沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 2月号

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編集後記

年が明けたと思ったら、はやプロ野球のキャ ンプ到来となりました。ひいきチームの今年の 成績は如何にと気になりはじめる季節です。プ ロ野球は、国内のみならず海を越えた大リーグ での日本人選手の活躍もより一層期待されます が、医療界も少しでも改善されるよう願わずに はおれません。

九州医師会連合会の報告を安里哲好常任理事 からなされていますが、唐澤人日本医師会会 長の特別講演にあるように、我が国の社会保障 関係の拠出金は少ない。国民一人あたりの医療 費はアメリカの半分よりはるかに低く、欧米先 進諸国に比し2/3どまりである。世界に冠たる医 療を、医療者側が如何に献身的に提供している かが誰しも解る筈なのに、行政は財政難を盾に 診療報酬削減、病床削減を進めている。厳しい 状況ではあるが、医師会が強力に働きかけて社 会保障費の増額を実現してほしいものです。

その様な中、永年勤続医療従事者の表彰式に ついて嶺井進常任理事が報告されています。厳 しさの増す医療状況の中で20年同一施設で勤 続されたコメデイカルの方々98名が表彰された そうです。きっと医療技術はもとより、患者さ んおよびドクターとのコミュニケーションがよ くとれた方々でしょう。その献身的仕事ぶりが 推察されます。

今山裕康理事は第2回日本糖尿病対策推進会 議の模様を報告されていますが、対策の効率あ る実践と共に、全国および各都道府県医師会が 国民の健康保持対策をリードしている事を、積 極的に国民にアピールしましょう。

「アナフィラキシーに関する治療の最前線 (エピペンの紹介)」について嘉数朝一先生が述 べられていますが、我々プライマリケア医はでき るだけ講習を受け、アナフィラキシーに陥った患 者に即座に対応できるよう備えたいものです。

「生涯教育コーナー」では平敏裕先生が「リ ハビリ入院期間中の合併症としての変形性膝関 節症に対する装具の積極的使用−『膝を守る』 を目指して−」について詳述されています。今 後、益々高齢者が増える事から、その方たちの ADL・QOLの重要性は論を待ちません。該当す る患者さんにはより元気で快適な生活を送れる よう、装具の積極的活用を勧めたいと思います。

インタビューコーナーでは、八重山地区医師 会長の仲間健二先生が登場していますが、とり わけ医師不足問題に御苦労があるものと思われ ます。古くて新しい問題です。県や医師会をは じめ県民全体で考え、早急な永続的解決を望み ます。

甘口・辛口コーナーでは、砂川恵栄先生が、 看護師内診問題を取り上げています。お産に伴 う、いわば綱渡り的医療が何時おこるか常に油 断のできない現場が理解できます。そのような 中で、これまで永年にわたり日常診療でおこな われてきた医師指示下での看護師内診が違反だ とする見方は、現在の医療状況を理解していな い者のいわば無責任な意見あるいは利己的政治 的意図と思います。先生の御意見通り、「医師 指示下での看護師内診は違反ではない」と厚生 省医政局に働きかけ、明示通達すべきと考えま す。

リレー随筆コーナーでは、真栄城徳秀先生に 「快適睡眠を目指して」の投稿をいただきまし た。睡眠はいうまでもなく、健康に重要な要素 です。紹介して頂いた色々な知見を参考にして 快適な睡眠をとるよう心がけたい。

随筆コーナーでは、澁佐隆先生には「総合内 科医と高齢者医療についての独り言」をいただ きました。高齢者の診療に際しては寝たきり防 止についても配慮するよう、改めて努めたいと 思います。

広報委員 久場睦夫

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