朝夕とも気温が落ちつも、車窓から見るガソ リンの価格表示が気になる今秋です。
表紙の写真は前医師会報担当理事で、現公立 久米島病院院長村田謙二先生にご提供頂きまし た。先生宅も原油価格高騰の煽りを受けていた ようで(詳しくは表紙裏の写真紹介文「所変わ れば…。」を参照)ご夫妻恒例旅行が復活され、 会報表紙へも美しい写真や絵画をご紹介いただ けるよう願っております。
「報告コーナー」からは、次の3 題をトッピ クスとしました。
宮里善次理事より「九州ブロック学校保健・ 学校医大会関連行事」での1)心臓検診の異常所 見の精査結果について、2)九州沖縄の腎疾患デ ータベース化について、3)麻しんの予防接種率 向上について、4)学校医確保問題について等の 協議結果について。
依光たみ枝・銘苅桂子先生より女性医師問題 や勤務医問題などを協議された「第4 回男女共 同参画フォーラム」の感想を述べられています。
玉城信光副会長、安里哲好理事より「台中市 医師公会交流会」の様子を伝えて頂きました。 台湾の医療保険は皆保険制度であり、海外から 評価が高い皆保険制度は、20 〜 30 %の診療報 酬カットに医療関係者が耐えることで成立して いる事実に衝撃を感じました。
今回のトピックスは、どれも現在の日本国内 沖縄県内の医療事情に直結した話題について詳 しく書かれており、ぜひ会員の皆様にもご一読 頂きたいと思います。
特定健診等Q&A のコーナーでは、玉井修理 事から特定健診に用いられる基準値やその問題 点についてまとめて頂きました。
生涯教育コーナーでは、新生児脳障害の代表 的疾患 低酸素性虚血性脳症(HIE)の予防・ 治療法として期待される「新生児脳低温療法」 について吉田朝秀先生に、また高齢化で増加す る肺がんの診断・治療として注目される「CT ガイド下肺生険」と「肺腫瘍ラジオ波凝固療 法」について村山貞之先生に大変ご丁寧にまと めて頂きました。
プライマリ・ケアコーナーでは、大嶺啓先生 に「子どものスポーツ指導」と題して、スポー ツの語源、本来の目的、成長・発達の特徴など から、現代の小児期スポーツの抱える問題点・ 指導法についてまとめて頂きました。子どもの クラブ活動などにのめり込む親御さんをよく見 かける今日、「スポーツの楽しさを教える」「好 きにやらせて細かい指導はしない」という先生 の言葉は、早速使わせて頂こうと思います。
今回のインタビューのコーナーは、新しく南 部地区医師会長に就任された名嘉勝男先生で す。ご開業から今日までの医師会活動、会長と しての今後の抱負、今後の医師会のあり方など について語っていただきました。
月間(週間)行事お知らせとしては安里英樹 先生に「骨と関節の日2008」について、中村 清哉先生には「麻酔の日(10 月13 日)」につい て、安里良盛先生には「10 月10 日目の愛護デ ー」について、石川和夫先生には「沖縄県糖尿 病週間(10 月25 日)」について、それぞれ詳し くご紹介いただきました。ぜひ御一読頂き、各 行事に御理解御協力をお願いします。
発言席では、久田友治先生に、プリオン病感 染と洗浄・消毒・滅菌の重要性についてのご発 言ご指導を頂きました。私もかつて開頭手術に 携わっていましたが、当時はプリオン病に対す る認識は薄く、凍結乾燥硬膜の問題をふくめ複 雑な気持ちで拝読いたしました。
県立宮古病院金城武士先生には、「若手コー ナー」で医師としてのキャリアの一つとしての 「大学院生活」について、貴重な発言を頂きまし た。最近、若い医師の臨床知識、経験などが取 り沙汰されることが多くなっていますが、医学 自体のレベルを将来にわたって支える医学基礎 研究について国や社会、臨床医のレベルでも今 一度見直す必要があるのではないでしょうか。
「随筆コーナー」は、表紙に素晴らしい写真 を頂いた村田謙二先生と琉球病院院長村上優先 生からそれぞれ趣のある随筆を頂きました。沖 縄の医学史や沖縄の楽しみ方まで、楽しく拝読 させていただきました。
本号には大変多くの会員の先生方から御寄稿 いただきました。
一部の内容について触れさせていただきまし たが、全体として大変内容の濃いものであった と思います。今回も医師会報を発行でき大変感 謝すると共に、今後も本誌の活動に御理解御協 力頂きますようお願い申し上げます。
広報委員 比嘉靖