沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 5月号

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編集後記

鯉のぼりが空高く泳ぐ季節となりました。昨 年、遂に経済バブルが崩壊し、資本主義社会も 終焉を迎えようとしているように思えます。21 世紀の社会はどうなるのでしょうか。

さて、今月号の表紙写真はキリンさんの「や ー!こんにちは」です。人(キリン?)生を達 観した穏やかな表情に見えます。このような老 後を迎えたいものです。山城千秋先生の優しさ が表れた心温まる写真です。

今月号のトピックスは先ず、平成20 年度日 本医師会医療情報システム協議会の報告です。 世の中の趨勢で、医療情報のIT 化は進めるべ きで、事務的情報のIT 化は特に有用だとは思 いますが、IT 化のコスト、特に多忙な医師の 時間的コストをどうするのか、更に人間を相手 にする医療において患者の感情や医師の記憶情 報などをどこまでIT 化できるのか、疑問です。 幸地常任理事、ご指導をよろしくお願いいたし ます。

次のトピックスは感染症危機管理対策協議会 の報告です。麻しん対策ですが、沖縄県のV 期、W期のMR ワクチン接種率は全国41 位、 43 位と恥ずかしい限りで、宮里理事の奮闘を 期待します。新型インフルエンザ対策では医療 体制の整備は医師会が担うことになります。最 近の日医FAX ニュースによれば、米国は新型 インフルエンザの死亡率が最悪の場合、20 % と想定しているとのことでしたが、わが国では 2 %と決めて対策を行っていますので、現場の 混乱が危惧されます。

最後のトピックスは沖縄県学校保健・学校医 大会の報告です。日本の食物アレルギーの第一 人者である国立病院機構福岡病院小児科柴田 瑠美子先生にご講演をしていただき、またその サマリーもお願いいたしました。今年度から学 校生活でも食物アレルギー患者の管理指導票が 必要になりますので、学校医の先生は対応をお 願いいたします。柴田先生は私が23 年前、日 本アレルギー学会前理事長の西間三馨先生の下 で働いていた時の上司です。ご講演ありがとう ございました。

生涯教育は琉大の國吉幸男教授による感染性 胸部大動脈瘤の外科治療です。すばらしい実績 に驚きました。プライマリ・ケアコーナーでは 同仁病院の宮里朝矩先生の前立腺肥大症のお 話、琉大の甲斐豊先生の未破裂脳動脈瘤の治 療方針、共に分かりやすく読ませていただきま した。

若手コーナーでは那覇市立病院の研修指導医 の上原忠司先生、研修医の喜瀬高庸先生に投稿 していただきました。両先生とも初期研修では ただ単に知識や手技を習得するだけではなく、 医師としての人格を涵養することの大切さを述 べられており、ほっとしました。

今月の随筆は石川眼科医院の石川秀夫先生の テッポウユリ考です。テッポウユリの由来説を 楽しく読ませていただきました。先月号の表紙 写真のハナミズキも改めて御礼申し上げます。 人間性豊かで紳士的な石川先生は私の憧れです。

この他、ご報告された理事、ご投稿いただい た会員の先生方、ありがとうございました。

広報委員になって12 年、最後の編集後記と なりました。これまで、常に何のための医師会 なのかを考えながらやってきました。今後、医 師会の役割を会員皆で考えていく必要があると 思いました。

広報副担当理事 野原薫

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