沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 6月号

前のページ | 目次 | 次のページへ

編集後記

本号が発刊されるころには長い梅雨にはいっ ているでしょうか。今年も慰霊の日が近づいて きました。アフガニスタンやイラクなど内戦状 態が続き、近隣では北朝鮮ミサイル問題など不 安定な国際情勢です。梅雨がやがて終わり夏が 来るように、過去を振り返りながら平和を祈り たいと思います。

さて、今月号の表紙は梅雨空を吹き飛ばすよ うな嶺井美奈子先生の早朝の海です。筆者は船 に乗るのは嫌いですが、青い海を往来する船は 心を和ませてくれます。お楽しみ下さい。

今月号の最も大きなトピックスは沖縄県医師 会平成21 年度研修医歓迎レセプションです。 これまで琉球大学を中心とするRyuMIC、県立 病院を中心とする研修グループ、病院群で構成 される群星などの研修システムごとの歓迎会が おこなわれてきましたが、残念ながら各研修シ ステム間で交流は活発とは言い難い状態でし た。沖縄県では毎年140 名もの研修医を受け入 れていますが、筆者もこの状況を寂しく思って いました。今回、各研修グループが初めて一堂 に会したことは画期的で、200 名を超える研修 医、指導医が参加したことからみてもこのよう な交流会が待たれていたのだと思います。交流 を深めながら切磋琢磨し、ここ沖縄の地で素晴 らしい医師として成長されることを期待してい ます。

その他のトピックスとして第120 回日本医師 会定例代議員会報告、第188 回沖縄県医師会定 例代議員会報告を挙げています。医師会の方向 性や医師会員の会費がどのように使われている のかご一読いただきたいと思います。

生涯教育は真栄城修二先生の早期関節リウマ チの診断・治療についてです。学生時代に習っ た診断・治療法が大きく変わっていることに驚 かされました。プライマリ・ケアコーナーは藤 田次郎教授による喘息のお話です。喘息の治療 は有効な吸入ステロイド薬が普及して、重症例 が減っていると思っていましたが、沖縄県では 喘息死亡例数は減っているものの死亡率が全国 平均よりかなり高いようです。喘息死の診断に 疑問もあるようですが、適切な治療が行われて いないことが大きいようです。喘息死0、喘息 発作による救急受診0 が達成されるかどうかは 別にして、急死するような喘息発作は何とか減 らしてゆきたいものです。

若手コーナーは豊見城中央病院からの投稿で す。指導医の比嘉先生はよい医師には広い意味 でのコミュニケーション能力が大切と説いてお られます。この能力は卒業して医師になったか らといって身につくものではありません。大学 教育でも、OSCE など診察技法について教育の 改善を図ってきましたが、さらにこれまで以上 に取り上げていく必要があるように筆者も感じ ました。

好評の本の紹介コーナーは石川広報委員から “他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス”と“誰にも書 かれたくなかった戦後史”の紹介です。終戦か ら随分時が経ち、戦争を忘れがちになります が、過去を振り返り、また明日に継げる意味で も読んでみたい本です。

今月の随筆は中頭病院の安里浩亮先生からで す。内科医と外科医の信頼関係、相互理解が患 者の利益となる典型で、現在の臓器別診療につ ながるお話です。興味深く読ませていただきま した。

すべてをご紹介できませんが、ご投稿いただ きました会員の皆様ありがとうございました。

広報委員会では会員の先生方にお願いして医 師会報の記事に対するアンケートを取っていま す。特に人気のあるのはインタビューコーナー や随筆コーナーのようです。報告も意外に(?) 読まれているようです。広報委員会では充実し た医師会雑誌を目指して、会員のニーズに合う ように努力しています。ご意見がございました ら是非ご一報ください。

広報委員 鈴木幹男

前のページ | 目次 | 次のページへ