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若手コーナーのススメ

玉井修

広報委員会委員 玉井 修

2年ほど前のこと。沖縄県医師会報に若手コ ーナーを作ってみては如何でしょうか?と提案 したのは私です。最近ではすっかり開業顛末記 になってしまった感のある若手コーナーです が、当初のねらいとはやや離れてしまった感が ありますので、ここで若手コーナーの趣旨を若 手の私が書いておこうと思います。初めにこの 様な趣旨を掲載すれば良かったのかも知れませ んが、なにぶん定着するかどうかもわからない 状態でしたので今になってしまい申し訳ありま せん。

私自身が勤務医であった頃、そのまま外科医 としてキャリアアップを続けたい自分と、組織 の中で生き残る事に対する漠然とした不安があ り、「このままで良いのだろうか?」という問 いを毎日自分に問い続けていました。医師とし てどのように生きていくべきか、自分の適性は どの方向なのだろうかと毎日問い続けていまし た。先日沖縄県医師会報で報告された勤務医の 意識調査においても揺れ動く勤務医の心が如実 に表れていましたね。

若手コーナーは本来、今まさに岐路に立って いる医師たちが様々な形で意見を交換し、問題 を語り合い、叱咤激励しあえるコーナーを作り たかったのが本来の趣旨でした。例えば下記の ような内容はどうでしょうか。

例1: 若手勤務医が本音で語る勤務医と しての夢。

近年勤務医の勤務状態が過酷になっている現 状があり、また産婦人科や小児科などはあまり に過酷なために社会問題とさえなっておりま す。今後勤務医としてどのように生きていくべ きなのか、どのような夢を持っていきたいかを 本音で語って頂ければ嬉しいです。夢も望みも ありませんなんて寂しいことは言わないでくだ さいね。

例2: ややベテラン勤務医が、日々忙殺 される若手の勤務医へ送るエール。

新臨床研修医制度が始まりました。私たちが 過去経験したような研修医は、おっかない先輩 方に怒鳴られ、蹴飛ばされながら初期研修を致 しました。最初から医局預かりになる研修医は プライマリ・ケアの充分な研修が系統的に経験 できない可能性がある反面、先輩や同僚との強 い絆が武器でもありました。医局という絆がや や希薄になった今、その絆を深める一つの手段 としてこのコーナーを利用していただければ幸 いです。研修医のモチベーションアップに大い に期待し、将来の良医が多く育っていく一助と なる事を期待しております。

例3:離島医療にかける熱意等々。

離島医療は沖縄県の大きな課題です。離島医 療を経験した医師は多くいらっしゃると思いま す。離島医療の現状と課題はどのようなものな のでしょうか?離島医療にかける熱意ととも に、これからの課題の大きさについても是非ご 意見をいただきたいと思います。

例4:開業顛末記。

最近新規開業が目立って多くなってきまし た。しかし、実際開業してみると多大な借金の 返済や、経理業務、労務管理業務などに神経を すり減らし、思惑とは違った厳しい現実があり ます。最近大都市では医療圏についての配慮を 欠いたビル診療所の乱立が一部の斡旋業者によ って行われているような事も聞きます。開業医 としての道もまた険しいものがあるようです。


上記は一例に過ぎません、岐路に立つ医師か らのご寄稿、岐路に立つ医師への言葉をお待ち しています。

さて、そこで若手というクライテリアはどこか らどこまでの範囲でしょうか?とのご質問が聞 こえてきそうです。広報委員ではお気持ちが若 ければ年齢は特に問わない事になっております。