沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 2月号

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編集後記

新しい医師会館が開かれました。その落成記 念式典・祝賀会の模様が冒頭で報告されていま す。設立に御苦労された執行部の先生方に感謝 申し上げます。また宮城会長が述べられている ように、長年資金を払っていただいた先輩の先 生方のお陰も忘れてはならないと思います。

「平成20 年全国勤務医部会連絡協議会」の 報告が城間寛先生よりなされています。権丈 教授の提唱する医療費の財源確保のための施策 を実現するよう、世論に広く訴えたいもので す。宮里善次先生から「日本医師会医師再就業 支援事業保育システム相談員講習会」の報告が ありますが、女性医師の確保のための早急の整 備が望まれます。

「平成20 年度沖縄県・沖縄県医師会連絡会 議」が安里哲好先生から報告されております が、特定健診受診率が県全体で14.8 %、那覇 市で5.0 %、沖縄市で4.1 %しかないとの事、 がん検診とともに受診率アップに向け、周知徹 底が必要と思います。

野原薫先生から「平成20 年度永年勤続医療 従事者表彰式」の模様が報告されています。58 施設から172 名のコメディカルの方々が表彰さ れていますが、表彰された当事者は勿論です が、永年勤続できるような環境を整えられた施 設側にも敬意を表したいと思います。

さらにおめでたい事が報告されています。新 垣元武先生が日本医師会最高優功賞、真栄城優 夫先生が沖縄県功労章、金城國昭先生が瑞宝章 を受けられています。御三名の先生方におかれ ましては誠におめでとうございます。今後とも 変わらぬ御指導を賜りたいと存じます。

沖縄県は残念ながら、近年健康面でかなり後 進ぶりが指摘されていますが、このような中、 「特定健診について」の座談会が開かれていま す。昨年がスタートの年ですが、受診率の低 さ、受診結果の知らせ方、保健指導の遅れ、保 健請求制度の問題、利益の少ない費用問題 等々、様々な課題が浮き彫りにされています。 現在の14.8 %を目標受診率65 %にあげ、本来 の目的達成にもっていくには、さらに多くの工 夫・努力が必要のようです。

「第3 回マスコミとの懇談会」は慢性腎臓病 (CKD)について玉井修先生の司会で開催さ れています。沖縄の透析患者数は全国で6 番目 に多い、それはメタボリック症候群が多いため であるが、さらに検診受診率が低くCKD の発 見が遅く、早期の治療介入ができていないた め、との事を解説しています。マスコミにより 県民に啓発してもらう上で大変有意義な懇談会 であったと思います。

「生涯教育コーナー」では玉城正弘先生が 「無症候性虚血性心疾患をCT で評価するー冠 動脈石灰化指数を中心にー」について解説され ています。繁用されている冠動脈造影CT に比 し、被爆量が格段に少なく短時間で評価できる 動脈石灰化指数(CACS)が早く保険収載され る事が望まれます。

「プライマリ・ケアコーナー」で大田重人先 生から「めまい診断」について解説いただいて います。‘めまい’は日常診療の中でよく遭遇 する症候ですが、改めて勉強になりました。

アレルギー週間に因んで、外間英之先生と長 谷川昌宏先生にそれぞれアレルギー性結膜炎と アレルギー性鼻炎について解りやすく説明して 頂きました。両疾患が門外漢の小生には意外と (?)多い事を認識しました。

「若手コーナー」では、南部徳洲会病院の研 修管理委員長・上江洲徹先生と研修医・松澤文 彦先生からそれぞれの立場で寄稿いただきまし た。両先生ともコミュニケーション、教わる方の 態度の重要性を述べていますが、全く同感です。

「発言席」で国立沖縄病院名誉院長の源河圭 一郎先生が「純粋痴呆」について述べておられ ますが、痴呆といっても色々の病態がある事を 認識しました。おっしゃる通り、周辺症状を生 じることのない社会の再到来を願うところです。

新しい医師会館が落成しました。医療界がよ りよくなるよう、また新しい気持ちで出発した いところです。

広報委員 久場睦夫

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