沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 12月号

前のページ | 目次 | 次のページへ

編集後記

年の瀬になってまいりました。今月の表紙は ペリー内科の内原先生撮影の南の島のクリスマ スです。サンタクロースとアフリカ原産の観葉 植物(虎の尾:サンセベリア・ローレンチー) のミスマッチが楽しいですね。マイナスイオン 効果があるということで人気が高まりました。 私も好きな観葉植物の一つで自分のクリニック でも飾っています。

第119 回日本医師会臨時代議員会報告は玉 城信光先生に書いていただきました。昨今の報 道に散見される勤務医と開業医との対立的な取 り扱われ方には何らかの世論誘導的な意図を感 じます。先日東京で起きた妊婦受け入れ拒否の 報道においても受け入れ側の病院とかかりつけ 医病院との対立の構図で扱われている事に危機 感を感じました。問題はもっと社会構造的な問 題なのに、犯人捜しに終始してはいけません。 日本医師会はしっかりと声をあげて主張すべき と思います。平成20 年度都道府県医師会「地 域医療、保健、福祉を担う幅広い能力を有する 医師」認定制度に関する協議会は安里哲好先生 に書いていただきました。いわゆる総合医は、 この事自体を否定するものではありませんが、 この制度を逆手にとってフリーアクセスの阻 害、人頭払い制に利用される危険性を注意深く 見ていく必要があります。九州医師会連合会第 298 回常任委員会と九州各県・政令指定都市保 健医療福祉主管部局長及び九州各県医師会長 合同会議は宮城信雄会長に書いていただきまし た。社会保険庁の再編に伴う九州厚生局の今後 の動きには注意したいものです。平成20 年度 沖縄県女性医師フォーラムは依光たみ枝先生に 書いていただきました。この様な活動が実効性 を持つかどうかは女性医師一人一人の関わり方 にかかっています。女性医師一人一人が主体 的、積極的に発言し、医師として関わっていく 姿勢が今後求められていくでしょう。マスコミ との懇談会は自殺について取り上げ非常に盛り 上がりました。紙面には出てきませんが、その 後のささやかな懇親会ではオードブルを囲みな がら、マスコミの皆さんと更に盛り上がりまし た。今回の生涯教育はグリオーマ治療に関して 吉井與志彦先生に書いていただきました。グリ オーマにおける組織内多様性が良くわかりまし た。プライマリケアコーナーでは沖縄喘息死0 を目指して、藤田次郎先生と嘉数朝一先生に書 いていただきました。吸入ステロイドとβ刺激 吸入薬との使用頻度の比較は大変興味深かった です。根治的な治療をせずにその場しのぎの治 療を繰り返すのは喘息に限った問題ではありま せん。人工透析とCKD(慢性腎臓病)の問題 も根底では同一でしょう。だからこそ我々医師 会が県民に直接語りかける場が必要だと思うの です。インタビューコーナーでは北部地区医師 会会長の大城修先生にインタビューしました。 難しい舵取りをしなくてはなりませんが、大城 先生には健康に気をつけていただきながらご活 躍を期待したいと思います。月間行事コーナー はHIV 感染、AIDS に関して椎木創一先生と 宮川桂子先生に書いていただきました。社会資 本を有効活用していく大切さを再認識いたしま した。HIV 感染防止のためにはもっと大胆な手 を打つ事も今後は必要になってくるものと思わ れます。新型インフルエンザ対策に関してもそ うですが、もっと行政と医師会の意見交換が緊 密になされる必要があると思います。地区医師 会コーナーでは平敷淳子先生の国際女医会会長 講演会報告を石川清和先生と高良和代先生に書 いていただきました。国家試験によって医師免 許証が授与された医師は性別によらず生涯医師 として生きていくことが当たり前という言葉に 感動いたします。若手コーナーでは喜舎場朝雄 先生から初期研修のあり方、そして若い医師達 への熱いエールを送っていただきました。津波 実史先生からは指導医として若い医師との関わ り方を書いていただきました。叱ることの出来 る指導医ですか、私は研修医をあまり叱れませ んね…。関わり方が浅いのかも知れないとちょ っと考えさせられました。リレー随筆は照屋勉 先生に笑いのすすめを書いていただきました。 いつも感心しますが、照屋先生は本当に繊細な 感覚をお持ちです。佐久間淳先生、宮里不二雄 先生、須信行先生、長嶺信夫先生の随筆はど れも深く、味わいのある文章ですね。どの問い にも結論は無いのでしょうけど、この様な思索 を深める事はとても大切な事だと思いました。

広報委員 玉井 修

前のページ | 目次 | 次のページへ