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健康おきなわ2010 推進への取り組み
<二つの県立高等学校からの協力依頼>

大山朝賢

常任理事(健康おきなわ2010 推進委員会委員) 大山 朝賢

1.中部農林高等学校からの課外授業への協力依頼

説明をする中部農林高等学校の生徒さん

去った4 月中旬、沖縄県立中部農林高等学校 の教諭より本会宛に電話があり、当校の生徒達 が行うプロジェクト学習(課外授業)へ協力し ていただけないかとの依頼がありました。

具体的には、県立中部農林高校の生徒達が栽 培と加工研究を行っている“パプリカ(カラー ピーマン)”を、生活習慣病の予防に貢献できな いかと考えたことから、この考えに学術的な立 場からご意見をいただきたいとのことでした。

本会ではこの依頼を受けることとし、栄養学 的な観点については中部福祉保健所にご協力の ご依頼を申し上げ、小児生活習慣病の観点につ いては那覇市医師会生活習慣病検診センター副 所長の崎原永辰先生にご協力のご依頼を申し上 げました。中部福祉保健所の崎山所長をはじめ 中部福祉保健所の栄養士の方々、また崎原永辰 先生には、大変お忙しいところご快諾を賜り、 心より感謝申し上げます。

各先生方のご好意により、県立中部農林高校 の生徒7 名(教師1 名)を対象に、5 月1 日には 中部福祉保健所内にて所内の栄養士の方々によ る栄養学的な講話会が、5 月8 日には那覇市医 師会内にて崎原先生による小児生活習慣病に関 する講話会がもたれました。

パプリカアイスを試食し、感想を記載する崎原先生(手前)、
那覇市医師会生活習慣病健診センター職員(奥)

生徒さん達

生徒達は、当初パプリカの栄養価が高いとい う点から、パプリカを摂取することが健康保持 増進に繋がり延いては生活習慣病の予防に役立てられるのではないかと考えていたとのことで した。しかし栄養士の方々や崎原先生より「特 定の食物のみを摂取することで健康になるとい うことではなく、いろいろな食物をバランス良 く食べることが大事である。」という意見や 「パプリカをアイスクリームに加工するという アイデアは面白いが、アイスクリームは美味し いので食べ過ぎてしまわないよう注意すること も必要である。」等の意見がでました。さらに 生活習慣病を予防するために取り組まなければ ならない事項等の説明を受け、生徒等は自分達 の考えていたことと実際の取り組みの難しさに 複雑な表情を見せていましたが、「食べ過ぎな いようにアイスクリームのカップを小さくして はどうか。」という意見や「沖縄でとれる農産 物は抗酸化物質を多く含み栄養価もとても高い ため、みんなの取り組みには非常に期待してい る。」という話を受け、再び明るい表情を取り 戻しました。

各講話会は、生徒たちからの「パプリカアイ スクリームが完成しましたらお持ちします。大 変参考になるお話をありがとうございました。」 という元気な挨拶をもって終了しました。

それから約2 ヵ月後の6 月下旬、中部福祉保 健所並びに崎原永辰先生のもとに研究報告書と 完成したパプリカアイスクリームを持った生徒 達の元気な姿がありました。ちなみに報告書は A4 用紙を用いて10 ページにわたり、頼もしい 高校生の溌剌とした活動状況をくまなく描写さ れた立派なものでした。パプリカアイスクリー ムはブルーシール株式会社からすでに商品化の 話がでているようです。

2.読谷高等学校からのタバコ、酒等に関する講演会講師派遣依頼

講師の玉城清酬先生

去った5 月中旬、沖縄県立読谷高等学校の養 護教諭より本会宛に電話があり、当校が毎年企 画している全校生徒約1,000 名を対象とした講 演会へ講師を派遣していただけないかとの依頼 がありました。

具体的には、生徒達が生涯を通じて健康で安 全な生活を送るための基礎を培うことを目的 に、タバコ、酒、薬物等の害について、高校生 向けに分かりやすくご講演いただきたいとのこ とでした。

会場風景

本会ではこの依頼を受けることとし、当講演 会の講師を沖縄県医師会健康おきなわ2010 推 進委員会の委員でもあります、玉城清酬先生 (空と海とクリニック)にご対応いただくこと に致しました。玉城先生には大変お忙しいとこ ろご対応をいただき心より感謝申し上げます。

講演会は7月5日(水)午前9時から午前11 時までの2 時間、読谷高校体育館にて約1,000 名の生徒を対象に、「喫煙と健康」、「飲酒と健 康」、「まとめ」という3部構成で行われました。

タバコをテーマとした講演では、喫煙するこ とで発症リスクの高まる疾病について症例写真 を用い説明を行うとともに、タバコは若い頃か ら吸うほど癌になりやすく、またタバコの煙は 周囲に与える健康被害も大きいこと等を示した データが解説されました。飲酒をテーマとした 講演では、お酒の抑制を抑制する効果につい て、また短時間に多量のお酒を飲むことで急性 アルコール中毒の危険性が高まること等の健康 被害について分かりやすく説明が行われました。 また、“まとめ”として行われた講演では、「素 晴らしい県立読谷高校の皆さんへ」と題された スライドを用い、玉城先生ご自身の浪人生活や ハーバード大学に留学された際のエピソードを 交えながら、「誰にでもチャンスはあります。自 分の信じる道を強い心を持って果敢にチャレン ジして下さい。」と、進学や就職を控えた生徒 達の励みになる内容について話されました。

緊張した面持ちで質問する生徒さん

講演の終了後、生徒達から「お酒に弱い人が 無理をしてお酒を飲むとどうなりますか。」、「た ばこを簡単にやめる方法はありますか。」という 質問や、「浪人してまで医学部に入った理由は何 ですか。」という質問まで、多くの質問事項が寄 せられ活発な質疑応答が行われました。

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