プロ野球キャンプ真っ盛りの2月にこの編集 後記を書いています。例年の沖縄は雨が多く、 選手、チームを気の毒に思う年もあるのです が、今年は暖冬かつ雨が少ないおかげで順調に 練習できているようです。その練習を見学応援 するファンも多く、所によっては渋滞を引き起 こしているようです。
表紙はブーゲンビリアとシーサーです。昨今 愛嬌のあるシーサーをお土産店でよく見かけま すが、このシーサーは本来の魔よけらしく怖い 顔をしています。
本号の記事を見ていますと(本号だけではな いのですが)実に様々な事案、問題点があるこ とがわかります。医療費、IT化、無過失補償制 度、病診連携、生活習慣対策、救急医療を含む 地域医療、高齢者医療、などがあります。
なかで最も印象に残ったのは昨年に開催され た「医学会総会」の特別講演の熊本地域医療セ ンター小児科部長後藤善隆先生の小児救急医療 の報告で、うまくいっているとされる『熊本方 式』でさえ崩壊の危機にある、患児の親の対応 で数人の看護師、事務職員が退職、演者自身も 体調不良になった話が報告されました。現代の 医療の問題点について考えさせられる内容で、 このような話こそ一般県民(国民)に知っても らいたいと思いました。
月間行事では、琉大第一内科藤田次郎先生に より「世界結核デー(3月24日)」、はなしろ小 児科花城可雅先生により「子ども予防接種週間 (3月1〜7日)」のお知らせが詳細に解説されて います。
生涯教育では県立中部病院泌尿器科宮内孝治先生により「泌尿器科領域の癌について」、プ ライマリー・ケアでは県立南部医療センター・ こども医療センター小児科島袋智志先生により 「熱性痙攣への対処」についてわかりやすく解 説されています。
発言席では国立病院機構沖縄病院石川清司先 生により「がん対策情報センターとがん診療連 携拠点病院の機能と役割」についての記事があ り本県の進む方向が示唆されています。
地区医師会コーナーでは浦添市医師会久田友 一郎先生により同市の減量運動の記事「浦添市 3kg減量運動の新世紀へ向けて」があります。県 内では旧佐敷町の運動が有名と思いますがこの運 動が成功し県全体に広がることを願っています。
若手コーナーでは、みなみしまクリニック島 袋毅先生により「妖精と狼男と糖尿病警察」と 題してご寄稿いただきました。その中で、『糖 尿病バーンアウト』という本が紹介されていま す。最近回診で糖尿病教育を受けた患者さんが 難しいと言っていたのを思い出しました。ぜひ 読んでみたいと思います。
リレー随筆は県立宮古病院の米田恵寿先生に よる旧上野村の博愛の話で、昨年まで7年間宮古 島に勤務した私としては感慨深く拝読しました。
最後の随筆「祇園精舎と沙羅双樹」は長嶺信 夫先生によるインド旅行記ですが、いつもながら 歴史のロマンを感じさせる先生の文、奥様との仲 の良さ、に感銘しました。
本号も自信を持ってお送りできる内容と思いま す。投稿頂いた先生方に深く感謝申し上げます。
広報委員 上田 真