沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 6月号

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編集後記

気温と湿度の上昇とともに草木が青々として きました。今月号の表紙は安次嶺馨先生の “平和記念公園資料館”です。亡くなられた御 霊のご冥福を祈るとともに平和が続くよう願っ ています。

さて、今月号には多くの報告が掲載されてい ます。まず第186 回沖縄県医師会定例代議員会 では宮城会長の所信挨拶があり、2 期目にあた っての決意を述べられています。会員が力を合 わせて会長、執行部を支えて医療改革を進めた いものです。

沖縄県福祉保健部との連絡会議では離島医療 を支えるドクター・ヘリ事業の報告が掲載され ています。平成20 年度から救急医療用ヘリコプ ター活用事業が予算化されたことをご存じでし ょうか。県の考えでは南北大東と夜間搬送は現 状のヘリ添乗(ヘリコプター等添乗医師等確保 事業)で、昼間は救急医療用ヘリコプター活用 事業で対応(浦添総合病院)するようです。安 里常任理事は地域性を考え北部地区医師会病院 も救急医療用ヘリコプター活用事業の対象にな るように要望されていますが、前途は厳しいよ うです。医学研究費でも同じですが、ヒモ付き でなく実際に利用する側の立場で運用しなけれ ば、有効活用が難しいと思われます。また現状 のヘリ添乗事業では安全性・補償問題,人的資 源不足などから今年度から琉球大学と那覇市立 病院が撤退しました。新しい救急医療用ヘリコ プター活用事業とうまくすりあわせて県民の医 療環境改善を図っていただきたいと思います。

年度が代わり新たな制度がスタートしました。 後期高齢者医療制度、特定健診・特定保健指導 は国民、医療現場で十分な周知・システム構築 がなされないまま導入され、案の定多くの制度 上の欠点、矛盾が表面化しています。後期高齢 者医療制度は内容の変更が早期に行われるよう な報道もなされています。本制度について本誌 でも積極的にとりあげていく方針を広報委員会 で確認しておりますので会員各位のご意見をお 願いいたします。特定健診について、マスコミ との懇談会報告には興味ある意見がみられま す。本健診の目的は医療費削減ですが、この健 診を行った場合医療費下げるというエビデンス が全くないことです。厚生労働省に振り回され ているように感じますが、沖縄県では健診受診 率が低いので特定健診が導入されたことを契機 として成人病の早期発見・治療への意識が高ま ってくれればと思います。実際の運用では地区 により異なりがあるようですが、後期高齢者医 療制度とともに本誌では取り上げる予定です。

新臨床研修制度が始まって5 年になります。 本号には県内3 つの新臨床研修制度(琉球大学 RyuMIC、群星沖縄、那覇市立病院)の様子が 掲載されています。いずれの施設でも工夫を凝 らし次世代の医師を育てるために健闘していま す。フレッシュマンが来ると指導医も不思議と 元気がわいてくるものです。医療現場に大きな 波紋をもたらしている現制度ですが、新人諸君 が志高く成長してくれることを祈っています。

生涯教育コーナーは琉球大学の崎間敦先生 に血圧コントロールが十分でない患者さんへの 対応ついて簡潔にわかりやすく教えていただき ました。是非ご一読ください。プライマリ・ケ アコーナーでは水虫について南部徳洲会病院の 富永智先生に教えていただきました。水虫は皮 膚科で症例が多い疾患の一つですが本文を読む と奥が深いものだと改めて感心いたしました。

インタビューコーナーは沖縄県立南部医療セ ンター・こども医療センター院長に就任された 下地武義先生です。県立病院の赤字体質、 DPC 導入、看護職の離職者が多いこと、など 多くの問題がありますが、地域の拠点病院とし てさらに発展させていただけるように期待して おります。リレー随筆は照屋寛先生から、随筆 は3 つ投稿を頂きました。

6 月8 日に宮城征四郎先生を会頭として第 106 回沖縄県医師会医学会総会が県立浦添看護 学校で開催されます。会員各位が多数参加され 活発な議論が行われることを期待して稿を終わ ります。

広報委員 鈴木幹男

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