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編集後記

例年にない暖冬であります。「桜前線の南下」 …?沖縄では、一月にヤンバルで桜祭り…。それか ら、本島南部・宮古・八重山と「桜前線の南下」は 毎年の年中行事とのことですが、今年はグッと冷え て溜めて溜めて花開くはずの桜たちが、あまりの暖 かさにタイミングを外してしまい、静岡・愛媛など の開花宣言後いったん桜前線は南下、その後北上す るとのこと…。異常気象の余波は「春の風情」にま で影響を及ぼしているようです。

さて、会報4月号…如何でしたでしょうか?

まず、『特別対談』〜仲井眞弘多知事と宮城信雄会 長との対談が巻頭を飾っております。知事が保健・医 療に関して今後の抱負を述べられておりますが、とて も力強いものを感じました。特に、医療参与・補佐官 のポストを設置して頂けることは、非常に画期的な事 と思われます。医療に関する“シンクタンク(頭脳集 団)”の設立も含め、医療参与・補佐官は是非とも独 立したポジション(三役待遇)で、懸案事項に対し積 極的なアドバイスができるようになる事を切に願って おります。また、愛煙家の知事が禁煙を実行すべく努 力したいと言う事でしたので、この点も是非とも頑張 って頂きたいと思います。

第3回地区医師会長会議を含むいくつかの『報告』 がありました。特に注目したいのは、『介護事故にお ける事業所側の債務不履行責任について(南部地区 医師会)』…。阿波連弁護士への照会、日本医師会 介護保険課への照会など、とても重要な問題だと思 われます。介護施設内で起こった事故に対応する賠 償責任保険としての「ウォームハート」という保険 の案内もありますので、是非ご一読ください。

『医療に関する県民との懇談会』が平成19年1月25 日に開催されました。担当理事の玉井修先生にとても コンパクトにまとめて頂きましたので、小生の印象記 も含め是非ご一読ください。

『耳の日に寄せて』というタイトルで鈴木幹男先 生にご寄稿頂きました。沖縄県の約100人の耳鼻咽 喉科医の先生方が、患者様のQOLの向上にご尽力 されているとのこと…。今後とも、宜しくお願い申 し上げます。

『生涯教育』のコーナーでは藤田次郎先生に『胸 部単純写真による肺炎および抗酸菌感染症の画像診 断』というタイトルでご寄稿頂きました。細菌検査 の結果を待たずに治療を開始しないといけないこと も多いとの事で、胸部単純写真による画像パターン を詳しくご教授頂きました。生涯教育コーナーに相 応しい内容の濃いご寄稿を頂き誠に有難うございま した。

『プライマリ・ケアコーナー』には、吉村仁志先 生に『尿異常からいろいろ見えるこどもの病気・こ どもをとりまく状況』というタイトルでご寄稿頂き ました。「排尿パターンの異常」と「尿の色の異常」 から、あれほどの鑑別疾患を考え、対処しないとい けないということを改めて痛感いたしました。「話を よく聞き、フットワークよく五感で患児を観察し、 無駄な検査を減らし、患者の利益を最優先させるケ アが必要…!」まったく同感であります。

『インタビューコーナー』では、社保審査委員長 の屋良勲先生に広報委員の久場睦夫先生がインタビ ューしてくださいました。審査委員・保険者に分か り易い「コメントの添付」が重要だとのことです。公 正・中立を基本として審査されているという事です ので、今後とも何卒ご指導・ご鞭撻の程宜しくお願 い申し上げます。

『地区医師会コーナー』には、山城千秋先生に 『看護師養成課程の新設を進めて』というタイトル でご寄稿頂きました。沖縄県では年間約800人の慢 性的な看護師不足…。平成20年4月から准看護コー ス(2年)の縮小、進学コース(3年)の廃止、レギ ュラーコース(3年)の新設…。難題山積のこの看 護師養成問題でありますが、素晴らしい成果が上が ります事を心から願っております。

『発言席』のコーナーには、まず、高須信行先生 から『甲状腺学会七條賞・三宅賞を受賞して』とい うタイトルでご寄稿頂きました。「みる眼を養う。発 見はどこにでもある…。」肝に銘じて、小生ももう 少し精進していきたいと思います。宮里達也先生か ら『世界保健デーに寄せて』というタイトルでご寄 稿頂きました。「健康は個人の責任か?」、「司法に よる医療の破壊!」、「人間社会は善悪二元論で決着 するのか?」…。先生の心からの“叫び”のような インパクトを感じました。この会報紙面(『発言席』 のコーナー)で忌憚のない議論・意見交換が行われ る事を期待するものであります。

最後に『随筆』が2題…。まず、野原昌亮先生か ら『おのぼりさん靖国神社参拝、富士山拝見記』と いうタイトルでご寄稿頂きました。先生が「プチ軍 事オタク」であった事、「不思議なスズメ」に出会っ た話などとても面白く読ませて頂きました。それに しても、早々に次のリレー随筆依頼を受けてもらえ る先生が見つかったことは本当によかったと思いま す。長嶺信夫先生から『まぼろしの沙羅双樹を探し 求めて』というタイトルの超大作をご寄稿頂きまし た。菩提樹・沙羅双樹・無憂樹…。沖縄の地に仏教 3大聖樹をそろえようというバイタリティーに、壮 大な男のロマンを感じました。しかし、沖縄までの 移動中、手荒な扱いで沙羅の苗木が全滅にならなか ったのは本当によかったと思いました。

さてさて、三寒四温…。すごしやすい春もすぐそ こまで来ているようですが、「別れビーサー」で季節 外れのインフルエンザなんかに負けないようにしっ かり自己管理して、さらにさらに難題山積な新年度 に立ち向かって参りましょう…。

広報委員 照屋 勉

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