2 題です。

地区医師会コーナーでは、「那覇市医師会チャ リティー写真展」について沖縄赤十字病院知花朝 美先生からご紹介です。会員からの参加が伸び悩 んでいるとのことですが、県医師会報の表紙写真 についても応募が減少しています。デジカメの普 及している昨今、元気のあるアマチュアカメラマ ンの出現に期待しています。

本の紹介では石川広報委員からの紹介です。 TUNAMI についてわかり易くまとめてもらいま した。最近は先島方面での地震について耳にする ことが多くなっており、タイムリーな本の選択だ と思います。

随筆コーナーは2 題。1 題目は上海で行われた SLE 国際会議の紀行文をおおうらクリニック大 浦孝先生から、2 題目は40 年前にボリビア移民の 琉球政府派遣医師を経験された勝連病院吉田朝啓 先生の紀行文です。まるで小説の様に夢中になっ て読ませて頂きました。医師としておかれた環境 で最善を尽くす姿勢など改めて感じさせてくれる 作品です。

これまでになく医師会の医療的活動が注目され ています。新型インフルエンザの流行、医療再建 など大きな社会問題に対する医師会の役割はとて も大きなものです。システマティックな活動のた めには医師会内の情報の共有が大切で、その手段 である本誌は医師会の情報発信の中心的存在で す。本号の中にも重要性が高く、タイムリーな情 報を掲載できたと思います。さらに会員の皆様の 医療活動に役に立てる医師会報となれるよう、今 後の医師会報編集・出版活動により一層のご協力 を御願いします。

広報委員 比嘉靖

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