広報担当副会長 玉城 信光
昨年1年間、広報委員としての仕事をあまり しておりません。まずはお詫び申し上げます。 私を除く他の先生方のおかげですばらしい医師 会報が出来ていることに感謝しています。私の 仕事は委員としての仕事より執筆者としての登 場が多いように思います。日本医師会の代議員 会や九州医師会連合会の会議報告等、現在医師 会が抱えている問題の提示と各県の意向、動き はどのようになっているかの報告です。
医師会報には多くの情報が掲載されており、 それがそのまま資料として蓄積されていきま す。過去の仕事、懸案事項が解決されたのか、 医師会報を資料として分析もできると思いま す。また会員動向をみるときに本土に帰った同 級生も沖縄にいた頃の病院がわかることにもな ります。
昨年の目玉は女性医師部会の立ち上げです。 全国勤務医部会での依光先生の報告、また女性 医師フォーラムに95名の参加者がいたこと。今 後の活動報告は今年の目玉記事の一つになると 思われます。
今年の医師会報の記事で大切なことの一つは 医師会館の竣工です。12月の医学会は新しい医 師会館で出来ると思います。平成20年度の医 師会総会も開催してはどうでしょうか。シンポ ジウムは“新しい医師会のあり方”で医師会館 をどのように活用し、社会に開かれた医師会活 動はどのようにあるべきかを問うてみたいと思 います。会館落成特集号をつくりましょう。
今年も広報委員の先生方にお世話になりなが ら、末席をけがしたいと思います。
広報担当理事 村田 謙二
月日が経つのは速いもので、広報担当理事と して2度目の新春を迎えることになりました。 つつしんで新年のご挨拶を申し上げます。
私は30代の頃より様々なジャンルの本を読むの が趣味の一つになりました。読書に触発されて自 分の視野が広がり、思索が深まることは楽しいも のです。広報担当理事となり会報の編集に携わる こともそう深刻には考えず、むしろ新たな楽しみ が増えるかも知れないという淡い期待で引き受け ました。しかし、読む側から作る側にまわること は、そう簡単なことではありませんでした。特に 締め切りに追われながら継続することがいかに大 変なことか、今更ながら身にしみて感じています。
さて作る立場からしますと意外に扱いの難しい のが随筆です。個人の意見だからと割り切って、 内容を無審査で採用すれば事は簡単です。しか し、会報の位置づけは中立性が大切だと考えてい ますし、基本的には学術誌的な要素もあります。 紀行文のはずの内容がひとたび政治的発言の色彩 を帯びてくると、広報委員会では採否をめぐって 議論百出まとまりません。あるいは医療上の話題 ではありながらも独創的なあまり独善性が疑われ たり、他に対し批判を通り越して誹謗に近づくこ ともあります。大方の読者は寛容の精神で消化し てくれるのでしょうが、研修医の読者を想定する と掲載に躊躇せざるを得ません。
発言の自由を守ることと会誌の品格を保つこ と、この両立が難しいのです。採用不可や書き 直しをお願いするにせよ、広報委員会の見解を はっきり筆者にお伝えすることが、投稿の権利 を保障することにつながると考えています。ま た委員会の意見は無理に多数決で決めるのでは なく、相容れない意見がある場合は並列に述べ て筆者にお届けしようと考えています。それが 編集に携わるものの良心と理解しています。
年始から固苦しい内容になりましたが、大切 なことだと考えていますので述べさせて頂きま した。今年も会報をご愛読下さい。
広報副担当理事 野原 薫
会員の皆様、明けましておめでとうございま す。十二支の始めの“子”年にあたり、新しい 希望の幕開けとなりますよう祈念いたすと共 に、本年もよろしくお願いいたします。
広報委員になって早や10年となりました。昨 今、国の医療制度が目まぐるしく変わる中、原 点に戻って医師会及び医師会報の役割を考える 年にしたいと思います。また、医療についてマ クロ及びグローバルな観点から視ていこうと思 っています。広報については、現在の情報過多 の時代において真に必要な医療関連の情報を発 信できるよう努めたいと思いますので、会員の 皆様方のご協力をお願いいたします。
本年も会員の皆様にとってよい年であります よう願っております。
広報委員(北部地区医師会)
比嘉 敏夫
会員の皆様、新年明けましておめでとうござ います。広報委員の仕事ももうすぐ2年になり ます。月一回の名護と浦添の往復ですが、意外 と疲れるものです。それでももうひとがんばり やっていくつもりです。
今年の干支は子(ね)です。昭和23年生まれ なので私は今年還暦を迎えます。特に何か変わる こともないので今年も平々凡々と過ぎていくと思 われます。しかし高校の同期、特に公務員はほと んどが今年から来年にかけて定年退職することに よりかなり生活に変化がみられるようです。退職 後の再就職はなかなか厳しいようです。60才は頭 も体もさびついていないはずなので、働きたい人 には働ける場が提供されていいのではないかと思 います。全国的に団塊世代の定年後の再雇用が議 論されています。所得倍増、日本列島改造、大学紛争、バブル期とその崩壊など戦後の日本の成長 を荷ってきたこの世代はたくましいはずです。若 年者が減り高齢者が増えていく中で、この世代は それ以前と同じような安定した老後にならないこ とをよく知っています。これまで競争社会を生き 抜いて得てきた経験は新しい高齢化社会をしっか りしたものに作っていける充分な力になるのでは ないかと思います。
まだ退職とは程遠い生活を送っている身からす ると、社会の中で充分力になりうる同輩が去って いくのがなんとももったいない話に思われます。
なにはともあれ、会員の皆様にとってこの子 年がすばらしい年でありますよう祈念致します。
広報委員(中部地区医師会)
比嘉 靖
あけましておめでとうございます。はやいもの で、これで本誌上では2度目のご挨拶となりまし た。広報委員としては、活動が日常診療業務の後 になるため、広報委員会の仕事については十分に 参加できないこともありました。本医師会報の編 集会議では、会報全体のバランスを見渡しながら 作業はいまだに難しいのですが、会員の先生方へ の新聞投稿の依頼や投稿していただいた原稿の校 正など、事務的な部門では多少は貢献できたので はないかと思います。旧年中、会員の先生方には お忙しい中、ご投稿、ご寄稿にと、多大なご協力 いただきました。この場をお借りしてお礼を申し 上げます。本年も、中部地区医師会の代表とし て、広報委員として活動させていただきますが、 本医師会報が会員から信頼される情報提供の手 段、魅力ある論文の発表手段として会員の先生方 に感じて頂けるよう、微力ながら昨年以上の貢献 ができればと思っておりますので、本年のより一 層のご協力、ご指導をよろしく御願いします。
個人的には本年が心身ともにはつらつと活動 できる一年であるように、次の言葉を年頭を飾 る言葉としたいと思っております。
「炭と昆布をかざてぃ、姿若くなゆさ」。
新年をきちんとした気持ちで迎えれば、年を とるのではなく、心身ともに若々しく迎えられるという意味と受けております。有言実行でき るようがんばりたいと思います。
広報委員(浦添市医師会)
池村 剛
新年あけましておめでとうございます。今年 で広報委員を勤めて4年目になります。何度か 会報内の報告記事や編集後記などを担当させて いただきました。文章を書くことにほとんど縁 がなかったこともあり、執筆の順番が巡ってく ると書きあがるまでは他の事に手が回らない状 態になりますが、自分なりに色々工夫し、最近 では苦労しながらも楽しんで書いています。会 員の皆様が、読みやすく分かりやすく、そして 少し面白く読める記事を掲載できるよう努めて いきたいと思っております。
平成20 年は診療報酬の改定が行われます。 昨年10月頃は、初診料・再診料などを中心に 減額情報一辺倒で、どのような改定になってい くのか心配されましたが、小児科・産婦人科・ 救急医療などの崩壊が危惧される中で、減額改 定は避けられるようです。それでも、減額が無 いというだけで、限られたパイの中で診療報酬 の再配分が行われることは間違いありません。 診療科によっては向かい風の改定も予想され、 医療経営の厳しさは変わりないようです。
今年も、色々な出来事のある中で、楽しいこと 嬉しいことが少しでも多い一年であってほしいと 願っています。本年も宜しくお願いいたします。
広報委員(那覇市医師会)
玉井 修
新年あけましておめでとうございます。お正月 とは全く関係がありませんが、私の親父のてんぷ らについて書こうと思います。親父はてんぷら屋さんです。日本料理の天ぷらではなく、沖縄てん ぷらのてんぷら屋さんです。親父のてんぷらは遠 くからもわざわざ買いに来るほどの評判で、私の 病院の横で、73歳になる現在でもてんぷらを揚げ ています。私も子供の頃から食べていますが、特 徴は衣がしっとりしていて、歯触りはもっちり、 具はジューシー、揚げたてよりも少し冷めたあた りが最高です。きつね色ではなく、黄金色のてん ぷらが程よく冷めた時にタイミング良くほおばる と、衣と具の間に丁度小籠包の様なスープがあ り、口の中に幸せな美味しさが広がります。
親父にこのてんぷらの作り方を教えて欲しいと 最近頼んでみましたら、てんぷら屋を継ぐ気だっ たら教えてやると言われました。私は継ぐ気はない のですが、幸い弟が店を継ぐことになり、親父の 奥義は弟に一子相伝という事になりそうです。し かし、そこは親子なので、奥義の一端を得意げに 話してくれました。まず衣は熟成させるそうです。 最初その事を聞いたときには意味がわかりません でした。衣は何日か寝かせて熟成させたものを、 ある配合でこねるのだそうです。温度や湿度によ っても若干の違いがあり、若い衣と熟成させた衣 を混ぜ合わせる事が肝心だとか。ほほう、何だか 社会全体を象徴するような衣の話ですね。などと 茶化しながら更に話を聞きます。こねるときは機 械でこねると味が落ちるそうで、必ず自分の手で こねます。こねる機械を買って試したことがあった そうですが、全然美味しくなかったそうです。てぃ ーあんだとはこのことですかね、と私は相づちを打 ちます。そして具の魚ですが、食材が新鮮で、上 質なのはもちろんですが、実は包丁が決め手だそ うです。親父の包丁は、たった1本の包丁をずっと 磨いで使っているので、今では果物ナイフの様に 小さくなってしまいました。高額な包丁を買って きて、何度も試してみたそうですが、結局今の包 丁が一番だったとか。ちなみに、その使い込んだ包 丁は、いったい最初はどのくらい値が張ったのです か。と、不埒な質問をすると、何でもこの包丁は 最初は母親の台所包丁だったそうで、その辺の金 物屋さんで買ってきた安物だったそうです。ほー っ、ものの価値は値段ではなく、使う人の心一つ ですな、と更におだてました。そんな親父のこだわ りのてんぷらも、日によって出来、不出来があり、 また予想がつかないので厄介だそうです。自分の 満足いくてんぷらが揚がった時は、病院に電話が 入ります。美味しいてんぷらは、見ただけで分かる ようになりました。病院に通う患者さんが太って来ると、よく恨めしそうに言われます、あんたのお 父さんのてんぷらのせいだよ。
広報委員(南部地区医師会)
照屋 勉
あけましておめでとうございます。ここ4〜5 年来、医療界を取り巻く環境は、年毎に厳しさ を増してきているように思われます。例えば、自 由診療vs保険診療という混合診療の問題(株式 会社の参入、医療格差の増大)、産科医・小児科 医の不足、慢性的な看護師の不足、レセプトオ ンライン化によって起こりうる功罪(セキュリテ ィーの問題)、ジェネリック品使用の有無(後発 品薬害訴訟問題)、特定健診・特定保健指導の諸 問題(民間の健診事業者の参入)、介護難民問題 (療養病床の再編)、診療報酬のさらなるマイナ ス改定という大問題・・・などなど。しかしな がら、これらの難問の解決の糸口さえ見えない まま、映画「Sicco」の世界へどんどん引き込ま れていく今の日本の現実を、心配しない国民は いないと小生は確信しております。ところで、 『鈍感力』(by渡辺淳一氏)という名言がありま す。小生的に、今年は、この『鈍感力』を身に つけて・・・、さしあたり落ち込まず、「はい、 はい」と元気に返事をして、よく眠り、図に乗 り、鈍い腸を持ち、誠実さを持ち、常に前向き に、人を許して、感謝して、不快感をのみ込み、 「鋭さ」と「ナイーブさ」に磨きをかけていきた いと思っております。本年もどうか、ご指導・ ご鞭撻の程、よろしくゴザイマス・・・。
広報委員(国療沖縄公務員医師会) 久場 睦夫
新年あけましておめでとうございます。
旧年も様々な出来事がありましたが、どちらかというと全般に暗いニュースが多かったように思い ます。本県では、歴史教科書改ざん問題が連日、 大きく報道されました。この歴史改ざんは、世界中 からいっせいに批判を浴びた、万人が認める既知の 事実とされている韓国における戦時中の慰安婦問 題を無かったものと発言した一部首脳の一連の企 図と思われてなりません。医療界も残念ながら一向 に明るいきざしがみられません。「社会補償費の抑 制」の方針は変わっていません。診療報酬のさらな る削減が挙げられています。療養病床の削減のた め、行き場の無い患者が増えています。このため診 療が円滑に行い得ず、医療者は日々苦悩を強いら れています。適切な医療を提供するため医師会員・ 国民皆で声をあげ頑張りたいものです。
新型インフルエンザの危惧は今年も続いてい ます。
様々な問題がありますが、この医師会報を通 し、連携を密に医療の向上に努めましょう。
本年もよろしくお願い申し上げます。
広報委員(琉球大学医師会)
植田 真一郎
あけましておめでとうございます。
昨年はあちこちでの医療崩壊という言葉を聞 くようになりました。
医師会の雑誌で言うべきことではないのかもし れませんが、某経○諮○会議に象徴される競争原 理だとかグローバルとかが諸悪の根源になってい るような気がします。そこからなにか悪い方に走 っているような気がしてなりません。どのような 世界でも競争は無くなることはありませんが、持 ち込むひとの素養が重要ですし、もちこむところ を間違えるととんでもないことになります。特に 数値や効率だけを見るあまり、時に一番大切なも のを見失ってしまうということもあります。数字 を使って立石に水のような話をされると、なんか 納得してしまう、というあれですね。医療の中に は決して数値化されないもの、絶対に効率化でき ないもの、マニュアル化できないもの、日本人で あればこそ大切にしたい価値観などがあり、最近 これらが失われて行くようで残念です。大学を取り巻く環境も厳しく,行き過ぎた競争原理が、少 なくとも教育者でも研究者でもない人たちによっ て持ち込まれています。そんな状況で外部資金は 必要だと言われますが、一方で利益相反問題も生 じてきています。タミフルの問題に象徴されるよ うな問題が起こると、すぐ週刊誌を中心に研究の ための寄付金は賄賂だと言われます。こういうこ とになるとすぐ報道は極端になりますね。苦労し て外部資金を獲得しても、核となる教員(医学研 究者)の採用は簡単ではありません。大学での医 学研究の在り方も変わりつつありますが、生き残 る努力はしつつ、しかし本筋を忘れず、本質的な 臨床研究を続けて行きたいと思います。
広報委員(沖縄県公務員医師会)
上田 真
あけましておめでとうございます。
県立中部病院の上田と申します。広報委員を 拝命し2年目になります。編集委員会では私は 他の委員の先生の話を感心して聞いていること が多く、自分の至らなさを痛感しています。
昨年印象に残ったものの一つとしてはマスコ ミとの懇談会、「ドクターヘリについて」に参 加したことがあげられます。「ドクターヘリ」 とは別の「ヘリ添」、離島の診療所または病院 からの患者搬送に医師が添乗すること、につい て現状と現場で議論が続いていることをマスコ ミに説明させて頂きました。
今年はさらにお役に立てればと思っていま す。よろしくお願いします。
広報委員(那覇市立病院医師会)
久高 学
あけましておめでとうございます。
21世紀になって10年近く経ちます。この10年間で医療を憂える危惧論が山の様に言われて きました。医療費削減、医療事故、医療倫理、 医療制度改革・・・。日本人は悲観論や憂国論 が大好きです。日本悲観論を書けば本が売れま すし、日本は沈没すると叫べばそうだそうだと 大衆が共鳴します。医療の世界も同じです。医 師が集まる会合の挨拶では、これからの医療に ついての不安、恐れ、憂慮がだくだくと述べら れます。そして最後にきまってこのセリフで す。「大変だけど頑張ろう!」
医療の世界って本当に大変なのかなって考え ます。世間に流布された根拠のない噂に心を左 右されているだけじゃないかなって思うことさ えあります。確かにこの仕事はハードですし、 国が医療をよからぬ方向に誘導しようとしてい ることもわかります。「でもそれって変化を恐 れているだけじゃないの」とも思うんです。未 来は自分の心の中にあります。数字だけを求め る時代ではなくなりました。今を守ろうとする から変化が恐ろしくなります。時代の流れや変 遷が、次へのステップアップだと考えるとワク ワクします。今までに経験したことのない世界 に突入できちゃうんですから。自己進化ってや つです。異次元の世界に突入したときに、必ず チャンスがやって来ます。大切なのはここで す。その時のために準備を怠らずにチャンスを 掴むことです。「チャンスは前頭だけに髪の毛 があり、後頭ははげている。これに出会ったら 前髪を捕らえよ。」って名言もあります。時代 の波に弓を引くことは出来ません。溺れるだけ です。変化の波がやって来たら思いっきり乗っ てみることです。そうすれば新しい世界が見え てくるはずです。
医療にはきっと明るい未来が待っています。 我々はますます求められる人です。だから自分 を磨かなくっちゃあいけません。
「大変だけど頑張ろう」より「今年もきっと 素晴らしいからもっともっと頑張ろう!」の方 が素敵です。新春の挨拶は、大きく明朗な声で 笑いながら「我笑」と参りましょうよ。